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52 リーアの依頼、報告

「リーアちょっとごめんね。 この人たち連れてかないといけないから集めてくるね」

「えっと、はい・・・・・・」



 呆然としているリーアをそのままに、土魔法で取っ手付きの大きな箱を作って男たちを放り込んで格子状の蓋をする。

 そのまま蓋をすると窒息しちゃうからね。



「リーア終わったよ、時間無駄にしちゃったから少し急ごうか」

「その箱はどうするんですか?」

「このまま引っ張っていくよ。 荷車の車輪無しだけど、乗り心地なんて考慮しなくてもいいでしょ」

「車輪無しだとただの取っ手付きの箱ですね」



 リーアに笑われてしまった。

 確かに車輪がないから荷車ではないか。

 止まったついでに馬に水を与えて少し早めに走ってもらう。



 その後は特に何事もなく、地面に引きずった跡を残しながら街まで帰ってきた。

 まあ街に近かったしね。



「フリージア様。 お帰りなさいませ」



 リーアに気付き、門番が頭を下げている。

 リーアは馬から降りて門番に近づいていく。

 


「ただいま戻りました。 それで、この箱の中には盗賊がいますので、あとお願いしますね」

「盗賊、ですか?」

「はい、ここに着く少し前に盗賊に襲われたのをユリアさんに守っていただきました」

「お嬢様を守っていただきありがとうございますユリアさん」



 リーアの前だからか、いつもの嬢ちゃん呼びではなく名前で呼ばれた。

 凄く違和感。



「12人ほどいますがどうしますか?」

「12人ですか・・・・・・すみません、応援を呼びますので少しだけお待ちください」



 少し考えた後、リーアに頭を下げ、小屋まで行く。

 そのままドアを開けると、中の人を呼んだ。

 少しすると、中から3人縄を持って出てきた。



「お待たせしました、それではこちらで引き取ります。 この荷ぐr、箱?はどうやって開ければ?」



 門番が箱を開けようと四苦八苦している。

 多分物理的には開かないと思うよ。



「壊しますので縛る準備をしておいてください」

「え、壊してしまうんですか?」

「元々土魔法で作ったただの箱なので、魔法解除するだけです」

「これ、土魔法だったんですか・・・・・・」



 驚いてるも版を無視して魔法で作った取っ手付きの箱を壊す。

 中の男たちはまだ気絶したままだったみたいで動かない。



「気絶していますね。 よし!さっさと縛るぞ!」



 警戒していた門番は男たちが気絶しているのを確認すると、仲間に指示を出し、急いで縛り始めた。

 途中で起きても困るので、私は全員縛り終わるまで眺めている。



「縛り終わりました。 それではフリージア様、応援が来次第この者たちは牢屋に連れて行きます」



 門番はリーアに頭を下げた後、3人が残り、1人が走って街の中に入って行った。



「それじゃあ私たちはギルドに行こうか」

「はい、わかりました」



 リーアが馬を引いたままギルドまで歩く。

 ギルドに着き、外にある柱に馬をつないで2人で中に入り、スズランさんのいるカウンターまで行く。



「これはフリージア様とユリアさん・・・・・・何かありましたか?」



 リーアに頭を下げた後、首をかしげるスズランさん。

 報告しに来ただけだけど?



「ただいま戻りました。 依頼が終わったのでその報告に来ました」

「え、もう終わったんですか!?」



 片道6日の往復で2週間以上はかかる道のりを3日で帰ってきたら驚くか。

 馬車で行ったとしてももうちょっとかかるだろうし。



「ちゃんと村まで行ってリーアの馬を連れて帰って来ましたよ。 ね、リーア」

「はい、無事村に行けました。 森でスワンプヴァイパーに襲われたり、帰りは盗賊に襲われました?けどユリアさんが全部倒してくれましたし」



 なぜ疑問系なのか。

 たしかにあれは襲われたのかこっちが襲ったのかわからない程一方的な状況だったけど。



「スワンプヴァイパーや盗賊って、大丈夫だったんですか!?」

「問題ありません。 全部ユリアさんが守ってくれましたので」

「・・・・・・今度はスワンプヴァイパー、ですか」



 襲われたと聞いて驚いたスズランさんは、リーアの問題ない発言で落ち着くが、今度は私の倒した魔物の名前を呟き目をキラキラさせてこっちを見ている。

 なんかちょっと怖いからさっさと渡して帰りたい。



「リーアの依頼の報告と一緒にその蛇も買取ってもらえます?」

「はい、売って頂けるのであればもちろん買取りますよ」

「じゃあ倉庫の方に行きますね。 リーアはどうする?このまま帰る? 蛇渡すだけだし急いでないならそのあと送っていくけど」

「ありがとうございます。 それならここで待っていますね」

「わかった、じゃあちょっと待っててね」



 私はリーアをその場に残して外から回って裏の倉庫へ。

 中に入るとギルマスさんがいた。

 元々いたのだろうか。

 それともスズランさんに呼ばれた?



