第5話 高校生なんだから
初めての任務を言い渡された翌日私達は部室で会議をしていた。「さて、任務についてだけどまずは情報を集めることから始めないといけないと思うんだけど。」と私が切り出した。「情報っていってもどうやって手に入れるんだよ?」と言う祐の言葉の通り私達は情報の集め方すら思いつかない。すると「ちょっと違うんだけどさ。アリスはなんで右手にずっと包帯を巻いてるの?」と由乃が言った事で思い出したことがある。「それよ!これが手がかりになるかもしれないわ。」と私は幼い頃の出来事と右手の烙印について話した。「そんなことがあったんだ。もしかしたらそのマークを知っている人がいるかもしれないよ。」という由乃の言葉で私達はこのマークを手がかりに情報を集めることにした。話がまとまってきた頃いきなり部室のドアが空いて由莉が入ってきた。そして「お前らが喜ぶ情報を持ってきてやったぞ!感謝しろー。」と言って話し出した。「まずだな、どこの組織も術の研究をしているがその時どれだけ隠蔽しても微弱な魔力が放出されるんだ。」由莉によると大体の組織は地下に研究室を作りその上に本部だったり他の施設を作るらしい。また、大きな組織ほど本部は私たちが住む東京へ作るらしい。「じゃあ本部は街中で大きな研究室は山中に作るっていうことですか?」と私が聞くと「その通り!そして本部は普通会社として存在しているんだ。私達は学校としてだろ?」と返ってきた。それを聞いて私達は聞き込みをしつつ魔力を探るという方法で任務を進めることを決めた。
その翌日の土曜日。私達は近くのショッピングモールに来ていた。なぜこうなったかと言うとそれは昨日の帰り際まで遡る。
私達は部室から昇降口まで歩いていた。すると突然「明日三人で近くのショッピングモールに買い物に行かない?」と由乃が言い出した。私は「任務もあるし無理じゃない?」と言うと由乃は「街中を歩いて魔力を探りながら行けばいいんじゃない?他に出来る事はほとんどないでしょ?」と笑顔で答える。「でも......」と煮え切らない私に祐が「高校生なんだから遊びに行くぐらいいいんじゃないか?」と言った。その言葉を聞いて焦ってもしょうがないと思った私は買い物に行くことにして今に至る。私はショッピングモールに行くのは久しぶりだなと思いながら歩いていた。すると「アリスはこういう所あんまり行かない?」と由乃に聞かれた。「そうね、私はほとんど行ったことがないわ。」と私が答えると由乃は「じゃあ私達が楽しみ方を教えてあげる!」と言った。その後数分歩くとショッピングモールが見えてきた。
由乃と祐がショッピングモールの中に入りまず向かったのはゲームセンターだ。私は行ったことがないけどクラスメイトが話しているのを聞いたことがある。「ゲーセンに来たらまずはダン✕アクよ!」と由乃が言う。そして祐は「いや、ゲーセンといったら音ゲーだ!」と言う。「よくわからないけど入口に近い方からじゃだめなの?」と私が言いひとまず丸く収まった。そして入口のそばにあったダン✕アクと言うゲームの前に来た。「ダン✕アクって言うのはね。」と由乃がゲームについて説明してくれる。ダン✕アクとはダンシング✕アクションの略で前の画面のガイドと同じように踊るゲームらしい。「それじゃあ初めてじゃ出来ないんじゃないの?」と私が聞くと「あ、そっか。じゃあちょっと私がやりたいから待ってて。」と由乃は言い百円を投入してゲームを始めた。音楽が流れるとともに由乃も踊り出す。華麗なステップにキレのある動きそして画面にはパーフェクトの文字が立て続けに表示される。このゲームをやったことがない私でもすごく上手いのがわかる。周りを見回すと人だかりが出来ていた。その中には動画を撮っている人や手拍子をする人、そして歓声を上げる人までいた。そして由乃が踊り終わると大きな拍手が起こる。「由乃って凄いのね。」と言って次は祐が言っていた音ゲーコーナーへと行く。
音ゲーコーナーへ行くと祐がやっているゲームを教えてくれた。「これは太鼓の超人って言って流れてくる音符に合わせて太鼓を叩くゲームなんだよ。」と言ってプレイを開始する。難易度はEASY、NORMAL、HARD、EXTREMEの四段階で祐が選んだのは最も難易度の高いEXTREMEだ。祐は高速で流れてくる数え切れない程の音符を的確にミスすること無く叩いていく。そして最後までミスをせずにクリアしていた。私はこれも無理だと思った。そこで辺りを見回してみると鉄拳制裁というゲームが目に入った。「私、あれなら出来るかも」そう言って鉄拳制裁を指さす。「あれをやるの?今日の最高記録凄いよ?」と由乃が言う。それもそうだ本日の最高記録と書いた下には六百五十キロと記されていた。「やるだけやってみるよ。」そう言って私はグローブをする。よし重力を少し操作してと考えながら簡単な詠唱を済ませた。そして私は腕を振りかぶり八割ぐらいの力で的を殴った。すると魔法の力もありゲーム機を破壊してしまった。その後口が閉じない店員さんに謝りゲームセンターを出て由乃達と話していた。
「あまり力は入れてないんだけど。」と私が言うと「アリス、ゲームに魔法を使ったらそりゃあ壊れるよ。」と由乃に言われてしまった。「俺でもあんなパワーは出せないけど何をやったんだ?」と祐に聞かれたので「私は少し重力を操作して向きと強さを変えただけだよ。」と答えた。すると「へー。そんなことも出来るんだな。」と祐は言った。その後私達は昼食を食べて本屋やCDショップを見て周り帰路についた。その帰り道で「この辺りでは魔力を感じなかったね。」と由乃が言った。「次はまた別の場所も探してみましょう。じゃあ私はこっちだから」そう言って私達はそれぞれの家に帰った。




