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101 戦技大会2

 そして2週目の戦闘も終わり、準決勝の相手は魔法使いのお爺さんだった。

 1回戦でも2回戦でも火の魔法で攻撃していたので、得意な魔法なんだと思う。


 こっちは開始と同時に毎度おなじみ魔石召喚。

 今度の相手は火を使うので、こっちは不利属性だけど風魔法を使ってみる。

 右手を上げ、風の魔石を右手に移動させる。



「炎の槍」

「ストーム」



 お爺さんが少し大きめな火の槍をいくつも飛ばしてきたので、こちらも風の魔法を相手に、というより相手の魔法に向けて放つ。

 魔法の力が均衡または少し強いぐらいなら弱点属性に勝ち目はなく、ぶつかったとたんに魔力を吸収されるか打ち消されてしまう。

 しかし、私の魔法は不利属性なのに相手の火の槍を吸収して「ファイアストーム」となって相手を襲う。

 見た目は大したことない魔法でも、魔力を圧縮しまくればすごい威力の魔法になるので、もしかしたら強いかも?と思ったけど、見た目通りの威力だったようだ。


 お爺さんが必死に魔法を放つが、私の魔法がお爺さんの魔法を取り込んで大きくなるだけで、消える気配がない。

 お爺さんが最後に渾身の大きな魔法を放つが、それも吸収されたところでお爺さんは降参宣言をした。


 勝利宣言のあとは最初にいた控室に入り、待機する。

 最初は全員同じ控室にいたけど、2週目以降は奇数回戦後の人はこっちの控室で、偶数戦後は向こうの控室になっている。

 私は1番だからずっと同じ控室だけどね。

 

 私が入るのと入れ違いに次の対戦者が出て行った。



 準決勝2戦目の対戦は長剣の人と隊長さんだった。


 しかし、隊長さんは意外とあっけなく負けてしまったようだ。

 最初は座って待機してたから途中からしか見てないけど、開始時間から考えるとかなり短かったね。


 やっぱりリーチが長いと有利なのかな?

 それに鎧のせいか速度にもまったくついていけてなかったようだし。


 決勝は少し休憩の後に開始するようで、しばし控室で待機する。

 大会がもうちょっと時間がかかれば昼休憩だったみたいだけど、開始時間の早さと予想以上の回転の早さのせいでお昼になっていない。

 なので普通の休憩ということになったようだ。


 休憩といってもそんなに魔法も使ってないし、戦闘では移動してないので全然疲れていない。

 もともと疲れたりはしないけど。



 休憩が終わって会場に入ると、決勝だからか大きな歓声が観客席から聞こえてくる。

 対戦相手も準備ができているようで、すぐに開始の合図がでる。


 私は同じように魔石召喚をしようと思い、右手を上げる。

 しかし、瞬きをした次の瞬間、目の前に相手がいた。



「君の魔法は強力だが、使わせなければいいだけの事」



 気が付いたときには、私の左肩に剣が当たるのを感じる。



「なっ!?」



 私は何もできないまま剣を振り下ろされていた。

 とはいえ、私に攻撃が通るわけもなく、服も切れないのでまったくダメージは無い。

 その光景に相手は驚愕の表情をする。



「ならこれでどうだ!」



 服の防御力が高いと思ったのか、今度は私の肌が露出している手に攻撃をしようとしたので、私はその剣を左手で掴む。

 再び驚愕の表情をしながら更に力を込めてくる。


 相手が動かないので、私は魔石召喚を発動し、右手に火の魔石を移動させる。

 それを見た相手が何をするのか察したのか、私の掴んでいる剣を手放して距離を取る。


 決勝だし、今までで一番派手に行こうか。

 私は掴んでいた相手の剣が邪魔だったのでそのまま地面に突き刺し、魔法を使う。



「スリーウェイショット」



 私は小さな火の玉を等間隔に3方向に撃つ。

 今後のことも考えて膝くらいの高さにしてある。


 この魔法は名前の通り3方向に飛ばす攻撃だけど、中央が相手の方に飛ぶようになっている。

 最初こそ相手を狙うけど、発射後の火の玉は追尾しないようにして、そのまま真っ直ぐ飛んでいくようにしてあるので簡単に避けられる。 

 なので相手は軽く回避するけど、最初のターゲットは相手なので、新しい火の玉は当然相手の方に飛んでいく。 


 少しの間距離を開けたまま避けられていたので、次の攻撃に移ろうと思う。

 まだまだこれからだからね。

 次は水の魔石を追加で上げている手に移動させる。



「ビッグショット」



 今度は私から等間隔に離れた両サイドから、正面に向かって大きな水の玉が飛んでいく。

 これはだいたい胸部から頭の高さくらいの大きさで放っている。


 この魔法も火の玉と同じように等間隔に打ち出す。

 当然追加なので火の玉と水の玉は両方飛んでいく。

 しかしこれでも相手は器用にかわしていく。 

 避けるの上手いねこの人。

 さて、次はどうしようかな。


 しばらくそのまま続けていたけど、当たる気配がないので土の魔石を追加する。



「サイドショット」



 私から相手に向けて飛んでいく火の玉と、ただ正面に飛んでいく大きな水の玉、今度はそれに横からゆっくり飛んで来る土の柱を追加する。

 高さはだいたい足元を狙うように調整。

 

