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巨大ロボに乗って幼馴染みに告白し続ける話  作者: みつつきつきまる


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第54話 幼馴染みと競技決め

 週末にも何度か穂乃果の見舞いに来て、しぶとく咳やら喉の痛みやらが残ってはいたが、だんだんと快方に向かっているのを確認して一安心。


 一緒にフェアリーランドに行けなかったのは残念ではあるものの、結局は何か理由をつけて行きたいだけだろうし、いつでも行けるしな。


 そうして、月曜日の朝『すっかり治ったよ!』との連絡を受け、和泉家に穂乃果を迎えに来たのだが——玄関前で穂乃果が待っていた。


 珍しい事もあるもんだ。


 なんて事を想っていると、僕の姿に気づいた穂乃果が勢いよく突っ込んできた。


「お、おい・・・」


 タックルするように組み付いて来た穂乃果が、僕の腰を締め付ける。


「何やってんだよ」


 頭を掴んで引きはがしてやると、腰に抱き着いたまま上目遣いで睨んでくる。


 拗ねた子供みたいで可愛い・・・ではなく、


「どうした?まだ具合悪いのか?」


 風邪は治ったと聞いたんだが。まあ、制服を着ているわけだし、スカートの短さも相変わらずなのでそんな訳ないが。


「・・・なんでもない」


 穂乃果はそう言うと不満そうに離れた。何が不満なんだか。


「浮気者に怒ってるわけじゃないから」


 何の事だか。





「今度絶対フェアリーランド行くんだからね」


 中央公園を過ぎる中、相変わらずなぜか不満そうな穂乃果がそんな事を言って来た。いや、不満そうに言っているあなたが風邪をひいたから行けなかったんですけど。


 そうやってぐいぐい僕の腕を掴んで来るけど、遊びに行けなかったのは僕のせいじゃないぞ。


「わかったわかった。また今度な」


 まあ誰が悪いと言っても仕方ない。風邪をひいたのも穂乃果のせいではないし、あえて誰のせいかと言えば、ADMかな。


「それより、体育祭の競技決めたか?」


 今週から体育祭の練習が始まり、来週末には体育祭の本番となる。参加する競技を今日決めると言われていた。最低でも一人一競技は参加しなければならない。


「体育祭かー」


 渋い顔の穂乃果。穂乃果は別に運動が苦手な訳では無いはずだが。


「あんまり練習したくないから、そんな感じのがいい」


 こつこつとした努力が苦手。


「練習しないでいいのって何かな?借り物競争とか?」


「借り物競争に練習も何もないけどさ」


 借り物競争の肝は、足が速いとかそんな事よりもどんな指示をされるかどうかだからな。


「人を借りる指示とかだったら、隼を連れて行くから」


「『仲のいい女子』とかだったらどうするんだよ」


「いいじゃん。私のスカート履けば」


 何でだ。


 それより、まかり間違って『好きな人』とかだったらどうするんだよ。


「じゃあ決めた。私借り物競争にする!」


 穂乃果はそう言ってふんと息を吐くけども、僕には一つ気になっている競技がある。


「二人三脚ってどう?」


「えー」


 穂乃果の反応はよくない。


「他の人と息を合わせるのって難しくない?」


 そうなんだけど。


 この二人三脚。今年は男女ペアで行われるとの情報を得た。なので、僕としては『一緒に出ない?』という意味を含ませたつもりなんだけど、穂乃果に伝わらなかったらしい。もしかすると伝わっているものの、嫌がられただけかもしれないが、とにかく色よい返事はもらえなかった。


 だったら僕も別の競技を探さなきゃな。


「僕は何の競技がいいかなぁ」


「パン食い競争とかは?」


「今年は無いらしいぞ」


「騎馬戦とかは?」


「女子を担ぐらしいけど」


「じゃあダメ」


 ダメって言われるんだ。


「もういいじゃん。リレーとかに立候補しなよ」


「嫌だよ。速い奴いっぱいいるのに」


 別に運動が苦手なわけではないが、運動部の連中がこぞって参加するリレー選手に立候補するほど身の程知らずではない。どうせ陸上部の姫香やら、サッカー部の健太やらが参加するだろうし。


 まあ、何か面倒じゃない競技でも探すさ。


 何て事を思っていたのだが——


 その日の放課後。僕は運動場にいた。体育祭の自主練習をするという名目で。


 同じような目的の生徒たちであふれ返る運動場で、僕は不安を抱えたまま立ち尽くしていた。


 気が重い——とは少し違う感情。嫌——な訳でもない。ただただ形容しがたい複雑な気持ち。


 その理由。


「さあ隼君!出るからには勝つわよ!」


 普段はサイドに降ろしている金髪をポニーテールでまとめ、えんじ色のジャージ姿の新内姫香が胸元で両拳を握る。


 どういう訳か、新内姫香と二人三脚に出る事になってしまった。






 




 


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