「おう、来たか。 今度はスワンプヴァイパーだってな、大きさは?」



 知ってるって事はスズランさんに呼ばれたようだ。



「測ってないので何とも。 とりあえずその辺に出しますね」



 大きいので台には乗せず、台を避けるように地面に出す。

 しかし、思っていたよりも長く、解体場所のほとんどが埋まってしまった。



「またとんでもないもの倒してきたな・・・・・・」

「そうなんですか? リーアが硬いって言ってたけどあっさり氷魔法が貫通したので、弱い個体なのかと思ってました」



 風魔法は効かなかったけど。



「いや、ギルドの記録にこんな大きい物はいないな。 この大きさなら並の魔法使いの魔法じゃ傷一つつかんはずだ」



 ギルマスさんはそう言うと蛇に風魔法を放った。

 ちょっと、変な傷つけないでよ?

 しかし、ギルマスさんの攻撃では傷一つつかなかった。

 まあ私の風魔法も効かなかったしね。



「俺はこれでも現役時代はBランクの実力者だったんだ。 その俺の魔法で歯が立たん。 お前さんの魔法がどれだけ強いかわかるか?」



 いや、現役引退してるなら弱くなってるんじゃないの?

 というか細身だけど筋肉質だから近接職だと思ってたんだけど魔法使いなの?



「今のギルマスさんより強いのはわかりました」

「何でそんな謙虚なんだ・・・・・・実力があるなら喧伝すればいいだろうに。 こんな大物1人で倒せる奴なんて世界中探してもいないぞ?」

「そんなのが村の近くにいるって結構まずいんじゃないですか?」

「村の近くにこんな大きいのがいたのか!?」



 村の近くにいたという私の発言にギルマスさんが反応する、そういえば言ってなかったけ。



「今回の依頼で行った東3の村?の近くにある馬の餌を採集している森に沼があるんですが、その沼にいました。 採集してる場所からは少し離れてますが、知らずにフラフラ採集してたら危なかったかもしれませんね」

「そんな近くに・・・・・・討伐はされてるし安全になったのかもしれんが、一応こちらでも調査隊を組んでおこう。 情報と討伐感謝するぞ」



 蛇はすぐに解体を始めるからそのままでいいと言われたので、いつもどおりお肉と魔石をお願いしておく。

 あとは、戻る前に冷蔵倉庫に追加のオークを出し、前回のお肉を回収して倉庫を出る。

 ギルド正面に戻って受け付けに向かうと、リーアがさっき居たカウンターの近くにそのまま立っていた。

 座って待ってればよかったのに。



「リーア、お待たせ。 遅くなってごめんね」

「いえ、全然待っていませんよ。 説明もするならもっと時間がかかると思っていましたから」

「ありがとう」



 リーアの頭を撫でてあげ、スズランさんから報酬をもらう。



「えっと、こちらがフリージア様護衛依頼の報酬で、こちらがスワンプヴァイパーの討伐報酬と買取り金です。 それからこちらが過去の魔石ですね」

「ありがとうございます」



 毎度おなじみ大量の金貨が入った袋。

 毎回多くなってる気がするんだけど?



「すごい量ですね、私の護衛依頼の報酬がすごく少なく見えます・・・・・・」

「いえいえ、フリージア様の護衛依頼も護衛依頼の報酬としては大金ですよ?」



 スズランさんの言う通り、リーアの護衛依頼の報酬は結構高い。

 でもスワンプヴァイパーの報酬が高すぎて相対的に少なく見えてしまう。



「ギルマスさんに聞いたけど、あのスワンプヴァイパーはギルドの記録にないほど大きい物だったみたいだよ。 資料的な価値や希少な物としての価値もあっておかしな金額になってるんだと思う」

「ユリアさん・・・・・・そんな大物をあんなにあっさり倒しちゃったんですか?」



 おや、話が変な方向に行きそうだぞ?

 話を切り上げてさっさと帰ってしまおう。



「リーア、もう暗くなるし早めに帰ろうか」

「え? あ、はい」



 報酬を全部しまい、急な帰る発言で少し混乱しているリーアの手を引いてさっさとギルドを出る。

 入口につないでいた馬をリーアが引いてそのままリーアの家まで送っていく。



「3日間お疲れ様」

「いえ、ユリアさんこそわたしを運んでくれたり守ってくれたりお疲れ様でした。 そしてありがとうございました」



 リーアが笑顔でお礼を言ってくれる。



「まあ仕事ではあったけど、リーアが気を利かせて私を誘ってくれたおかげで良い物も手に入ったし、小旅行も楽しかったよ。 こちらこそありがとう」



 2人で笑いあった後、手を振ってリーアは門を通り屋敷に入って行く。

 私はリーアが馬を兵士に預け、屋敷に入ったのを見届けると、門番の人に会釈をして家に向かって走っていく。



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