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15 サクラの親友

 私が遊具近くの椅子に座っていると、驚きながら院長先生が来る。



「こ、これはいったい・・・・・・」

「土魔法で子供が遊べる遊具を作ってみました」 

「遊具、ですか。 初めて見ました」



 院長先生は物珍しそうに、それぞれの遊具で遊んでる子供たちを眺めている。

 


「一応遊具の遊び方は説明しましたけど、小さい子は何するかわかりませんから、監視をお願いしますね。 安全には配慮して作りましたけど、院長先生的に問題があるようなら改善しますので、何かあったら言ってください」

「わかりました。 下の子たちが何かしようとしても、上のお姉さんたちが下の子たちを注意してくれますので大丈夫だとは思います。 ですが、私もなるべく見るようにしますね。 それにしてもユリアさんは落ち着いてますし、土魔法をここまで使いこなすなんてすごいですね。 猛毒を治療するほどの治療魔法も使えるようですし、サクラと同い年とは思えません」



 ん? 今同い年って言った?

 やっぱり院長先生もサクラと同い年だと思ってたのか。



「身長が低いだけで私はサクラより年上ですよ?」

「あら、ごめんなさい。 サクラが同い年の友達ができたと喜んでいたのでてっきり・・・・・・年上でしたか」



 ええ、中身は7つほど。

 そう思いながらギルドカードを見せる



「これでも13歳です」

「子供の3年は大きな差だと思いますが、それでも13歳だとまだ未成年ですし、それほどの魔法が使えるのはすごいと思いますよ」



 院長先生からしたらたとえ17歳でもまだまだ子供に見えちゃうかな。

 いや実際成人してないから子供だけども。


 それにしても、見た目が子供で強かったら変に目立っちゃうかな?

 でも私は不老不死の呪いで成長できない。

 だからこの姿で魔法を使い続けることになるんだよね。

 ほんの少し高い身長も、すぐサクラに抜かれるだろうし。


 いっそ今の内から強さと魔法が使えることは周知させていった方が楽?

 もう冒険者ギルドで1人ボコったし。

 それなら拠点を決めてそこを中心に活動してたほうが周知しやすい。

 そうすれば周りを気にする必要もなく生活できるかも。

 でもどこかに拠点を作ると、遠くまで旅はあまりできなくなりそうなんだよね・・・・・・


 子供たちを見ながらそんなことを悩んでると、院長先生が孤児院から戻ってくるのに気が付く。

 いつの間にか建物に戻っていたみたいで、カットしたリンゴを椅子と一緒に作ったテーブルに置くと、子供たちを呼んで休憩をさせた。


 私の分もあったので、この世界で初めてのリンゴを齧る。



「うーん?」



 おいしくない。

 というか鮮度が悪くちょっとしなしなしてるし、水っぽくて変な酸味がある。

 周りをちらっと見るが、みんな大喜びで美味しそうに食べている。



「どうしたの?」



 私の微妙な表情にサクラが気づく。



「これ、おいしい?」

「うん、すごくおいしいよ? ユリアちゃんありがとう」

「そう、なんだ・・・・・・」

「おいしくない? もしかしてリンゴが収穫できる場所に住んでたとか? 収穫から輸送、販売と時間がかかって鮮度が落ちるから、収穫できる場所に住んでた人が食べると微妙かも。 それでもこの街は比較的産地から近い方で、これでも鮮度はいい方だよ」



 私は微妙(この街では高品質)なリンゴを箱(大きな木箱)買いしてしまったみたいだ。

 どうしようこれ、いっそジャムにしてみる? 作ったことないけど。

 切ったリンゴと砂糖入れて煮るんだっけ?

 砂糖って売ってたっけ?



