第39話 最終決戦 前編
どうも、最終決戦だぜよと初心者Pです。
今回はどちらかというとシルバーナイト戦です。
では、第39話どうぞ~。
第39話 最終決戦 前編
現在俺は、王子の部屋で作戦会議を始めようとしていた。
しかし、空気がおかしい。王子の目つきもおかしいが、居心地が悪そうにしているイリアもおかしい。
これは、ちょっと面倒くさいことになりそうだな。
「何故、お前がいるんだ。イリア」
「うぇ!?そ、それは……その~」
イリアが俺に目配せしてきている。助けろと、そういうことだな。
だが、助けない!というか、助け方が分からない!!
「イリア、俺には無理だ。自分で説明してくれ」
「えぇ!?ちょ、ちょっと!それはずるいのよ!」
「イリア!説明るんだ!何故ここにいる!!」
「ふえ~ん。誰か助けて~」
その後、トリナお兄ちゃんの激昂を鎮めるのに苦労したが、なんとか話せる状態にはなった。
しかし、イリアからでは耳に入らなそうだったので、ここは俺から説明してやろう。
「トリナ、お前の気持ちも良く分かる。だが、イリアの力は強い。だから、俺がイリアに力を貸してくれと頼んだ。もし悪いとしたら、俺だ」
「ユウトさんが?……なんで、なんでイリアを戦いに巻き込むんですか!?」
「イリアの力が必要だからだ」
「そんなことで僕の家族を巻き込まないでください!それに、ジーンさんでもう十分じゃないですか!!」
「いや、前回の失敗を繰り返さないためにも、ジーンの他に1人ほしかった」
「だけど……なんで、イリアなんだ」
「俺は別にイリアや皆を死にに行かせるわけじゃない。そこは勘違いするな」
イリアを戦いに巻き込むのは申し訳ないと思うし、できればしたくない。だが、そんなことを言っている場合ではないんだ。
前回、俺にとっては2回目の戦いでファルドがやられた。油断していたつもりはなかったが、サザリー以外の敵を予想していなかった。
だから、今回はシルバーナイトを倒し、サザリーを殺す。今回で終わらせるんだ。そのためには、やはり強力な味方が必要だった。
俺はトリアの肩に手を置き、目を見ながら語りかけるようにして話した。
「分かってくれ、トリナ。どうしても不安なら、お前が守ってやるんだ。俺も皆を守るために全力を出すが、ここは兄であるお前が適任だろう?」
「そんなこと言ったって……僕にはそんな力」
「あるだろ。お前には、その力が」
「……分かりました。ですが、僕はイリアを守ることに全力を注ぎます。たとえ、世界の命運を左右する選択だとしても、僕はイリアを選びますからね」
「お、お兄ちゃん……」
トリアの許可もとったし、やっと作戦会議が出来る。
だが、作戦会議と言っても話し合うことなんて少ない。俺の魔眼のこと、イリアの役目、ジーンの役目、シルバーナイト対策、最後にサザリーとの戦闘についてだ。あれ、多いな。
「——————以上だ。分かったか」
「大丈夫だ」
「分かりました」
「ボクも了解しました!」
「分かったのよ」
「よし、じゃあ出発しよう。色々していて、時間がもうない」
窓の外を見ると、もう夕日で空が赤く染まっていた。前回のように明日でもいいのだが、善は急げ。一度敗けて、神を呼ぶという野望を阻止し損ねている。
もう時間がない可能性が高い。だから、今回の決戦は野戦になる。
「そうだ。ユウトさん、これを」
「ん?……石?」
「ファルドさんがユウトさんにと」
「何!?」
「ファルドさんが言っていたことをそのまま話しますね。『これは願いの玉と言う。ユウトなら使えるはずだ。託す』以上です」
「願いの玉……」
出発直前、トリナに渡されたのは卓球の球くらいの大きさで丸く灰色の石だった。しかし、ファルドからの贈り物ならもらう以外の選択肢はない。
