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28 リーアのアスレチック体験

「なんですかこれは!?」



 リーアが目を見開いてアスレチックを見ている。



「どう? これがいろんな遊具をくっつけて作ったアスレチックだよ」

「こんなに大きな物だとは思いませんでした」



 リーアはそのまま「はー・・・・・・」と遊んでる子供たちを眺めている。



「リーアも遊ぶよね?」

「いいんですか?」

「遊ばないとちゃんと調査できないからね。 どんな物か調べるために遊ばないと」

「なるほど、調査のためでは仕方ありませんね」



 そういいながらお互い笑顔になる。

 まあ実際自分で試さないとわからないこともあるからね。

 自分で試すのは大事。



「では参加させていただきます」

「あ、ちょっと待って。 その格好で遊ぶと危ないから着替えようか」

「着替えですか? 持ってきていませんよ?」

「孤児院の子たちが着てるのと同じ服が予備でまだあるからそれを使って」



 それを聞いたリーアが子供たちを見ている。



「確かに同じ服を着ていますね」

「運動するのに適した服を用意したんだよ。 ひらひらしてたりすると引っかけて危ないからね。 着替えるから孤児院に入るよ」



 裏口から入る私にリーアもついて来て、誰もいない部屋に一緒に入る。



「リーアだとこのサイズかな。 はい」



 収納から木箱を取り出して渡す。



「この中にさっき子供たちが着てた服が入ってるから着替えてね。 ドレスは私が一旦預かっておくから」

「ありがとうございます。 では失礼して・・・・・・」



 リーアはそのまま着替え始める。



「大丈夫? 1人で着替えられる?」

「着替えくらい1人でできます。 月に一度くらいは自分で着替えますし」



 月に一度なんだ・・・・・・


 本人の言葉通り特に問題なく着替えられた。

 リーアは髪が長いので紐で縛ってポニテにし、ドレスはそのまま収納しておく。



「ちょっと硬めですが、これは動きやすいですね。 気に入りました」

「ならそれはプレゼントするよ。 サクラとおそろいの服だよ」



 運動着でおそろいも何もないけど。



「それは嬉しいですね、ありがとうございます」



 リーアにはすごくうれしい事みたいだ。


 着替えたリーアと再び裏口から外に出てサクラの元へ行く。



「サクラ!」

「え、リーア? 何でここに、というかその服は?」

「この服はユリアさんに頂きました。 サクラとおそろいの服ですよ!」

「着替えてるってことは遊びに来たの?」



 サクラが窺うように聞いてくる。



「いえいえ、遊びに来たわけではありません。 ユリアさんの作った物がどんな物かを調査しに来たのです。 そして調査するには自分でも試さないといけませんから、こうして仕方なく着替えてきたのです。

