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95/98

95.誇っていいことです

投影機の光が、夜のリビングを淡く照らしていた。


誰も、すぐには声を出せなかった。


映像の中で、アリシアは笑っていた。


けれど、その笑みは家族に向けるものではなかった。


シオンとリオを前にして、アリシアは二人の血を暴き、母親たちの傷を抉り、逃げ場を潰すように言葉を重ねていく。


竜ではないから数えられなかった。


父親に子供として見られなかった。


出来損ない。


その言葉が投影機越しに落ちるたび、リビングの空気が冷えていった。


ヴォルカは口元を押さえた。


「そんな……」


声が震えていた。


「そんな言い方をしてはいけません……」


投影機の中にいるアリシアには届かない。


それでも、ヴォルカは言わずにいられなかった。


「あの子たちが竜ではないからといって、あのように傷つけていい理由にはなりません。お母様のことまで、あんなふうに……」


フローラは椅子に座ったまま、じっと映像を見ていた。


表情は大きく変わらない。


けれど、指先だけが椅子の縁を強く掴んでいる。


「血筋を使って人を踏みにじるなど、最低です」


静かな声だった。


静かなぶん、怒りは深かった。


「アリシアが何を抱えていたとしても、あれは許されません。相手の母親の事情まで刃にする必要はありませんでした」


ヨルカは床に座り込んだまま、青ざめた顔で投影機を見ていた。


姉の言葉が、自分の知っている姉のものとは思えなかった。


いや。


違う。


思えなかったのではない。


知っていた。


アリシアの中に、ああいう熱があることを。


穏やかな一面の裏に、激しい差別意識があることを。


だからこそ、見せたくなかった。


母たちにだけは、知られたくなかった。


それなのに、映像は止まらない。


アリシアは、シオンとリオがアキトの血を引いている可能性を突きつけた。


銀河竜アッシュ。


その名が出た瞬間、リビングの空気がさらに重くなる。


ヴォルカは小さく首を振った。


「どうして……どうして、こんな形で子供たちが傷つかなければならないのですか」


アッシュ本人はここにいない。


けれど、彼が残したものだけが、二人の少女を刺している。


母を傷つけられた子供。


父に数えられなかったかもしれない子供。


知らないまま恋をして、知らないまま血に絡め取られていた子供。


ヴォルカには、それが耐えがたかった。


フローラは目を細める。


「“アレ”が義父だとは認めたくないですね」


冷たい声だった。


「ユキトも酷いですが、ここまで行くと笑えません」


「フローラさん……」


ヴォルカが小さく見る。


フローラは投影機から目を逸らさない。


「ですが、アッシュが最低であることと、アリシアがその事実を武器にしていいことは別です」


ネムリアが頷いた。


「くずりゅう」


少し間を置く。


「でも、使ったのはアリシア」


誰も否定しなかった。


アリシアは間違っている。


それは確かだった。


けれど、ヴォルカが苦しそうに言った。


「私たちは、あの子をそんなふうに育てたつもりは……」


ヴォルカの声は、そこで小さく途切れた。


否定したかった。


そんなつもりはなかった。


竜でなければ価値がないなど、一度も教えたつもりはない。


けれど、その言葉を最後まで言い切る前に、ヨルカがぽつりと呟いた。


「……でも、隠していましたよね」


母たちの視線が、ゆっくりとヨルカへ向く。


ヨルカは床に座り込んだまま、膝の上で手を握りしめていた。


顔色は悪い。


それでも、目だけは母たちから逸らさなかった。


「私たちは、子供でした。だから、何を隠されているのかまでは分かりませんでした」


声が震える。


けれど、止まらなかった。


「でも、母さんたちが何かを怖がっていることくらいは、分かっていました」


ヴォルカの表情が凍る。


フローラも、何も言えなかった。


ヨルカは続ける。


