第40話 最終決戦 後編
どうも、次回で最終回!初心者Pです。
最終決戦の後編となります。サザリー戦ですね。
では、第40話どうぞ~。
第40話 最終決戦 後編
「まったく、私の儀式を一時的にでも妨害してくるなんて……いいわ。そんなに殺してほしいなら相手をしてあげる」
「グ……」
魔眼の力でなんとか儀式を止めることはできた。しかし、目の激痛がヤバイ。これは完全に潰してしまったかもしれない。
サザリーに勘付かれないようにするため、俺は左目から落ちる大量の血を止めるため手で必死に抑えた。だが、それで止まるわけもないく。ダラダラと垂れ流し状態になってしまった。
「あら?その血……もしかして、もう魔眼は使えないんじゃない?」
「そんな……ことは……ない」
「無理しなくてもいいのよ。ここで、死ぬんだから」
そう言ったサザリーが目の前から消え、気配が俺の後ろの一瞬で現れた。まさか、結構近かったとはいえ、10m以上の距離を一瞬で?
そんなことを言っている場合じゃない。このままだと殺されてしまう。だが、体はもう避ける動作は出来ないくらいに弱っている。どうする……。
「ユウトに手を出すな!」
「ユウトさん、大丈夫ですか!」
俺の近くにいたジーンとツカサが、俺とサザリーとの間に入ってくれた。そのおかげで俺は無理に体を動かすことなくサザリーの攻撃から免れたのだ。
現状、俺は使い物にならない。目の痛み以前に、剣が折れてしまっている。こうなるともう、戦える状態ではない。皆が頼りだ。
「ジーン、防御はいい!ガンガン攻めて、サザリーを倒せ!」
「分かった!」
「ツカサもいいな!」
「了解です!」
俺の言葉に強く頷いた2人は、躊躇なくサザリーに向かって走っていた。
対するサザリーは、臆することなく2人を迎え撃とうとしている。
「《薙ぎ払い》!」
「《ホーリーライト・ソード》!」
「そんなゆっくりじゃ、当たらないわよ」
ジーンの横薙ぎの攻撃に、ツカサの強烈な縦斬りの攻撃。偶然か合わせたのか分からないが、良いコンビネーションだ。
しかし、サザリーはそれは気にすることもなく、ジーンとツカサの技の発動の遅れで生じる技と技の隙間を使い、簡単に避けて見せた。
「えーっと、《ホーリーライト・ソード》」
「あ!?」
「チッ、《パーフェクトシールド》!」
「本当に出た。凄いわね、この目は」
サザリーの言っている目とは、おそらくコピー眼のことだろう。あの時、これで私はもっと強くなれるとか言っていたが……まさか、自分で使えるようにしていたとは驚きだ。
だが、それは想定済みだ。それようの対策は、用意してある。
「イリア!トリナ!」
「待ってました」
「こっちは準備万端だよー!」
「あれをやってくれ!」
「分かりました」
「了解よ。《影刺し》」
「《セイクリッドランス》!」
イリアの影が地面から刃のように尖って出てくる。それが、サザリーを狙うが余裕のある動きで避けられてしまった。
だが、その影でできた陰に隠れた本当の目的。それは、後方からの王子の支援攻撃だ。このようにして、ギリギリまで見せないようにする。コピー眼は食らった魔法もコピーできるが、これで仕留められれば関係ない!
「だから当たらないと……あら?」
「(頼む。当たってくれ!)」
「あの光は……なるほど。王子様が何かしたのね」
陰に隠れて見えないはずのトリナの攻撃を見破られた。何故、どうして……待てよ。そう言えば、コピー眼は相手の能力をコピーするだけでなく、戦いの最中でも良く見えた気がする。
俄かに信じがたいが、良く見える目で攻撃を見破ったらしい。これじゃあ、多少策を練っても意味がないじゃないか。
だが、ここで諦める俺たちではない。
「ゆっくりした攻撃。当たる訳ないじゃn……これは、影縛り!?」
「気付いても遅いのよ!当たりなさいよ!」
「チッ!……」
イリアのファインプレーにより、トリアの攻撃をサザリーに当てることに成功した。きっとサザリーは、トリアの攻撃を見過ぎるあまり足元がお留守だったのだろう。そこを狙ったイリアはさすがだ。
トリアの攻撃をまともに食らったサザリーはたった一撃でボロボロになっていた。それは服ではなく、サザリー自身の体だ。
「やってくれたわね……でも、次はないわよ!」
「皆さん警戒してください!」
「ツカサ、危ない!」
「え?」
「遅い!」
ツカサが一瞬だけ後ろを振り向いた隙を狙い、サザリーがツカサの横に移動した。そして、サザリーの左手がツカサに触れ……ツカサはその場に倒れこんでしまった。
あの手、きっとツカサを呪いで動けなくしたんだ。あの時、俺にやったように。
「ツカサ、大丈夫か!」
「ぐ、うぅ……」
「ダメか。ジーン!ツカサを連れて一旦外に出るんだ!時間は、俺たちが稼ぐ!!」
「……分かった」
「させると思ってる?」
「そうさせてもらうんだ、よ!」
俺はサザリーに向かって《一閃突き・改》を放った。しかし、刀身が短く折れている剣ではサザリーに届かせることすらできなかった。
だが、ツカサから離れさせることには成功した。それだけで十分役割を果たせている。
「イリア、トリナ……バックアップよろしく」
「援護は任せて下さい!」
「ユウトさん、気を付けてくださいよ!」
分かってるって。言われなくても、細心の注意を払わなきゃ殺されるからね。
だがしかし、一体どうするべきか。ジーンが戻ってくるまでの間、俺だけで前線張れんのか?無理だよな?
