表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/21

14 孤児院に遊びに

 今日はサクラの住む孤児院に行くことになっている。

 行くのはお昼過ぎなので、午前中は商店通りをぶらつく。



「何か手土産を持って行ってあげたいけど、あまり多かったり高いものは院長先生が気を使っちゃうよね。 さっと食べられるものがいいかな?」



 普段は行かない食材を売っているお店に行ってみる。

 野菜が数種類とリンゴが売っていた。

 少ない・・・・・・



「あ、リンゴはいいかも。 果物なら子供も喜んでくれそうだし」



 そういえば、孤児院の子供たちは何人いるんだろう?

 前回行ったとき外にいたのは3人だったけど、サクラ入れて4人? まだ中にもいた?

 うーん、多い分には自分で食べればいいし、いっぱい買っていけばいいか。


 少し悩んだ後、お店の人に話しかける。



「すみません、この木箱のリンゴ買ってもいいですか?」

「はいはい、ありがとうね。 いくついるのかな?」

「必要数がちょっとわからないので、とりあえず買えるだけ買いたいんですけど」

「値段は書いてある通りだよ」

「あ、いえ。 全部買うわけにもいかないでしょうから、いくつまでなら買ってもいいかなと」



 他のお客さんの分も残しておかないといけないしね。



「ん? 全部買う気なの? 全部買うとかなりの金額になるのよ。 子供がかえるような金額じゃないわ」



 女性店員は少し困ったような表情で説明してくれた。

 しかし買う分には問題ない。

 何個入ってるのかわからないけど、木箱の底が地面の下まで続いてましたとか、そんなドッキリ番組みたいなことがなければ大丈夫だ。

 いや、地下まで続いてても買うことはできるけど、そんなには要らないと思う。



「お金は大丈夫なので、売っても大丈夫な分だけください」

「本当に買ってくれるなら箱ごと売ってあげるわよ、リンゴは比較的高くて残ることが多いし、買ってくれるなら木箱ごと持って行っていいわ。 全部だと金額は・・・・・・これくらいね」



 女性店員が個数を数えて値段を教えてくれる。

 他の値札と見比べると確かにリンゴは結構高いね。 



「わかりました」



 私は言われた金額を店員の女性に渡すと、リンゴを木箱ごと収納する。

 女性が驚いていたけどスルー安定だ、こういうのはこれが当たり前だと堂々としていたほうがいい。


 手土産は買ったので、私は時間までぶらつきながら屋台で軽く昼食を食べ、そのまま孤児院に向かう。




「ユリアちゃんいらっしゃい!」



 孤児院の建物の前でサクラが待っていてくれた。



「うん、来たよ」

「どうぞ」



 サクラが中へ案内してくれる。

 案内されながら周りを見ると、広さはあるけど物が少ない。

 必要最低限といった感じだ。

 前回来た時はちゃんと見てなかったけど、建物自体はそこまでボロいというわけではない。

 あちこち修繕された跡はあるものの、いきなり崩れたりするようなことはなさそうだ。

 建物内は静かで、子供たちは外にいるのか建物内にはいない。

 

