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古の庭で  作者: 槍田歩馬
第二章 潜入編
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第21話 早い再会

「やあ」

 瑠璃さんが居なくなって、最初の日。大江先生が教師に復帰した。


「あ、大江先生!」

「思ったよりも早い再会だったね」

思わず抱きついてしまい、ハッと我に返って「すいません」と離れる。

佐野くんはきょとんとしている。

「ああこちら、大江先生。私の教育係もした人だよ。今日から復職されるんですね」

「じゃあ僕の大師匠…みたいな人ってことですね!」

と佐野くん。目が輝いている。

大江先生は、そんな佐野くんを見て相変わらずわっはっは、と笑って、

「そうだよ。君が佐野先生?佐倉先生から話は聞いてるよ。若いっていいねえ」

と言った。大江先生は佐野くんの背中をばんと叩いた。

「聞いてるって…何を?」

佐野くんは顔を真っ赤にしている。

「さあ?佐倉先生にいつか訊いてみな」

何の話だろうか。


「御酒くんも、佐倉先生を一人占め出来なくなったなぁ」

「えっ」

私も顔が真っ赤になった。

「嫉妬、してんだろう?教員寮が一緒だからって。目線が怖いよー」

大江先生は何でもお見通しだ。それにしても、そんな目線だったのだろうか。気を付けよう、と気を引き締める。


「君らも9月には異動なんだって?」と大江先生が言った。

「ああ、はい。そうです」

「…御酒くんも難儀だねぇ。恩人と娘の担任なんて」と大江先生は囁いた。

 本当にこの人は、どれだけ知っているんだ。

 そう、瑠璃さんは娘の十和のクラスに潜入したのだ。

 十和のクラスは今年に入って5回担任が代わっている。だから、校長たちはそこが元凶のクラスだと思っているのだろう。それに、そのクラスには…「毛利」の名字の生徒がいる。

 まあ今のところ、私にはあまり関係がないし、考えても仕方がない。瑠璃さんの健闘を祈るばかりだ。瑠璃さん、教師人生長いのに十代の子が苦手だ、とよく漏らしている。今頃悲鳴を上げているんじゃないか。


「瑠璃さん、今頃何してるのかなぁ」

天井を見上げてつぶやく。

「どうせキャラ通せてないよ」と大江先生が言った。

「ですね」と私も同意した。

瑠璃さんは、実は演技は上手いが日常でも、となると途端にキャラ崩壊するからなあ。


         ※※※


「へくしょいっ」

その頃瑠璃がくしゃみをしていたのは、言うまでもない。

少しでも良いな、と思ってくれた方は感想やブクマ、評価など、よろしくお願いします!

よろしければ短編などもご覧いただけると幸いです

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