「私が、それが何なのか分かったのは、大人になってからです」


言葉にするたび、リビングの空気が重くなる。


「でも、お姉ちゃんは……」


ヨルカはそこで唇を噛んだ。


アリシアの顔が、脳裏に浮かんだ。


いつも強くて。


いつも正しくて。


いつも、自分より先に何かを理解していた姉。


「お姉ちゃんは、子供の頃から知っていたのかもしれません」


ヴォルカが息を呑んだ。


「アリシアが……?」


「分かりません。本当に知っていたのか、ただ感じ取っていただけなのか。でも、お姉ちゃんはたぶん、私よりずっと早く気づいていました」


ヨルカの声が、少しだけ強くなる。


「母さんたちが、私たちを愛していることも。大切にしていることも。嘘じゃなかったと思います」


そこで、ヨルカは母たちを見た。


「でも、それとは別に、安心していましたよね。私たちが竜であることに。純竜であることに。母さんたちと同じ時間を生きられるかもしれないことに」


誰も答えなかった。


答えられなかった。


ヨルカは、ゆっくりと視線を投影機へ戻す。


映像の中のアリシアは、シオンとリオを傷つけている。


最低な言葉だった。


許される言葉ではなかった。


けれど。


その根っこが、どこから来たのかを考えないわけにはいかなかった。


「お姉ちゃんは、母さんたちを責めなかったんだと思います」


ヨルカは小さく言った。


「責めなかったから、ずっと一人で抱えていたんだと思います」


ヴォルカの手が震えた。


フローラは椅子の縁を掴んだまま、目を伏せる。


「……教えたつもりは、ありません」


ヴォルカが掠れた声で言った。


「竜でなければ価値がないなんて、そんなことは一度も……」


「分かっています」


ヨルカはすぐに答えた。


その優しさが、かえって逃げ場を奪った。


「でも、教えなくても伝わることはあります」


リビングに沈黙が落ちる。


投影機の中では、まだアリシアが何かを言っている。


だが、母たちの耳にはもう、ヨルカの声しか残っていなかった。


「私たちは、母さんたちが何かを隠していることを、うすうす分かっていました」


ヨルカは、泣きそうな顔で続ける。


「私でさえ、そうだったんです。なら、お姉ちゃんが気づかないはずがありません」


ヴォルカは俯いた。


フローラも、何も言わなかった。


アリシアは間違っている。


それは変わらない。


けれど、アリシアだけが突然あんなふうになったわけではない。


家の中にあった沈黙。


言葉にされなかった恐れ。


竜であることへの安堵。


寿命が早く尽きるであろう父への不安。


それらを、子供たちは何も知らないまま浴びていた。


浴びていないことにされていただけだった。


ヨルカは、最後に小さく言った。


「だから……お姉ちゃんだけの罪には、できません」


その言葉に、ヴォルカは何も返せなかった。


フローラも、目を伏せたまま動かない。


誰も否定しなかった。


否定できる者など、ここにはいなかった。


その沈黙の中で、ネムリアがぽつりと言った。


「痛いね」


短い言葉だった。


けれど、それはアリシアのことだけを言っているのではなかった。


シオンとリオを傷つけた言葉。


アリシアが抱えていたもの。


母たちが隠していた不安。


子供たちが、何も知らないふりをしながら浴びていた沈黙。


その全部が、痛かった。


その時、投影機の中でカイトの声が鋭く響いた。


アリシアを止める声。


これ以上二人を傷つけるなという叫び。


そして。


家族だとは思わない。


姉としても受け入れられない。


その言葉が落ちた瞬間、ヨルカの顔が歪んだ。


ヴォルカが息を呑む。


フローラも、まぶたを伏せた。


アリシアが傷ついたのが分かった。


映像越しでも分かるほど、はっきりと。


それでも、カイトの言葉は間違っていなかった。


間違っていないからこそ、痛かった。


アリシアは、最後にカイトへ言った。


あなたも、あの男と同じだ。


その声は震えていた。


それから、アリシアは顔を背ける。