着替えて気合も十分、徹底的に調査するとしましょう。 サクラも協力してくださいね」



 そういって手を差し出すリーア。



「うん、任せて」



 リーアの話を聞いて微笑んだサクラは、リーアの手を取ってアスレチックへ向かった。

 私は院長先生と一緒に遊んでる様子を眺める。


 お昼が過ぎてしばらく経った頃、遊んでる子供たちの事は院長先生に任せて、私はおやつを兼ねた昼食を作ることにする。

 基本的にお昼は食べないみたいだけど、あれだけ動いてるしお腹もすいたでしょ。

 前回パンに挟むのが人気だったので、サンドイッチを作る。

 卵もツナもないのでキュウリとジャガイモとお肉とジャムでサンドイッチを作っていく。


 今回もパンを薄目に切って1つのサンドイッチに1つの具を挟む。

 複数の具を合わせたい人は複数同時に食べればいいようにした。

 3つくらいなら子供でも口に入ると思う、小さい子は無理かもしれないけど。


 挟んだ具ごとにお皿を分けて用意する。

 完成したところで収納して外に出る。


 外に出たらテーブルにお皿とコップを並べる。



「おやつだよー! 全員集合ー!」



 手をメガホンのようにして子供たちに呼びかける。

 すると遊んでた子供たちが一気に走って集まって来た。

 リーアもサクラと一緒に走ってくる。


 全員に洗浄魔法をかけて席に座らせる。

 皆テーブルに乗せてあるサンドイッチに大喜びしている。

 でも食べ始める子はいない、ちゃんと揃うまで待つのだ。 


 全員揃ったところで院長先生の合図で食べ始める。

 今回はBBQから日も経ってないのと、普段はお昼がないので量は控えめ。

 この後また遊ぶだろうし、苦しくなるほど食べたら動けなくなちゃうし。


 私もみんなと一緒にサンドイッチをつまんでるとリーアに質問される。



「この白いのと甘いのは何でしょう? 甘いのはリンゴっぽいような?」



 疑問に思いながらも普通に食べている。



「白いのがジャガイモで甘いのはリンゴのジャムだよ」

「これがこの前言っていたジャガイモですか、確かにおいしいでね。 そしてやっぱりリンゴでしたか。 こういう食べ方は初めてですがこれもすごくおいしいです」



 笑顔で食べるリーアと話していると周りの手が止まっていた。



「どうしたの?」

「ユリアちゃん、この白いのジャガイモなの?」



 サクラが信じられないという表情で聞いてくる。



「そうだよ、BBQでも食べたでしょ? あ、もしかして毒の事心配してる? ちゃんと処理してるから大丈夫だよ」



 院長先生も含めてジャガイモの安全性を説明する。



「そうなんだ、知らなかった」

「私はユリアさんに聞いていましたし、ユリアさんを信じていますので普通に食べました」



 なぜかふんぞり返るリーア。

 そんなに威張ることかな?



「確かにBBQした時は誰もお腹痛くなってないね。 食べ過ぎで苦しくはなってたけど」



 そういってサクラは苦笑いをする。



「さっきから言ってるばーべきゅーとはなんですか?」

「えっと、テーブルに火にかけた網を置いて、皆それぞれ好きに焼いて食べるんだよ」

「なんだか楽しそうですね」

「うん、すごく楽しかったよ」



 サクラとリーアがBBQの話で盛り上がっている。

 また少し期間を空けてやりたいね、今度はリーアも一緒に。


 そんな2人を眺めているとディアが頭を動かす。

 視線の先はサンドイッチだ。

 食べないって言ってたけど食べたいのかな?



「食べてみる?」

「・・・・・・うん」



 小さいけど返事をしたのでサンドイッチを口元に運ぶ。

 どれがいいかわからないので適当に。


 キュウリサンドは普通だ、特に反応はない。

 お肉サンドは微妙みたいだ、少し眉が下がった。

 お肉がダメ?それとも塩がダメ?

 いや、キュウリも軽く塩はふってるので、塩は平気か。

 ジャガイモもあげてみたけど反応は普通だった。


 最後にジャムサンドをあげると口元が少し笑っている、気に入ったようだ。


 ディアが一口だけ齧った物は私が食べて、ジャムサンドをあげることにした。

 それをサクラとリーアが見ていた。

 サクラの向こう側にいるからいいけど、その顔やめたほうがいいと思うよリーア。



「あげてみる?」

「いいんですか!?」



 速攻でリーアが反応する、聞かれるの待ってたな。



「ジャムサンドがお気に入りだからジャムサンドをあげてね」


 最初はサクラがあげている。

 優しい微笑みで食べてる姿を見守っている。

 次にリーアがあげようとしてるけどすでに息が荒く、見てるこっちが怖い。

 リーアのあげたジャムサンドを嬉しそうに食べてる姿を見てリーアの呼吸がさらに荒くなる。



「ちょっとリーア、大丈夫!?」



 親友の異変に気が付き、心配するサクラ。

 見られてしまったねリーア。



「だって、わたしのあげた、ジャムサンドを、嬉しそうに、たべて・・・・・・」



 一呼吸ごとに一言ずつ喋るリーア。

 おかしくなった親友にどうしていいかわからないサクラは、リーアの背中をさすっていた。



「リーア、大丈夫かな」



 背中をさすりながら私に聞いてくる。



「大丈夫だと思うよ、そのうち収まるだろうし。 リーアは可愛い物が好きみたいだね」

「確かに小さい時から小さな動物が好きだったけど、こんな状態になったのは初めて見たかも」

「小さい物が好きなのは昔からなんだ」

「うん、2人でこっそり子猫を飼ってお母様に怒られたこともあるよ」



 お母様?リーアの?

 いや、それなら「リーアの」とか言うよね。

 つまりサクラのってことかな?


 あまり家族の話題には触れないようにサクラと話をしていると、リーアが復活する。



「大丈夫? 気持ち悪くなってない?」

「今回は大丈夫です。 度々すみません」

「この後アスレチックの再調査しないといけないんだから元気出さないと」

「そうでした、サクラに手伝ってもらって徹底調査しないといけないんでした。 行きますよサクラ」

「え、ちょっとまってよー」



 食べ終わってそのまま走って行ってしまった。

 お嬢様らしさの欠片もない。


 その後も3時間ほど遊んで終了となった。



「リーア、汗もかいてるしサクラとお風呂に入って行ったら?」

「お風呂ですか? そういえば昨日魔石を買っていましたね。 もうできたんですか?」

「うん、サクラ案内してあげて」

「わかった、行こうリーア」

「わかりました、お供します」



 他の子供たちもお風呂に向かったので私も一緒に行く。

 リーアの服も私が持ってるし。


 お風呂の後、孤児院は夕食になるので、私はリーアを送っていくことにした。

 


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