それにしても、願いの玉か。願いが叶うとか、その辺りの効果があるのか?それとも、願いの力を溜めて攻撃に使うとかか?ワカラン。
取り合えず願いの玉は懐に入れ、最終決戦に持っていくことにした。何に使えるか分からないからな。
それから、トリアの用意した馬車で例の教会まで移動した。馬車の中では誰も口を開こうとしなかった。
おそらくだが、口に出さないだけで皆不安なのだろう。特に、前回の戦いを知っているトリナとツカサは。
それは俺も同じだけどな。また、サザリーの瞬間移動で誰かが刺されるんじゃないか。今度は俺じゃないか。と、想像してしまう。
そんなことを考えていると、目的地に着いたようだ。相変わらず廃れた教会に、周りが墓地。気味が悪い。
それに、時間帯が夜ということで余計に雰囲気が出ている。
「皆、あの時言った通りの並びでいこう。どこでサザリーが見ているか分からない」
「分かった」
「分かりました」
「了解」
「分かったのよ」
俺の指示で全員が立ち位置に着いた。俺の前にジーンとツカサ、俺の後ろにイリア、その後ろにトリナだ。
その並びで俺たちは教会に入った。中は前回と変わらない様子。
だが、1つだけ違うものがあった。教会の一番奥、祭壇の上に青い炎が浮かんでいた。それも、巨大な炎だ。それが、教会内を明るく照らしている。
「あら、ユウト君じゃない。死んだと思ったけど、案外しぶといのね」
「お前を殺すため、地獄……いや、天国から帰って来たぜ!」
「ふふ、面白い。でも、私はお相手出来ないわ。だって、神を呼ぶのに忙しいもの」
「そんなこと、させるか!行くぞ皆!!」
全員が手に武器を持ち、一斉に走り出す。俺とジーンとツカサは前へ、イリアは横、トリナは後ろだ。
まずはジーンがサザリーの元へと突っ込む。が、突然の突風で遮られてしまう。
「な、なんだこれは!?」
「ジーンさん、気を付けてください!」
「新手か?ジーン、頼むぞ!」
「おう!」
ジーンが立ち止まり盾を構える。その後ろに俺とツカサが隠れるようにして姿勢を低くした。これは、作戦会議で話した1つの作戦。
ツカサが全力で攻撃できるよう。ジーンは全力で防御を担当する。これで、ツカサは攻撃に集中することが出来る。
俺たちは周囲を警戒したが、突風の原因は見つからない。ただ、突風が一向に止まないのでこれは何者かが起こしているのは確かなのだ。
そんなことを思っていると、今度は突風が突然止んだ。そして、サザリーを守るようにして立っているシルバーナイトが現れた。
だが、シルバーナイトに違和感を感じる。
「おかしいな。何か違うような……」
「ユウトさん、シルバーナイトってあんなに小さかったですっけ?」
「小さい?……確かに、2mくらいしかないな」
「ユウト、どうした?何かマズイことがあるのか?」
「突風、シルバーナイト、診療が低く……」
今俺たちの前に立っているシルバーナイトとは、前回と比べて相当高さがなくなっている。そして、一番大きいのは鎧を着ていないのだ。まるで、鎧を脱いだから身長が低くなったような。
「まさか……軽くしたのか?鎧を脱ぎ捨て、目にも止まらぬ速さで動けるようになったとでも言うのか!?」
「あら、ユウト君察しが良いわね。そうよ、シルバーナイトは防御力特化とスピード特化の2パターンあるの。どう?驚いた?」
これで理解できた。あの突風、軽量型シルバーナイトの動きで吹いた風だったんだ。それが、あまりの速さに突風となってしまったのか。
重量型だったら斬鉄剣を当てることは簡単だったが、軽量型だと速過ぎて当てることすらままならない。これじゃあ、サザリーにたどり着く前にシルバーナイトに敗けてしまう。
「ユウト!戦いにイレギュラーは必ず存在する。それに臨機応変に対応できた方が勝つんだ!だから、考えろ!!」
