↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳内戦争ーKEEP OUTー  作者: 鍬壹
PR
2/3

彼=京


「よし、と。始まったようだな。

皆、志水には近寄るなー」


志水涼太。これが彼の名前だ。

先生は皆にしっとりと"近寄るな"と促した。

彼は目を見開き、皆を見つめた。


どうして落ち着いている?

彼の考えならすぐ理解できる。

そりゃ普通なら血を吐く人間に対し、

このような対応はしないであろう。



―――先生は何を…何を言って?


頭がぼうっとし働かない。

彼は脳が溶けていくような感覚に溺れた。



バチィイイ―――ッ…!!!!


脳内から放たれる信号。

彼の身体を傷付け、

体力を奪う。

今度は手の痺れが襲う。



「な…ぁッ…何だよ…これッ…」


――残り20:00...19:59...


――胎内から脱出して下さい。


「た…胎内?…脱出って何だよッ…おい、」


誰に言われているかも解らない。

自分自身誰に問いかけているかも解らない。


すると一人の女の子が口を開く。

しかし口の中がどす黒い煙に覆われ、

闇のようであった。


「志水君…お腹に何か感じない?」


お腹?…


彼はお腹を意識した。

すると突然餓えたように肚が膨らむ


…ぅぐッ…ぁッ…

腹が…動いてる?…熱い…

気持ち悪い…ぅ吐く…


「それは胎内の蟲なの。それが志水君。早く殺さないと貴方と一緒に溶けちゃうよ?」


意味が解らない。蟲?身体の中に…?


この女の子は何か知っているのか?


そもそもこんな子クラスにいたっけ?









―――あぁそうか、これは夢か。








しかしここまでリアルな夢が見れるなんて

面白いじゃないか。


面白い、面白い…はは。


彼は目を閉じれば全て夢だと思い、目を閉じた。









―――さぁ…



―――ようこそ、



脳内戦争の始まりだよッ♪



彼の目の前には、楽しそうに彼が微笑んでいた。


つまり彼が二人いる。


まわりはネトッとした粘膜のようなもので覆われ、

暗くお互いの顔だけ浮いて見えるようだった。


「肚の中の蟲は俺だよ。って言ってもお前でもあるけどね?」


はぁ…夢の続きか?

もういい。…いや…でももう少しだけ、


いい話のネタになるんではないか?

こんな夢二度と見れないかもしれない。




「見ててね?この空間はお前の胎内なんだ。

そこに、これでー」


パァアァンッ


――バチィイイ―――ッ…!!!!


もう一人の彼は拳銃らしき武器で

粘膜状の壁に発砲した。

すると彼はお腹から喉へと激痛が走った。

この痛みはこいつのせいだったのだ。

彼は喉元を手で抑えつけ痛みを和らげようとした。


「――ぅああッ…ぐ…」


彼はもう一人の彼を睨み付けた。


「悔しいなら俺と戦って此処からでないと!

ほーらよっ♪」


ライフルを投げつけ、

もう一人の彼は笑みを見せた。

彼は身体を引き摺りつつもそれを手に取った。


身体を起こし、喉から唾を吐き捨てた。



これは殺るしかないのか。


「俺の仮名、京。」


「は?…仮名?そんなの不必要だろ、同じ志水だろうが…」



ふふっと笑いながら京は彼に近づき


「だって、敵って思えないでしょ?

…さぁ早く殺さないとー

どんどん志水の身体壊しちゃうよ?

…残り10分♪」


10:00...9:59...


そう言いながらもう一人の彼は

胎内を駆けていった。


「残り10分?何が…だ…、」


彼は理解のないまま、ただ追いかけた。

追いかけてあいつを殺すことで、

これが終わるなら、と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。