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転生者は他人の真似が上手なようです!  作者: 初心者P
第4章 成長 ~取り敢えずあの女は死刑な~
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第38話 新たな仲間 2人目

どうも、最終回が近いよと初心者Pです。


まさかこんなにも早くここまで来るとは‥‥いや、毎日投稿してるから当たり前か。


では、第38話どうぞ~。

第38話 新たな仲間 2人目


「なぁ、ジーン。お姫様の名前、聞いてなかったんだけど」

「姫の名前はイリア、イリア・ファタールだ」

「イリア姫か。どんな人なんだ?」

「会ってみれば分かるさ」

「そうだけど……」


 だから不安なんだよ。会ってみれば分かるって、誤魔化されてるみたいじゃないか。

 俺はジーンの隣を歩きながら、そわそわしっぱなしだった。もしキツイ性格だったら最悪だ。


 それから軽く雑談しながら城に向かった。城の前まで来ると、俺が来た事とジーンが来た事のダブルの驚きで門番が凄く驚いていた。笑っちゃうくらいにな。

 それを見て思った。ジーンって本当にこの城で働いていたんだなって。

 でも、お姫様の護衛ってそんなに有名になることなのか?正直目立たない役職だと思うんだが。


 そんなことを思いながらも、俺はジーンの後ろを歩いた。歩いてて気づいたのだが、ジーンは王子の部屋とはまったく逆方向に歩いている。

 なるほど、お姫様と王子の部屋は真逆か。色々疑問はあるが、今は置いておこう。


「ここだ」

「この扉、なんか黒くね?」

「姫は大の黒好きだからな。家具も黒いぞ」

「へ~、不思議な人だな。この世界で黒好きなんていないだろ」

「まぁな。俺が言うのもあれだが、姫は結構変わってるよ」


 真っ黒な扉を見ながらジーンが苦笑いをする。その顔だけでお姫様は本当に変わっているのだと察せた。

 さて、お姫様とのご対面だが、なんて言われるかな。一応俺の髪は黒だが、変なことされないよね?


「イリア姫、ジーンです。お話したいことがあるのですが、入ってもよろしいですか」


 ジーンが扉をノックし少し大きな声でそう言った。

 しかし、お姫様の反応はない。


「おい、本当にいるのか?」

「さぁ、その辺りは確認していないから分からない。だが……」


 ジーンが扉を開けようとしたが、トアノブは回らない。どうやら、鍵が掛かっているようだ。


「鍵が掛かっているのを見ると、居てもおかしくはないんだがなぁ」

「え?普通逆じゃないか?」

「いや、姫の場合はメイドたちのために部屋を出るときは鍵を掛けないんだ」

「なるほど」


 しかし、鍵が掛かっていて開かない。それに、お姫様からの返事もない。これじゃ、無言で帰れと言われているようなものじゃないか。

 だが、ここで素直に帰る俺じゃない。ジーンが戦力になると言ったんだ。本当かどうか、確かめるまでは帰らないぞ。


「ジーン、合鍵とかないのか?」

「そんなもの、作るわけないだろ。もし落として、誰かに拾われたりしたらどうする」

「だよなぁ」

「だが、手がないわけではない」

「どういうことだ?」

「考えてもみろ。もし部屋に鍵が掛かっていて、部屋の中で姫になかあったら俺たち護衛はどうする」

「助けに……いや、鍵が」

「そうだ。だから、俺たち護衛と他数人しか知らない扉の開け方があるのさ」


 そう言ってジーンはドアノブを捻り始めた。下に傾け、今度は上傾け、引っ張ったり押したり。そんなことを繰り返し、最後にドアノブを思いっきり下に捻った。

 すると、鍵が掛かっていてそこまで動かなかったドアノブが、いとも容易く捻られた。そして、扉が開いたのだ。


「入るぞ」

「あ、あぁ」


 スゴイな。これが護衛がお姫様を守るための裏技ってやつか。くそ~、コピー眼があればコピーできたのになぁ~。

 いや、今はそんなことを言っている場合じゃないな。


「イリア姫、いらっしゃらないのですか?」

「……ジーン、なんか暗くないか?」

「そうだな。カーテンが閉まっているにしても、暗すぎる」

「それに、魔力の流れが……」


 薄っすらとだが、部屋全体に魔力が充満しているのが見える。部屋の至るところに魔力があるなど、普通はあり得ないことだ。

 しかし、魔力があるだけで魔法か何かが発動しているわけではないようだ。だったら、何故?