「ジーン……そうだな!こんなの、日常茶飯事だよな!!」
「ユウトさん、あなたは1人じゃないですよ。ボク達がいます。だから、諦めないで」
「分かってる。作戦変更!さっそく出番だぞ、イリア!」
「待ってましたなのよ!」
俺の掛け声と同時に教会全体が暗くなっていく。まるで巨大な影に飲み込まれたように暗く。
これはイリアのシャドーの能力を最大限使ってもらうための作戦……でもないな。俺たちは気にせず、一気に真っ暗にしてもいいというものだ。
「イリア、シルバーナイトの足を止めろ。動かれると面倒だ!」
「了解よ!《影縛り》!」
「ジーン!ツカサ!」
「おう!」
「はい!」
イリアの影がシルバーナイトの足に絡みついたのを辛うじて見えた俺は、すぐさま2人と同時シルバーナイトに斬りかかる。
しかし、やはりと言うべきかキズは1つも付かなかった。
「分かっていた。だが!《斬鉄剣》!!」
バギィィン
ファルドが残してくれた希望の技は、しっかりとシルバーナイトにキズを付けた。しかも、深く人間ならば致命傷だ。
しかし、シルバーナイトにはそんなことは関係ないようだ。持っていた剣で反撃してきた。
「させるか!《パーフェクトシールド》!!」
だが、ジーンの盾で全てを防ぎ切った。流石、ドラゴンの炎から俺を守ってくれただけのことはある。頼りになるな。
さて、こちらも攻撃といきますか!
「ツカサ!」
「はい!使ってください!!」
「借りるぞ。二刀流《斬鉄剣》!!」
ツカサに剣を貸してもらい、両手での斬鉄剣でシルバーナイトを連続で斬りつける。右の剣で斬った直後に左の剣で斬る。
シルバーナイトの右腕と右足を斬り落としたところで、シルバーナイトが影縛りを破ってきた。しかし、右腕を斬り落としたので剣は振れない。
「まずっ、ユウトさん危ない!」
「腕がないし、大丈夫……じゃない!?」
シルバーナイトは最後の反撃というかのように、硬化させた左手で俺を突き刺そうとしてきた。
俺は自分の剣でその攻撃を防ごうとした。軌道を逸らすことはできたが、シルバーナイトの手の方が硬かったのか剣が折れてしまった。
しかし、姿勢が崩れているため反撃には絶好のチャンスだと思った俺は、ツカサの剣で体を回転させながら斬りつけた。
「うぐ……うおぉ!!」
俺の剣はシルバーナイトの胴を横一文字に斬りつけ、ガリガリと削れる感触を手が伝わってきて…体を真っ二つにした。
シルバーナイトの上半身が地面に落ちる。動く様子はなく、倒せたようだ。下半身は上半身と真逆に倒れた。
「うごぉ‥…腰イテェ」
「やりましたね!」
「ユウト、大丈夫か?」
「大丈夫だ。問題ない」
俺は腰の痛みを我慢して態勢を立て直し、剣はツカサに返した。自分のは、剣の真ん中くらいで折れてしまっている。だが、ないよりかはマシだろう。
「さて、サザリー。お前を守るものはなくなったぞ」
「ふふ……流石、ユウト君。シルバーナイトを倒すなんて驚いたわ。だけど残念、少し遅かったわね」
「なんだと?」
「神は今、降臨するわ!」
サザリーの言う通り、青い炎が最初に見た時よりも激しく燃え盛っている。これは、確実に何かあるというのが伝わってくる。
このままでは良く分からない神を呼ばれてしまう。そうなったらバットエンド直行だ。
「頼むぜ、効いてくれよ魔眼!!」
あの神を降臨するのがスキルや魔法などであれば、もしかしたら無力化できるかと思い魔眼の力を使った。
すると、さっきまでの勢いが衰え炎が歪に燃え出した。どうやら効果はあったようだ。
「その目、魔眼?また厄介な……」
「そう簡単にエンドは譲れないな。第2ランウドだぜ!!」
魔眼をもう2回も使ってしまったぞ!?
ユウトはどうなるのか?
そして、次回はサザリーと直接対決だ!
お楽しみに~。




