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異世界SLEEPER〜睡眠学習で人生に幸あれ〜  作者: kataki
プロローグ 現実とユメと

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3/8

第3話 寄り道


しばらくすると陽も落ち、辺りは夕闇に包まれた。


「そろそろ、上がろうか」


俺がそういうとユメは頷き終いを始めた。


夕方になるとこの街はもうほとんど人通りもなく、高い屋根の上には飢えたカラス達がびっしりと並んでいた。


行きよりかなり軽くなったリュックを背負いながら俺達は街を歩く。


「今日は色々あって疲れたな〜」


俺は大きな伸びをするとユメの方に振り返る。


「そうですね。でも終わり良ければ全て良しです!」


ユメは人差し指を立てウインクする。 可愛い


「今日は結構儲かったし、明日は久しぶりに休みにしてどっか出かけるか?」


ユメはそれを聞くと目を輝かせる。


「やった」


さてどこにいこうか?たまには大きな街に行くのもありだな。

 ユメにはいつも頑張ってもらってるしオシャレな服をプレゼントとかしたいしな。

 そうこう考えているといつの間にかユメは立ち止まっていた。


「ユメ?どうした」


「ちょっと寄り道していきませんか?」


ユメが指を差す。そこにあったのはこの街を一望できるくらいの大きな塔だった。


「わかった。いこう」


俺がそうゆうとユメは「やった!」と云い駆けていく。

 

 近くに寄るとその存在感が際立つ。こんなに目立つ建物なのに今まで気付かなかったなんて…この街も開拓が進んでいると聞くし、結構最近建てられたものなのかもしれない。


「結構、大きいな」


「はい!きっと屋上はとってもキレイですよ!」


 そうゆうと彼女はワクワクしながら階段を登り始め俺もそれに続いて登る。

 塔は螺旋階段のようになっており、塔の隙間からチラチラと夕日が差し込んできて正直歩きづらい。

 ユメは先陣をきって、鼻唄を歌いながら順調に階段を登っていく。

 塔の上に登ると沈む夕日に照らされた街が反射して幻想的だった。

 街の向こうには草原が広がり、群れの狼モンスターがウロウロしているのが確認できる。


「綺麗ですね」


「ああ、綺麗だ」


美しい夕日に照らされた赤髪のツインテールが風になびかれより一層価値を高めている。


「綺麗だ」


思わず声が出てしまった。


「?なんで2回云ったんですか?」


「ユメが綺麗だからさ」


俺は正直に答えた。


「〜〜〜!!」


ユメは照れながら下を向く。


「夕日で照れているのか、ユメが照れているのか、これもうわかんねぇな」


「夕日で照れてるんですッッ!!」


ユメが照れながらブンブンと手を振って俺に抗議してくる。 可愛い



 しばらく2人は無言で景色を見つめる。


 そしてユメは景色を眺めながら呟く。


「私、本当は不安だったんです。家を飛び出して、お金もないし…2人だけで…でもそんな心配いりませんでしたね!!」


俺は真顔でユメの方を見つめる。


「…ユメ」


「こうやって毎日トーヤさんを起こして、ご飯作って一緒に食べて、2人でお店を経営して、こうやって素敵な景色を見られる…」


ユメは少し目を細めると云った。


「私、今本当にすっごく幸せなんですよ?」


それを聞くと俺はまた急に瞼から熱い感情が湧いてくる。


俺は涙を見せないように景色に顔を映し呟く。


「…そんなの……ぐすっ…俺だってずっと」


しばらく無言が続く


駄目だ顔を見られない…泣いてるのがバレちまう。もうバレてると思うけど…






ユメ?





俺は彼女の方に振り返ったー






彼女はさっきと同じように立っていた。


たださっきと違うことがあった。




彼女の服は血に塗れ、首から上がなかった



「は?」




バタッ


首のないユメはその場に前向きに倒れた。


「あ?…あ…ゆ…め…?」


俺は目を見開きその光景を認識しようとするが処理が追いつかない…

 なにが…あった…なにを…して…俺は…


突然強い吐き気が襲った。


息ができない…何も考えられない…


「…オェ…おぅえ…」


駄目だ、これ…は…悪い夢だ…


俺はユメの亡骸をよそに塔の塀を登る。


駄目だ…覚めなきゃ…これ…夢…ユメ…なんだから…


「なあ…ユメ」


そして俺は飛び降りた。


グシャ!! 


2人の死体を囲むように赤い目をしたカラスが上空を飛び回り、塔に降り立つ。


その眼は2人の死骸をいつまでも見ていた。


俺はまた地獄(げんじつ)に戻った。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


人物紹介 ゴルド・マーケス  年齢50代後半くらい


街の地主


まだ黒髪だが頭のほうがハゲている 


トーヤとユメがよく店を出させて貰っている。


人柄がよく、色々なツテで様々な店を展開することに成功し、段々と街の人口が増え活性化してきている。


若い人達を積極的に取り入れ、街の繁栄を願っている。




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