「取り敢えずカーテンを開き、光を入れようか」


 俺がそう言って窓まで歩こうとした時だった。

 突如、真下から何かがくる予感がし、咄嗟に飛び退いた。すると、さっき俺の居た場所から黒い尖った柱のようなものが突き出て来た。


「な、なんだこれ!?」

「どうしたユウト!」

「何かは分からないが、攻撃された」

「なんだと!?」


 俺とジーンは剣を抜き構える。いつさっき攻撃が来ても対処できるよう、神経を研ぎ澄ませながら警戒をした。しかし、一向に動きがない。

 俺はチャンスと思い窓まで走った。だが、またもや真下からの攻撃。それに加え、今度は上や横からも同様の黒い柱が出てきて俺を攻撃してきた。


「うわ!さ、刺さるかと思った」

「大丈夫かユウト!」

「な、なんとか……」


 咄嗟に避けられたものの、次は確実に食らってしまう。しかし、部屋が暗いままだと結局のところこちらが不利。何とかしてカーテンを……。

 ん?カーテン?思い返せば、カーテンを開けようと動いた時にあの攻撃が来た。今さっきだって、窓まで走ったらあの総攻撃。

 なるほど、相手の思惑が分かったぜ。


「ジーン。相手はこの部屋を明るくしたくないようだぜ」

「なるほど。だから攻撃してくるのか」

「あぁ。そこでだ。俺が一瞬だけ時間を稼ぐ、その間にジーンがカーテンを開けてくれ」

「時間を稼ぐ?それは、一体どうやって」

「見てろ……」


 俺は左目の眼帯をとり、魔眼に意識を集中した。

 フローリアには1年間は使えないと言われたが、それが本当かどうか確かめてやる。相手の攻撃には魔力が関わっている。それならこの魔眼で、無力化できる。


「魔力よ……消えろ!」


 俺がそう叫ぶと魔眼が光り出した。それと同時に、部屋の明るさが元に戻っていった。

 部屋の隅から黒いのが消えていく光景を見て、この部屋全体に何かしらの術が施されていたのだと分かった。そのせいで部屋が異様に暗かったということも。

 俺が結果に満足していると、突然左目の視界にビキッとヒビが入った。そして、激しい痛みが左目に走った。


「ぐ、ぐわぁぁぁぁ」

「ユウト、大丈夫!?ユウト!!」


 片手で左目を押え、痛みのあまり膝をつく。ポタポタと左手の隙間から血が垂れているのが分かった。

 きっとこれがフローリアの言っていた目が潰れるということだろう。直ぐに能力を解いたから良かったが、これを5分間も使い続けるのはちょっとな。

 痛みは数秒で収まったが、視界は戻らないままだ。俺は眼帯を着け直し、立ち上がった。


「大丈夫だ。もう、痛みはない」

「そうか。無理はするなよ。それにしても、部屋の暗さは相手の能力のせいだったのか」

「そのようだ。だけど、魔法かスキルかは分からない。警戒しよう」


 剣を構えなおし、俺とジーンは部屋の中を見回した。

 家具も部屋に至るところに黒があり、ジーンの言う通りだった。


「しかし、どうして俺たちが入ってきた時に攻撃しなかったんだろうな」

「確かに、俺がカーテンを開ける前に攻撃されてもおかしくはなかった。というより、その方が確実だ」

「もしかしたら、何か理由があるのかもな」

「理由……」

「例えば、攻撃したくなかったとかな」


 そんなことを話しながら部屋を調べていると、ベットの方で何かが動いた気配がした。気配察知でも感じ取れなかったが、動いたのは確かだ。

 俺は直ぐにベットに近寄り、毛布を剥いだ。


「なっ……」


 するとそこには、寝間着姿の女の子がいた。年齢は10代後半くらいで、俺と近い気がする。


「あなたは誰?」

「俺?俺はユウト、君は?」

「私はイリア。イリア・ファタールよ」


 少し強気な口調で女の子がそう言った。

 イリアってことは、お姫様か。なるほど……え?


