表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/119

88 大会の申し込みをしに王都へ

 翌朝。

 朝食と畑の水やりを終えて家で待っていると、サクラが家に来た。



「おはよう、ユリアちゃん」

「おはようサクラ」



 今一階の居間にいるのは私とディアとシアだけだ。

 精霊たちは畑に行ってるし、ジャスミンは朝食後に二度寝をしている。

 シアも寝てるけど。



「あれ、知らない子がいるね」

「あ、この子はシャウリット。 昨日家族になった水の精霊だよ」

「今は寝てるんだね」

「半分寝てる状態かな? 呼べば起きると思うけど」

「ううん、そのまま寝かせてあげよう。 起こすのはかわいそうだし。 それにしても綺麗な髪・・・・・・」



 サクラが、流れる水のようにかすかに光るシアの髪に見とれている。

 気持ちはわかる、水の精霊の髪って綺麗だよね。



「綺麗な色だよね。 ディアの髪型はかわいい感じだけど、この子は綺麗って感じだね」

「うん。 デアソリットちゃんのもこもこした髪は可愛いけど、シャウリットちゃんはサラサラしてて綺麗」



 ディアの髪は先端が跳ねてるんだけど触ると柔らかくて羊毛のようにフワフワしている。

 シアの方はきめ細かいサラサラした髪でディアとは違った触り心地だ。

 シャンプーのCMとかに出てきそう。



「あ、これは今日の分の卵だよ。 こっちに来るから直接持ってきたの」

「わざわざありがとう。 朝ごはんはまだだよね? 食べると思って用意はしてあるけど」



 今日は朝に鳥のお世話をした後そのままうちに来ている。

 いつもなら孤児院に戻って食事を済ませた後、お昼過ぎにお城に行っている。

 なので今日は食べてこないだろうと思って用意はしてある。

 1人だけ先に食べてくる可能性もあったけど、サクラの性格的に迷惑をかけるくらいなら我慢しそうだし。



「いいの?」

「いいよ。 食べてこないだろうと思って作ってたから。 食べてきてたとしても収納しておけばいいだけだし」

「ありがとう」



 今日の朝食にはパンといつもの野菜とスープに卵を入れた物を作った。



「このスープの白と黄色の物は? 不思議な食感」

「それは卵だよ」

「卵ってこんな感じになるの?」

「ゆっくりかきまぜたスープに少しずつ入れるとこうなるんだよ。 勢い良くかき混ぜたり一気に入れて温度が下がると卵味のスープになっちゃうから注意だけどね」

「小さい頃に卵の料理はいくつか食べたけど、これは初めて見るね。 すごく美味しい」



 サクラが朝食を食べ終わってまったりしてると、リーアが階段を下りてきた。



「おはようございます!」

「え? あ、あの扉から来たんだ。 急に来たからびっくりしたよ」



 急にリーアが二階から来てビックリするサクラ。

 ゲートのある屋根裏はドアとかは無く、テーブルと階段があるだけなので、一階まで来るのは簡単だ。

 玄関含めた各ドアは私とディア(今はシアも)しか開けられないので、一階に来る以外はどこにも行けないけど。


 ジャスミンの部屋は当然ジャスミンも登録してあるけどね。



「準備ができてるならこのまま行っちゃおうか」

「「はい!」」



 私は2人を連れて屋根裏へと移動する。

 ジャスミンは当然来ないとして、ディアもいつも通り残った。

 でもシアは魔力を与えるために今回は連れていくことになった。

 もうすでに少し大きくなっているね。


 シアを見たリーアが案の定抱っこしたいと言ってきたので、シアに聞いたが首を振って嫌がったので今回は無しだ。


 ゲートを通ってお城の部屋に行く。 



「あれ、ここはどこですか? ずいぶんと立派なお部屋ですが、ユリアさんのおうちですか? それにもう1つゲートがありますね」



 そういえば、リーアにはお城の部屋を借りてるのもサクラがここで勉強してるのも言ってないかも?

