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その後の神殿 〜マリアver.10〜

「でもクラウス殿下って、立太子まだなんですよね?」


 もうどう考えたって第一王子一択なんだからさっさとキメて国民を安心させて欲しい! ってわたしが言ったらファティマ様は、


「ある筋によりますと、第二王子派の妨害が激しいとのことでして。やはり『聖女の血筋』は大きな要素のようですわ。正妃マイカ様は国民の理想のお妃様でいらっしゃいますけれど、聖女ではありませんですものね」


「いやいやだからってあのボンクラじゃないやクラトス殿下が王様になったら国が潰れますよ⁉︎」


 第二王子ははっきりともーどーしょーもない奴だ。わたしの弟が今、貴族学園の4回生でクラトス殿下の1コ下なんだけど、4、5、6回生は選択科目の授業でかぶることがあるから第二王子の『情報』を色々仕入れてくる。

 で、弟によると、第二王子の年の学生にはわたしの時みたいなの(第一王子と一緒のクラスになりたくって頑張って勉強するぞ的なムーブ)は起きてないそうだ。むしろ、心ある子弟はあんなのと一緒にされてたまるかって距離置いてるって。

 弟情報によると、第二王子は学園入学と同時に様々な伝説を事あるごとに生み出してるそうだ。当然、不名誉な意味で。いちいち挙げてたらキリがないからって前置きしつつも、弟は長期休暇で実家に帰るたびにクラトス殿下のヤバイ伝説を大量にぶちまける。弟の『情報』は、わたしと姉が休暇で顔を合わすたびに交わし合う他愛ない愚痴ではなくて、実家の商売どころか国民の血税に関わることまで網羅してたから、パパもママもわたし達の時みたいに苦笑して放置じゃなく、マジメに拝聴してた。おばあちゃんなんか弟から聞く第二王子の数々の伝説に、もうダメだねこの国は親が親なら子も子やわ、って怒りまじりに嘆いてた。


 クラトス第二王子不名誉伝説の中でも一番パンチが効いてたのはやっぱ『伝説のCクラス爆誕の段』かな。

 前出の通りで、貴族学園は1回生から3回生までは家柄オンリーでざっくり雑に2クラスに分けられる。でも、それまでの成績や素行とかが反映される4回生のクラス分けからは、年によってはCクラスなる3つ目のクラスが誕生することもあるらしい。……らしい、って言うぐらいだから、Cクラスがある年って相当珍しい。弟が聞き込んできたところによると、それこそ現国王クラウン様が在籍してた頃まで遡らないとその存在は確認できなかった、とかで。

 4回生からのクラス分けは、Aクラスは成績上位者、Bクラスは上はちょっと頑張ればAクラス入りも夢じゃない人から下は落ちこぼれまで幅広い。が、Cクラスとかいうのは、Bクラスの下の下にも到達できないレベルというか、そもそもお前やる気ないだろ判定された人っていうか、せめてやる気の欠片ぐらい見せてもらわんと留年させるぞ的な? 素行不良も最早庇いきれなくて次やったら退学だぞレベルというか? ……まぁそんな感じで、普通に学園生活送ってる分にはまず縁がない。それこそここ数十年はお目にかかる機会もなかった新たなクラス、それが『伝説のCクラス』。

 第二王子はその不名誉な意味でのレアなクラスに、4回生に進級すると同時に放り込まれたんだって! しかも、第二王子のお取りまき達もセットで!

 お取りまきの人達はちょっとかわいそうかな、とかってわたしは思ったけど、弟に言わせると第二王子の取りまきもどっこいなレベルだって。学園側だって、当たり前だけど全員無事に卒業させてやりたい。成績不振者には赤点 → 追試とかの救済措置がある。第二王子とそのお取りまきは学園側のそんな温情さえ無にして遊び回ってたんだ、って弟から聞いたら、お取りまきに対してちょっとだけあった同情も消え失せた。追試すっぽかすとかどんだけよ。

 さらに言うと、第二王子に関しては、学業不振に加えて素行不良も無視できないレベルだってことだ。気に入らない授業のエスケープは当たり前。未成年のクセに酒場や花街に入り浸る。二日酔い状態で通学してくることもザラ。羽振りの良い家の子弟にカネの無心する……ってかそれって最早カツアゲじゃないの?

 第二王子、弟のトコにもカネ寄越せって来たけど、弟は表向きはやんわり断って即座に学園に通報したって。弟と同じようにした学生が複数いたんだろう。さすがに学園側も見過ごせなくなって、伝説の(?)Cクラスあえなく爆誕、と。

 自分の回生でCクラスがあるとか、とんでもないスキャンダルだ。頭にコロネのエスニャ様なんか喜び勇んで言いふらしそうなもんだけど、彼女は沈黙を貫いてる。弟情報だとCクラスに女子はいなかったって話だったけど……?

 Cクラス入りした(というか、させられた)子弟の親からは当然、学園側に異議申立みたいなのもあったけど、学園長は耳を貸さず、王家からの物言いまで突っぱねたって。やるじゃん学園長!

 全校集会とか式典とかで無駄に話長いおじーちゃんとか思っててゴメン学園長。さすがは学び舎の長、王族だろうが侯爵家の嫡男だろうが平等に一学生として扱う、って有言実行のかっちょいいおじーさまだったわ。

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