「お、お姫様!?」

「その呼び方は嫌いよ」

「じゃ、じゃあなんて呼べば」

「イリアでいいのよ。別にさんや様なんでいらないのよ」


 高貴な雰囲気が漂う語尾ですね……ははは。変ではないにしろ、ノラを思い起こさせる語尾だな。

 俺はジーンを呼び、本物かどうか確かめさせた。


「イリア姫、ご無沙汰しております」

「ジーンじゃないのよ。どうしてここに?」

「イリア姫の力を借りよと思いまして」

「私の力?あの忌々しい《シャドー》の力を?」

「はい」

「嫌なのよ!あの力をまだ扱いに慣れてないし、寝ている時は暴走しやすいのよ!!」


 シャドー?暴走?ジーンとイリアの会話は知らないことが多過ぎて何を言っているのか分からない。

 しかし、取り合えずイリアがジーンの申し出を拒んでいるのは分かる。だが、そのシャドーとか言う力は初耳だな。


「シャドーって?」

「姫のユニークスキルであり、魔法だ。俺も見たことはないが、相当強力らしい」

「その分じゃじゃ馬なのよ」


 ジーンの期待がこもった言葉とは裏腹に、呆れた様子で話すイリア。

 俺はどっちを信じればいいんだ?ジーンかイリアか。もしくは、どっちもか?


「待てよ?シャドーってことは、影?」

「そうなのよ。シャドーは影を操る力。そして、魔法で威力、形、数、他にも色々変えられるのよ」

「え?それって結構強いんじゃ」

「強いのよ?でも、私にはまだ扱いきれないのよ」


 イリアの話だと、寝ている時は暴走するって……それは、中々のじゃじゃ馬ですな。

 というか、寝てる時に暴走?そう言えばさっきの攻撃、黒い尖った柱のようなもの。もしかしてあれ、影だった?


「イリアって今さっきまで、寝てた?」

「?そうだけど、それがどうかしたのよ?」

「アチャー……ジーン、あの攻撃はイリアのシャドーだ」

「何!?あれがシャドーだと!」

「どういうことなのよ」

「俺たちがこの部屋に入った時、異様に暗かったんだ。だから、カーテンを開けようとしたら黒い尖った柱のようなものが真下から出て来たんだ」

「それは……申し訳ないことをしたのよ」


 俺の話を聞いてシュンとなってしまったイリア。

 しかし、本当に強力なんだなシャドーってのは。あんなに縦横無尽に攻撃してくるなんて、普通だったら避けられないよな。


「いや、もうそれはいんだ。だが、イリアが力を貸してくれないとなると……な?」

「うっ……わ、分かったのよ。協力すればいいんでしょ、協力すれば!」

「ありがとな!」


 これで最後の1人が仲間に加わった。これで、サザリーとの戦いに臨める。

 だが、前回のメンバーでは歯が立たなかったあのシルバーナイト。今回はどう立ち向かうか……。


「ジーン、イリア。取り合ずツカサを呼んで、王子の部屋で話し合おう」

「分かった」

「と、トリナ兄さんの部屋?」

「トリナ、兄さん!?」

「なんだユウト、知らなかったのか。トリナ王子はイリア姫の義理の兄だぞ」

「マジかよ……」


 義理の兄ってことは、イリアは王女の娘ではないのか?いや、元々王子は王女の息子じゃなかったけど。でも、それは隠して来たし……分からない!


「や、やっぱり私は止めておこうと思ったり~」

「イ~リ~ア~?」

「わ、分かってるのよ!そ、そんな顔で見ないでほしいのよ!!」


 さてと、イリアが王子の妹だと知ったが、これは非常にマズイな。このままだと、ファルドのように死なせることは、余計にできなくなった。

 王子は既に母親を失っている。もし、イリアの参戦を反対されたら……。

 いや、あまり悪い方向に考えないようにしよう。これからが本番んだ。ファルドの分も、俺たちが頑張らなければ!


「行くぞ、ジーン、イリア。作戦会議が終わったら、決戦だ!」

イリア参戦!!


次回、最終決戦・前編。


お楽しみに~。

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