表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古の庭で  作者: 槍田歩馬
第二章 潜入編
PR
23/23

第20話 裏事情

「…で、あなた方には他の任務もあります」

と放課後、校長室で私たち三人は校長に言い渡された。

「まず始めに、佐倉先生は生徒として入っていただきます」

「「ええっ」」と佐野くんとハモる。

「これについては本人の承諾を得ています。あと、明日から()()()の大友リリとして通って頂くことになってます」

と校長が言った。

「そして御酒先生は()()()()として勤務していただきます。佐倉先生のクラスの担任です」

「はあ」

長田、という苗字は私が夫と結婚する前の旧姓だ。あまり良い思い出はないが、まあ仕方ないか。

「佐野先生は普通に過ごして下さい。」

「はいっ!」

元気よく佐野くんが返事をした。

「この異動はまあ雲雀ヶ淵の教員不足の解消も目的ですが、この件には毛利──千輪の会が絡んでいます。だから佐倉先生と御酒先生が妥当かと思い、選出しました」

と校長が言った。いつになく真剣な口調だ。

 まあ千輪の会が絡んでいるのなら瑠璃さんが対応せざるを得ないところもある。というか目的は瑠璃さんだろう。

 また、松本に会うことになるんだろうか。松本は前の一件以降、嫌い、というか嫉妬、というか…良い感情を持っていない。

「僕は?」と佐野くんが言う。

「おまけです」

「…はいっ!」

もうこの佐野くんは瑠璃さんが近くにいれば何でも良いんじゃなかろうか。そう思いながらため息をつく。

「私たちは、いつから?」と尋ねた。

「夏休み明けからです。よろしくお願いしますね」

校長はにっこり笑った。


「ねえ悠湖、この後、ちょっといい?」

校長が去った後、瑠璃さんが私に尋ねた。

「いいですけど…」

 教員寮に行く。部屋には段ボールが積んである。

「学校の近くに一時的に引っ越すことにした。まあ学生が教員寮っていうのもおかしいでしょ?」

と瑠璃さんが言った。

「…あの」

「見て見て、セーラー服!似合う?」

瑠璃さんははしゃいでいる。

「…あの!」

「うん、ごめん」

瑠璃さんはあっさり言った。

「悠湖のこと守るとか言ったのに、強制参加だね」

「…」

やっぱりか。この雲雀ヶ淵学園行きは、瑠璃さんを鶯川学園から隔離するためでもあるのだろう。

「…毛利の息がかかった人が居るんだって。そんなの、十中八九私を誘き出す罠じゃんねー…私はいいけどさ、悠湖を巻き込むことなくない?」

段ボールを意味もなく積み上げて瑠璃さんは言う。

「私は…明日から潜入だから、しばらくこうして自由にも会えないんだろうけどさ…言いたいことはそんなに無くて」

「はい」

「どうか…無事でね」

瑠璃さんが振り返った。

「…ただの異動ですよ」と私は言った。

「…そうだね」

瑠璃さんは小さく笑った。

「あとこれ、はい」と紙袋を渡す。

「何これ」

「十和のいらなくなった服…と追加でいくつか見繕ってあります。瑠璃さんの服はダサいので」

「えー…ありがとう」

瑠璃さんはやや不満げに、でも少し嬉しそうに受け取った。

「制服、どう?」

セーラー服を着た瑠璃さんは一回転してみせた。

「まあ、似合ってるんじゃないですか、()()()()さん」

「でしょ?」

 それが瑠璃さんが教師だった、とりあえず最後の日。

感想待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