さようなら。


白い光が校庭に落ちた。


現代日本という世界が、竜になろうとしたアリシアを拒絶する。


光が閉じる。


アリシアの姿が消えた。


同時に、リビングの外で空気が揺れた。


ネムリアが顔を上げる。


「戻った」


ヴォルカは椅子を倒す勢いで立ち上がった。


「アリシア!」


窓へ駆け寄る。


フローラも続いた。


ヨルカは立とうとして、膝に力が入らず、床に手をついた。


窓の外。


夜の庭に、アリシアがいた。


一人で立っている。


月明かりの下、背中だけが見える。


顔は分からない。


泣いているのか、怒っているのか、それさえ分からない。


ただ、誰にも近づいてほしくないように見えた。


ヴォルカは窓枠に手をかけた。


「行かなきゃ……」


だが、その時、別の気配が動いた。


庭の奥から、ユキトが出てくる。


玄関前で固まっているアリシアの帰還に、彼も気づいていた。


ユキトは何があったかは知らない。


それでも、アリシアの異常には気づいていた。


彼は迷わずアリシアへ向かっていった。


ヴォルカの手が止まった。


「ユキトさん……」


フローラは窓の外を見たまま言う。


「アリシアは、ユキトに任せます」


「でも」


「私たちが今行けば、責めてしまうかもしれません」


フローラの声は低かった。


「あるいは、謝ってしまうかもしれません。どちらも、今のアリシアには重すぎる」


ヴォルカは言葉を失う。


ネムリアが投影機を見る。


「今は、カイト」


その言葉で、母たちは振り向いた。


投影機の中には、まだカイトがいた。


校庭に残されたカイト。


目の前には、リオとシオン。


二人もまた、壊れかけている。


アリシアのところへ行きたい。


抱きしめたい。


止めたい。


謝りたい。


けれど、カイトからも目を離せなかった。


見守り会。


その名はもう、言い訳にもならなかった。


これは見守りではない。


それでも、ここで目を逸らすことは、もっと無責任に思えた。


ヴォルカは震える息を吐いた。


「ユキトさんなら……」


自分に言い聞かせるように。


「きっと、アリシアを一人にはしません」


フローラは頷いた。


ネムリアも短く言う。


「任せよう」


母たちは窓から離れ、再び投影機へ向き直った。


映像の中で、カイトはリオとシオンへ真実を話していた。


自分はユキトではない。


名前はカイト。


異世界で生まれた竜。


ユキトの息子で、アリシアは姉。


父の残した関係を終わらせるために、この世界へ来た。


ヴォルカは胸元を押さえる。


「カイト……」


カイトが誰かを救うためではなく、誰かを傷つけるために言葉を選ばなければならない。


そのことが苦しかった。


フローラは静かに見ていた。


「遅すぎました」


冷たい評価だった。


けれど、すぐに続ける。


「それでも、自分の名前で話しました」


ネムリアは短く言う。


「逃げなかった」


やがてカイトは、二人へ告げた。


選ばない、と。


ユキトの代わりとしても。


カイトとしても。


君たちの隣には立てない、と。


ヴォルカの目に涙が浮かぶ。


「苦しい言葉を、自分で言えたのですね」


誰かを拒む言葉。


誰かの期待を終わらせる言葉。


それは優しくない。


けれど、必要な言葉だった。


フローラは低く言う。


「これはユキトの清算ではありません。カイト自身の選択です」


ネムリアが頷く。


「えらい」


少し置いて。


「でも、痛い」


その通りだった。


画面の中のリオは、泣きそうな顔で立っていた。


それでも、最後には自分の気持ちが分からないと認めた。


ユキトを好きだったのか。


カイトを好きになりかけたのか。


寂しさなのか。


血のせいなのか。


分からない。


だから、今は誰の隣にも立てない。


シオンも同じだった。


静かに壊れかけながら、それでも自分を見つめた。


今カイトに縋れば、それは愛ではなく依存になる。


だから離れる。