 リーアが知らないって事はサクラも話してないんだろう。



「ここはお城にある部屋だよ。 ゲートを置くために借りてるの」

「お城のお部屋を借りるなんて事できるんですね・・・・・・」



 リーアは部屋を見回している。



「このお部屋はお勉強部屋みたいですね。 ユリアさんが使っているんですか?」

「ここはサクラが使ってる勉強部屋だよ。 前にサクラが教育を受けるって話をしたよね? もう1つのゲートはサクラ用に開いてあるんだよ」

「お城でお勉強していたんですか!?」



 元貴族とはいえ、今は孤児のサクラがお城で領主の教育を受けるなんて異例の事だと思う。



「王様がお城で勉強するほうが人員の異動が無くていいって言ってたから、この部屋を使ってるの。 私も借りたはいいけどゲートを置くだけで使ってなかったし」

「でもお城って事は王族の方々に会う可能性があるって事ですよね・・・・・・」



 貴族と王族ってどれくらいの差があるんだろう?

 この反応を見ると平民が貴族に対して緊張するのと同じように見える。



「可能性はあるね。 この部屋の場所はデイジーやマリーの部屋の近くだし」

「お姫様のお部屋の近くって事はお城の奥の方ですか!? 貴族でも入れない場所にお部屋を借りるなんて・・・・・・」



 サクラは慣れたのか普通に見えるけど、貴族のリーアの方が緊張している。

 ちょっと面白い。



「そういえばこの後ってどこに行けばいいの?」

「えっと、お城の門で受け付けをしているはずなので、門まで行かないといけませんね」

「ここからだとちょっと遠いね。 迷路みたいになってるし」



 地図で入口までの道はわかるけど、迷路みたいになってるので、上がったり下がったりが面倒なのは変わらない。

 私たちが部屋の中で話していたら入り口のドアが勢いよく開いた。

 もうこの開け方で誰が来たかわかる。



「ゆりあ!」



 部屋を開けて飛び込んできたのは、予想通りデイジーだった。

 デイジーは私にタックル、もとい抱き着いて顔面ぐりぐり攻撃をしてくる。

 私はシアにぶつからないようにシアの位置を少しずらす。

 そのままデイジーの頭を撫でていると、デイジーがサクラの方に片手を伸ばした。



「さくらも!」

「はい、おはようございますデイジーちゃん」



 サクラは延ばされた手を握ると挨拶をする。

 呼び方はちゃん付けになったんだ。

 そんな私たちを見て固まっているのがリーアだった。



「サ、サクラ。 この方はもしかして・・・・・・」

「王女様のデイジーちゃんだよ」

「ちょ、サクラ、王女様にちゃん付けはまずいですよ!」

「国王様からも許可は貰ってるから大丈夫だよ」



 王様公認なら問題はないね。



「ずいぶん賑やかだと思ったらユリアが来てたのね」



 開けっ放しのドアからマリーが覗いていた。



「おはようマリー。 今日は戦技大会とかいうのの申し込み?に来たんだけど」



 話しかけるとマリーも部屋に入ってくる。



「そのために来てくれたのね。 返事がなかったから今日あたりにサクラに聞いてもらおうと思ってたのよ。 ユリアならすぐ来れるし」

「そういえば一言言っておけばよかったね。 来るまでに整地を終わらせたくて、他の事を結構おろそかにしちゃってて」



 朝から夕方までずっと整地するという生活をしていた。

 今考えると結構重労働だ、疲れないからいまいち実感はないけど。



「終わったの?」

「整地は終わったよ。 あとはサクラと相談して道や建物の配置をどうするか、かな」

「順調そうで安心したわ。 それで、さっきから気になってたんだけど。 2人ほど多いわね。 ユリアの後ろにいるのはモウイの領主の娘のフリージアよね?」



 デイジーの登場で固まっていたリーアは、マリーの登場で私の斜め後ろに隠れてしまった。

 王女様相手にそれは怒られたりしないのかな?

 リーアは緊張しながらもちゃんと挨拶をしていた。



「リーアは大会を見たいけど、父親が忙しくて来れないからって私が連れてきたの。 で、この子は新しい家族で水の精霊のシャウリットだよ。 愛称はシアね」

「精霊の家族ってこの前行った時にいた土の精霊だっけ? 今度は水の精霊なのね。 綺麗・・・・・・」



 マリーは寝ているシアの髪を眺めている。


 しばらく眺めて満足したのかマリーが話し始める。



「じゃあお父様の所に行きましょうか」

「なんで?」

「戦技大会のために来たんでしょ?」

「そうだけど、受け付けするのは門じゃないの?」

「ここから門は遠いから直接お父様の執務室に行った方がいいわ」

「なるほど。 その方が楽かも」

「じゃあ行くわよ。 デイジー、お父様の所に行くからユリアを離してあげて」

「うん」



 デイジーは私から離れると、開いてる方の手にしがみつく。

 歩けるようにはなったけど、離れてはいないね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