 もうわかると思うけど、弾幕ゲーを再現しようとしてこんな感じで攻撃している。

 あれって正面から見てもよくわからないけど、攻撃を上から見ると結構奇麗に見えるんだよね。

 私の今の攻撃が奇麗に見えてるかは後で感想を聞いてみるまでわからないけど。



 それにしてもこれだけ玉をばらまいても上手く避けるなー。

 風属性も追加しちゃうか。

 4つ目の魔石を移動させ、新たに攻撃を追加する。



「ホーミングショット」



 4つ目の風属性は、単発で超ゆっくりな代わりに延々と対象を追尾する玉だ。

 大きさは火と水の間くらいの大きさにしてある。

 これは腹部あたりを狙う様にふよふよ飛んでいく。


 風魔法なので当たると吹っ飛ぶし、その先に他の玉があると当然それもヒットする。


 ただ、この攻撃たちは

 火の玉は少しずつ横に避けて行けばいいし、水の玉は軌道が固定なので避けるのは簡単だ。

 土の柱も真っ直ぐ横に飛んでいくだけだから軌道は同じ。

 なので、水同様来る場所がわかればそこにいなければいい。

 だから、少しずつ横によけながらゆっくり動く風の玉に気を付けていれば早々当たらない。



 4属性目を使った時は追尾弾に気を取られて被弾したものの、少し時間が経つと慣れてきたのかうまく避け始める。



「うーん、思ったより粘るね。 次はどうしようかな・・・・・・氷とか雷使う? それとも今の4属性を強化していく?」



 しばらく悩んだ結果、氷属性を追加することにした。



「フォーリングショット」



 今度は相手の頭上のちょっと離れた場所を、追尾しながら少しずつ大きくなる氷の柱を作り、ある程度大きくなったところでその場でゆっくり落下するようにした。

 落下中は追尾しない。

 落下した氷の柱は落下地点の周囲に氷の欠片をばらまくので、ちょっと避けても氷の破片が飛んで来る。


 これも最初の方は氷の破片に当たっていたけど、落ちる瞬間にうまい事大きく移動して回避する。


 この人ほんとに避けるのがうまいなぁ。

 じゃあもう雷属性も行きますか。



「ライトニングショット」



 6属性目は、私の横列から飛ばしている水の玉と水の玉の間に、正面に向かって勢いよく雷が走るようにした。

 なので、水の玉と水の玉の間が安全と思って油断していると、雷に当たってしまう。


 とはいえ、雷が走るのは相手がいるラインのみなのと、発動前に発射地点が光るようにしてあるので、見れば来るのがわかるはずだ。

 他に集中しての逃すと回避不可な速度で雷撃が飛んでくるけど。

 


 最初こそ被弾していたけど、これもすぐに慣れたのか奇麗に避けていく。


 まじか、これも避けるんだ、人間やめてない?

 いや、身体強化に速度強化も使ったら行けるのかな?



「なら最後の魔法も行こうかな」



 最後まで私の周りをまわっていた光の魔石を移動する。

 光の魔法は光らせたり補助するだけなので、攻撃には向かない。

 なので強化魔法を使おうと思う。



「スピードエンハンスメント」 

 


 光の魔石が光り出すと、今まで飛んでいた玉全ての速度が上がる。


 さすがにこれは避けられないようで、よけにくく元々速い雷に気を取られて今まで避けられていた物も次々と被弾していく。 

 攻撃魔法自体は威力をぎりぎりまで抑えているので、当たれば痛いだろうけど耐えられなくはないはずだ。


 しばらく被弾していた相手が、何を思ったのか正面の玉を避けつつ、ある程度の被弾覚悟でこちらに走ってくる。

 私としては攻撃パターンを変えるつもりはないので、そのまま様子を見ようと思った瞬間、また急に目の前に現れた。

 最初もそうだけど瞬間移動のスキルとか持ってるのかな?


 急に現れた相手にそんなことを思っていたら、思いっきり殴られた。

 ダメージはないのでそのまま放置していると、当然相手を狙っているものや同じ軌道をする攻撃が来る。

 火の玉を受けてよろけた所に風の玉を受け、吹き飛ばされたところで他の攻撃も受けることになった。


 そしてそのまま倒れたので、攻撃を止めて様子を見る。



 しばらく待っていても起きないので、審判の人が私の勝利と宣言した。



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