「ねえ、この街って砂糖売ってる?」



 サクラに聞いてみる。



「売ってないと思う。 欲しい人が直接行商の人に頼んで買うはずだし」



 売ってないみたいだ。 

 だからと言って、いらないから全部あげると言っても孤児院だって困るだろうし。

 リンゴを煮詰めるだけでもできるだろうか・・・・・・


 私がリンゴをどうしようか悩んでると孤児院の入り口の方から大きな声が聞こえた。



「サクラーーーーー! いますかーーーーー!」



 急に大声で呼ばれてびっくりするサクラ、院長先生も何事かと心配している。

 私とサクラで様子を見に行くことにして、院長先生には他の子供たちをお願した。



 私達が建物を回って入り口の方に行くと、サクラより少し小さい女の子がいた。

 長い金髪はウェーブがかかっていて、紫の目に白いフリフリのドレスのようなものを着ている。


 その女の子はサクラに気が付くと両手を伸ばして走ってくる。



「サクラ!? よかった、無事だったんですね・・・・・・」



 サクラに飛び付き、泣きながら抱きしめる。

 私はその光景よりも、その服装で裾を踏まずに走ってきたことに驚いてしまった。

 


「リー、あ、えっと、フリージア様どうしました?」



 サクラが私の方をちらっと見た後、泣きついている女の子の背中を撫でながら質問する。

 様?



「今は大人もいませんしわたし達の仲です、普通に話してください」

「あ、うん、どうしたのリーア」

「どうもこうも、貴女が猛毒を受けたと聞いて飛んできたんですよ! ですが、その様子では大丈夫そうですね」



 涙を流しながらサクラを上から下まで確認している。

 普通に話せと言いつつ自分の口調はそのままなのか。

 それともこの喋り方がこの子の普通?



「うん、ユリアちゃんに助けてもらったから」

「ユリアちゃん? 聞いたことのない名前ですね」

「紹介するね、新しくお友達になったユリアちゃんだよ」



 サクラが私の事をリーアことフリージアに紹介したので、軽く挨拶をする。



「私が今紹介されたユリア。 森で迷子になってた時、サクラに助けてもらって以降仲良くしてもらってるの」



 私の自己紹介も話半分に私の右手を握り額を当てる。



「サクラを助けてくれてありがとう。 本当に、ありがとう・・・・・・」



 そのまままた泣いてしまった。

 私はどうしたものかと、空いてる左手で頭を撫でる。

 サクラは背中を撫でている。



 しばらくして泣き止むと、私の手を放し普通に話し始めた。



「取り乱してしまってすみません。 お恥ずかしい所をお見せしてしまいました」

「恥ずかしくなんて無いと思うよ。 サクラの事が大切なんだって伝わったし、優しい子なんだなって思ったもの」

「わたしもリーアが心配してくれてすごく嬉しかったよ」

「わたしにとって唯一無二の親友ですから、心配するのは当然です。 そこでユリアさん、わたしに何かお礼をさせてください。 大切な親友の命を救って頂いた感謝の気持ちを伝えたいのです」

「さっきの感謝の言葉で十分伝わったけど」



 あんなに泣きながら感謝されたことなんて今までないし。



「全然足りません、わたしは溢れ出る感謝の気持ちでいっぱいなんです。 わたしに何かできる事があったら何でも言ってください。 わたしにできなくてもお父様にお願いしてみます」



 フリージア様にお父様か、この子は貴族とか偉い人の子供っぽいね。

 着てる服も綺麗だし。



「あ、それなら聞きたいことがあるんだけどいいかな」

「はい、スリーサイズでも何でも包み隠さずなんでもお答えします」



 まったくいらない情報だ、聞いてどうするというのか。

 そもそも見た目凹凸ないじゃない。



「いやいや、スリーサイズとかはいいから。 この街に拠点を構えようかなって思ってるんだけど、土地ってどうやって買えばいいのかな? あと、どうせ買うなら孤児院の辺りがいいんだけどこの辺りって買えたりする?」

「おお、領主の娘としてこの街に住みたいと言って頂けるのは嬉しい限りです。 土地自体は商業ギルドで借りたり買ったりできますが、孤児院の辺りは領主であるお父様の所有になっていたはずです。 ですのでお父様に聞いてみますね。 わかり次第連絡しますので、連絡が受け取れる場所を教えて頂けますか?」



 偉いんだろうとは思っていたけど領主の娘らしい、領主ってことはこの辺りで一番偉いって事?

 この子はすごくいい子そうだけど親はどうなんだろう?

 領主ってだけで悪いイメージしか出てこない。

 創作物だと悪役が多いし。



「今は冒険者ギルド近くのお風呂のある宿に泊まってるよ」

「なるほど、あの宿屋ですね。 わかりました、確認次第宿屋に行きます」



 お風呂のある宿屋で通じちゃうんだね。



「うん、よろしくね」



 これで許可がもらえればこの辺りに土魔法で家を建ててしまおう。



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