二人は最後に、彼をユキトではなくカイトとして呼んだ。


別れのために。


母たちは、何も言えなかった。


ただ、見届けるしかなかった。


ヴォルカが小さく言う。


「二人とも、ちゃんと自分で立とうとしているのですね」


フローラも頷く。


「壊れかけているのに、依存へ逃げなかった。よく我慢しましたね」


ネムリアは短く言った。


「いい子たち」


そして。


「ちゃんと別れた」


父の二股は、カイトだけが終わらせたのではない。


リオも、シオンも、自分の足でそこから降りた。


それは救いではなかった。


けれど、逃げではなかった。


しばらくするとカイトは歩き出した。


次に映ったのは、公園だった。


夜の公園。


街灯。


揺れるブランコ。


ベンチに座る少女。


ユウナ。


カイトは傷だらけのまま、彼女の前にいた。


母たちは、少しだけ息を呑む。


ユウナは、カイトの話を聞いていた。


異世界。


竜。


ユキトの息子。


アリシアのこと。


リオとシオンのこと。


普通なら信じられない話を、彼女は最後まで聞いていた。


けれど、ユウナが最初に気にしたのは、異世界ではなかった。


竜でもなかった。


カイトの怪我だった。


ヴォルカが目を細める。


「この子は……」


フローラが静かに言う。


「カイトを見ていますね」


ネムリアが頷く。


「ユキトじゃない」


ユウナは、カイトをユキトとして見ていない。


竜として見ているわけでもない。


不思議な存在として距離を置いているわけでもない。


ただ、怪我をして、約束の場所へ来たカイトを見ている。


そのことが、母たちには痛いほど分かった。


カイトは、ユウナへ自分の恐怖を話し始めた。


自分は竜であること。


人間より長く生きるかもしれないこと。


だから昔は、人間を選ばないと思っていたこと。


好きになった相手が先に年を取り、先に老いて、自分だけが変わらないまま見送る未来。


そんな愛し方はできないと思っていたこと。


ヴォルカの指先が震えた。


フローラの表情も硬くなる。


ネムリアは黙って投影機を見ていた。


カイトは続ける。


今なら、母たちがユキトを選んだ理由が少し分かる。


竜だから好きになるわけではない。


人間だから好きにならないわけでもない。


長く生きるから安心だとか、短く生きるから駄目だとか、そういう話ではない。


その人だから、好きになる。


そして、カイトは言った。


俺は、ユウナが好きだ。


リビングの空気が止まった。


ユウナも、静かに答える。


私も、カイト君が好き。


けれど、今日は恋人になる日ではないと続けた。


考える。


竜であること。


人間であること。


寿命が違うかもしれないこと。


怖いこと。


それでも、二人は互いを見ようとしていた。


母たちは、一瞬、救われかけた。


カイトは逃げ場としてユウナを選んだのではない。


ユウナも、カイトを誰かの代わりにしていない。


二人は急がない。


怖さをなかったことにしない。


それでも、向き合おうとしている。


そのことに、ヴォルカは胸を撫で下ろしかけた。


だが、すぐに顔色が変わった。


「待ってください……」


フローラも、同じことに気づいた。


目が細くなる。


「これは……」


ネムリアが短く言った。


「人間を選ぶ」


その言葉で、ヴォルカの顔から血の気が引いた。


そうだ。


夫が灰竜かもしれない。


そう思った時、母たちは救われた。


ユキトが人間ではないなら。


本当に竜なら。


自分たちと同じ時間を生きられるなら。


ずっと恐れていた未来は、来ないかもしれない。


その恐怖から、ようやく解放されるかもしれない。


そう思った。


でも次の瞬間、息子は人間の少女を好きだと言った。


ヴォルカの声が震える。


「怖くないのですか……?」


届かない。


けれど、言わずにはいられなかった。


「分かっていて、選ぶのですか。いつか置いていかれるかもしれないと、分かっていて」