 建物内を眺めていると院長先生が来る。



「あらユリアさん。 もういらしてたんですね」

「はい、今日はお邪魔します」

「こんな何もない所でよければゆっくりしていってください」

「ありがとうございます。 あ、リンゴを持ってきたんですけど、ここって子供たちは何人いるんですか?」

「わざわざありがとうございます。 子供たちは12人います」

「先生は院長先生だけですか?」

「はい、年長の子たちが手伝ってくれますので、特に問題もなく運営できています」

「じゃあ15個ほど置いていきますので、おやつや夕食のデザートにでも出してあげてください」

「そんなにいいんですか? リンゴは高いのに」

「子供たちのために持ってきたので、ぜひ受け取ってください」



 受け取ってくれないとしばらくリンゴ生活になってしまう。

 収納に入れておけば劣化しないみたいだし、食べたい時に取り出すのでもいいけど。



「それではありがたくいただきますね」



 前回サクラに案内されて雑貨屋で買った籠に、リンゴを入れて院長先生に渡す。



「それで、子供たちは外ですか?」

「はい、建物の近くで日向ぼっこしてることが多いですね」

「ちょっと見てきますね」

「はい、私はリンゴを置いてきます。 サクラ、案内をお願いしますね」

「はい、任せてください」



 私はサクラに手を引かれて外へ出てぐるっと裏に回る。


 そこには子供が11人いた。

 木に寄りかかって寝てる子が7人、日向で寝転がってる子が4人。

 子供ってもっと走り回ってるイメージだったけど、寝てると言うかジッとしてるだけだ。

 飽きないのだろうか。



「いつも木陰で寝てるの?」

「うん、ほかにできる事もないし。 それにあまり動くとお腹すいちゃうし」

「うーん・・・・・・」



 孤児院って食料が少ないのかな?

 それを解消するためにサクラが依頼を受けてた?

 でもさすがにもうちょっと何かあったほうがいいよね・・・・・・土魔法で滑り台とか作れないかな?

 坂を作るだけだし、できそうな気がするけど。


 試しにしゃがんで足元に小さな滑り台を作ると、簡単にできる。

 うん、大丈夫そうだ。


 私は孤児院からちょっと離れたところに自分の身長程度の山を作り、形を弄りながら階段を作った後、反対側を坂にする。

 あ、このままだとザラザラしてるから擦りむいちゃうかもしれないね。

 もっとツルツルにできないだろうか。


 悩みながら試行錯誤する。


 風魔法で削ろうとしたけど削れず、加工するには土魔法を使うしかないみたいだ。

 土魔法を使って表面を滑らかにしようと思ってたけど、最初からそうイメージして作れば問題なくツルツルな坂を作れることがわかった。

 土魔法便利すぎじゃない?



「これは何?」

「滑り台だよ、こっちの階段から上がって坂を滑る遊具」

「滑ってもいい?」



 サクラが目を輝かせている、この辺りはまだまだ子供だ。



「いいよ、何か変なところがあったら言ってね」

「うん!」



 元気よく返事をするとサクラが階段を上り、坂を滑る。

 最初立ったまま滑ろうとしてたので、座るように注意した。

 他の子たちが立ったまま滑らないように所々棒状の柵と、滑るところに屋根を付ける。



「どう?」

「すごく楽しい! 滑った時の風も心地いいし」



 サクラの表情を見ても、お世辞で言ってないのはわかる。

 本当に気に入ったみたいだ。



「よかった。 それじゃあ他の子たちも呼んであげて、みんなで遊んでね」

「わかった、呼んで来るね」



 サクラは様子を見てた他の子供たちを呼んで、みんなで滑っている。

 みんなしっかりしていて、ちゃんと順番を守っている。


 みんなが楽しそうなので隣にもう1個少し高めに作って、そっちはもう少し角度をつける。


 みんなが滑り台に夢中になってる間に、他のも作っていく。

 喜んでくれるから作るのが楽しい。


 まずは簡単な平均台、小さい子もいるので高さはない。

 直線の物とジグザグな物を作った。


 次は雲梯(ぶら下がって渡るやつ)、これは小さい子用と大きい子用で2個作る。

 大きい方は柱を多めにしてはん登棒(よじ登るやつ)の役目もさせる。


 次はジャングルジム、高いと危ないので中央3段周囲2段程度にする。 

 小さい子だと飛び降りて遊んだりする子もいるだろうから、よく見る物より小さくした。

 ただこれは大きい子だとちょっと高さが物足りないかも。


 最後に、今まで作った遊具を囲う様に柵で簡単な迷路を作る。

 迷路と言っても柵の間隔は広めにしてあるので、しゃがんで通ればくぐって通ることもできる。


 直接触れるような部分は、ちゃんと滑らかにしてあるから服も肌も傷つきにくいと思う。


 本当は縄などを使って、ターザンロープやブランコやネットみたいなのも作りたかったけど、ないから今日は諦めた。 


 一気に遊べる物が増えて子供たちも大はしゃぎだ。

 ちゃんと全員に遊ぶ時の注意事項も説明してある。

 私は遊具が全部見える位置に、公園によくあるような屋根と長椅子を作って座る。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