いや、無理とか言っている場合じゃないのは一番俺が良く分かっている。ここまで来たんだから、やるしかねぇ!
「ユウト、頼んだぞ」
「分かってる。早く行け」
「その前に、これを。その剣じゃ心もとないだろ」
「ツカサの剣か。貸してもらおう」
「あとは頼んだ!」
ジーン外へとツカサを連れて駆け出す前に渡して来たのはツカサの剣だった。勝手に使うのは少し気が引けたが、今ツカサは呪われている最中だった。
俺の場合、呪いはファルドが解いてくれたら問題ないが、他に呪いが解ける奴がいない。だから、事実上ツカサはここでリタイアだ。
そうなってしまった以上は、俺がツカサの分まで戦うしか道はない!
「はぁぁぁ!《セイクリッドソード》!!」
「あら、ユウト君も使えるのね。それ!」
「まあな!元は俺がコピー眼を持ってたんでね!!」
「そうだったわね!《薙ぎ払い》!!」
「《薙ぎ払い》!!」
お互いしゃべりながら剣を交える。俺もサザリーも同じ動き、同じ技だ。これは、俺がサザリーをコピーしていたから出来ることだが、これじゃあ勝てない。
しかし、俺の目的は勝つことじゃない。
「あらあら、あくまでも時間稼ぎに徹するのね?つまらないわ」
「言ってろ。俺1人で勝てるなんて、最初から思ってなかったからな」
「でも、それじゃあ私にやられるだけよ!」
「ぐわっ」
サザリーの斬撃が俺の胸にキズを付けた。戦えなくなるほどの深いキズではなかったが、それでも中々に深い。
やはり、サザリーと俺には決定的なスペックの差がある。到底届くものじゃない。だが、これは俺1人の時の話だ。
「《影縛り》」
「《セイクリッドフラッシュ》」
辺り一面を一瞬で光が覆いつくした。あまりの眩しさに目が開けられない。
それはサザリーも同じ、いや俺以上に嫌がっている。
このチャンスを逃さないイリアは、光が収まると同時に忍ばせておいた影でサザリーの両足を縛り動きを封じた。
「やっぱり王子、あなたは邪魔ね!」
「どこを見ている!《斬鉄剣》!!」
トリナを睨みつけていたサザリーの懐に潜り込み、横一文字斬りつけた。サザリーの血しぶきが地面にバシャッと落ちる音がした。
手ごたえはあった。確かに深く斬りつけた。だが、まだ足りなかった。
「うがぁぁぁ!」
「何だコイツ、化け物か!?」
「あなただけも死にないさぁぁい!!」
サザリーの剣が俺の右肩に迫っている。だが、剣を振り切った直後なので動けない。
俺は直感した。剣は右肩から入って左の腰あたりまで一気に切れる。文句の言いようもなく、即死だ。
「《パーフェクトシールド》!!!」
俺が死を覚悟し、目を瞑った時だった。俺の目の前で大きな声が聞こえた。目を開けると、そこには待ち望んでいたジーンが居た。
ジーンはサザリーの剣を止め、こちらを振り向き一言「待たせたな」と言ってサザリーを押し返した。
「じ、ジーン」
「悪い。待たせてしまった」
「いや、案外早かったよ」
「それにしても、やったなユウト。お前の一撃が届いたぞ」
「……あぁ、ありがとう。だが、サザリーはヤケになって暴れている。気を付けろよ」
「おう!」
ジーンが帰ってきたことにより、俺の負担がかなり激減した。防御を改めてジーンに任せ、俺は攻撃に専念する。
サザリーは剣をその場で振り回し、殺すと連呼している。
「行くぞ!」
「おう!」
「遅いって言ってるでしょ?」
俺が走り出そうとした瞬間、俺の目の前にサザリーがいた。そして、サザリーの剣が俺の腹部に突き刺さっている。
これは、ファルドを刺そうとした時と同じ現象だ。からくりは分からないが、防ぎようがない。
「ぐはっ……」
剣を落とし、刺された部分を抑えながら後ろに倒れる。そのおかげで剣を抜けたが、出血が止まらない。胸のキズも相まって、体に激痛が走る。
尻餅をついた状態の俺に止めを刺そうとサザリーが左手をこちらに向けて来た。
「燃え尽きなさい。《インフェr》」
「《疾風斬》!!」
「《影縛り》!!」
俺を助けようと、ジーンがサザリーの左腕を斬り落とし、イリアが右腕を縛り抑えた。
だが、魔法は止まらない。発動者が途中で止めようとしても、魔力は散らずに残っている。こんな時だが、魔眼がなくても一応見えるようになったらしい。
もしかしたら、これ使えるかもしれない。この残った魔力は不安定に発動している魔法のようなものだから、ちょっと刺激してやれば爆発を起こすかもしれない。
「それしかない……うおおぉぉぉ!!!」
剣も持たずに素手で、サザリーの目の前にある魔力の塊に手を突っ込む。すると、不安定ながらも纏まっていた魔力が一気に開放。それと同時に大爆発を起こした。
俺は吹っ飛ばされてしまい、地面に背中をこすりつけながら止まった。
「うぐ……ど、どうだ」
俺は無理やり体を起こし、サザリーの方を見た。するとそこには、真っ黒な炭となったサザリーが倒れている。動く気配はない。
「勝ったのか……」
俺は勝利を確信し、意識を手放した。
だが、儀式が中断されていないことを、俺は起きてから知ることになる。
この戦いでの犠牲、魔眼と……右腕。
次回は最終回です。大事なことなので2回言っときます。
お楽しみに~。