フローラは唇を引き結んだ。


「愚か、とは言えませんね」


なぜなら、自分たちも同じことをした。


ユキトを人間だと思っていた。


彼が先に老いて、先に死ぬかもしれないと分かっていた。


それでも選んだ。


だからカイトを否定できない。


否定できないからこそ、怖かった。


「分かっていて選ぶ方が、ずっと重いです」


フローラの声は硬かった。


「カイトは、何も知らずに進んでいるのではありません。私たちを見た上で、それでもユウナを見ています」


ネムリアが短く言う。


「怖い」


そして。


「でも、逃げてない」


その言葉に、母たちは黙った。


カイトは怖さを隠していない。


竜だから大丈夫とも言わない。


人間だから駄目とも言わない。


ユウナにも考える時間を渡している。


すぐに恋人になることを求めない。


それでも、好きだと言った。


母たちは、そこでようやく気づいた。


カイトは、自分たちの恐怖をなぞっているのではない。


自分たちが言葉にしきれなかったものを、自分の言葉で扱おうとしている。


ヴォルカの目から涙が零れた。


「カイトは……私たちより先へ行こうとしているのですね」


その声には寂しさがあった。


子供だと思っていた。


守る対象だと思っていた。


まだ、自分たちの手の中にいると思っていた。


けれど、カイトはもう、自分たちより一歩も二歩も先に行っていた。


フローラは静かに目を伏せる。


「寂しいですね」


少しだけ間を置いて。


「けれど、誇っていいことです」


ネムリアは投影機を見つめたまま言う。


「大人になった」


さらに短く。


「さみしい」


そして。


「私たちより、立派」


ユウナは、今日はここまでだと言った。


カイトもそれを受け入れた。


明日。


またファミレスで勉強する約束。


それを取り付けてカイトは少しだけ笑った。


リオとシオンが呼んだカイトという名は、別れのための名前だった。


けれど、ユウナが呼ぶその名は違った。


ここから続けるための名前だった。


リビングに、ほんの少しだけ息が戻る。


ヴォルカは涙を拭った。


フローラは投影機を見つめたまま、静かに息を吐いた。


ネムリアは膝を抱え直す。


ヨルカも、ようやく少しだけ肩の力を抜いた。


その時だった。


背後で、扉が開いた。


小さな音だった。


けれど、リビングにいた全員が凍った。


最初に振り向いたのはネムリアだった。


「……アリシア」


フローラもゆっくり振り向く。


ヴォルカの息が止まる。


「ひっ!」


ヨルカは短く悲鳴をあげ、動けなかった。


そこに、アリシアが立っていた。


外から戻ってきたばかりなのだろう。


髪は少し乱れている。


目元は赤い。


けれど、表情だけは取り繕おうとしていた。


何かを言いに来たのかもしれない。


あるいは、ただ部屋へ戻ろうとしただけかもしれない。


だが、アリシアはリビングに入った瞬間、止まった。


投影機の光が、彼女の顔を照らしていた。


テーブルの上の菓子。


見やすい位置に並べられた椅子。


そして、中央の投影機。


そこには、カイトとユウナが映っていた。


アリシアの瞳が、かすかに揺れる。


彼女は投影機を見た。


母たちを見た。


ヨルカを見た。


もう一度、投影機を見た。


誰も、何も言えなかった。


言い訳などできるはずがなかった。


アリシアは理解した。


母たちは見ていた。


自分がシオンとリオを傷つけたところも。


カイトに拒絶されたところも。


さようならと言って逃げたところも。


カイトがリオとシオンとの関係を終わらせたところも。


そして今。


カイトがユウナに好きだと言ったところも。


全部。


投影機の中で、カイトの隣にはユウナがいた。


アリシアは、その光景を見つめたまま固まっていた。


その瞬間。


彼女は、すべてを理解してしまった。


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