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古の庭で  作者: 槍田歩馬
第二章 潜入編
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22/23

第19話 クビ

第二章「潜入編」が始まります!

どうぞ引き続きよろしくお願いします!

 ある職員会議でのことだった。

「…よくもこの忙しい時期に有給取ってくれたわね」

と有給明けの瑠璃さんに校長が言った。

「有給は労働者の正当な権利ですよ」

と瑠璃さんは言う。

 それはそうだ。でも、中間テストと採点をすべてパスするのは良くない。皺寄せが全て私に来たのだから…。

「それはそうだけど…まあ本題はこれからなんだけどね。まああなたが休んでいる間に事情が変わりました。だから…」

「だから?」

「あなたクビね」

 えええー!!と職員室中にどよめきが広がった。私も驚きだし、佐野くんなんて校長に掴みかかった。

「どういうことですか…!」

「そうだよ田中ちゃん。ちゃんと説明しないと他の皆が有給取りづらくなるでしょう」

瑠璃さんは佐野くんを引き剥がして言った。

「あ、他人事と思わないようにね、御酒先生、あなたも関係する話だから」と校長がこちらを見て言う。

「ええ…」そんな、無職になるなんて、と半ば冗談めいて返す。

 校長はまあふざけた人ではあるが理不尽なことはしない。

 …え、そうだよね…?と少し不安になる。沈黙が長いよ…。

「言い方が悪かったね…まあ二人とも、異動ってこと」

「なーんだ、って…今の時期にですか?」

と私が尋ねる。

「ちょっとヘルプが来てね」

「…ということは、雲雀ヶ淵(ひばりがふち)ですか?」

 雲雀ヶ淵学園は、中高一貫校で、うちの学校──鶯川(うぐいすがわ)学園の姉妹校だ。偏差値はうちよりちょっと低い。あまり差がないようで、雲雀ヶ淵のほうが治安が良かったりする。まあ学費が違うのだが…。うちの娘──十和も行っている。

「教師が今年度に入ってから10人辞めたんですっけ」

「そうなのよ」

娘から少し話は聞いていた。今年いきなり10人の教師が辞めていったのだ、と。原因は()()にはわかっていない。が、娘曰く──


「かわいい妹の頼みじゃ、ね」

 そう、雲雀ヶ淵の校長は田中ちゃんの妹──結婚して苗字はちがうが、横田さんという人で、田中ちゃんより真面目ではある。そして田中ちゃんは妹さんに弱い。


「じゃあ、僕も連れていって下さい~」

と佐野くんが言った。

「御酒先生は僕の教育係なんですよ?だからいいじゃないですか」

これは絶対瑠璃さん目当てだ、と思った。でもふざけているようで、顔は真面目だ。

「そう言うと思って、佐野くんも異動です」

職員室が再びざわついた。

「一体何人送るんですか!?」

「それじゃあこっちが教員不足ですよ!」

「佐倉先生がどれだけ業務をしていると…」

と皆口々に言う。

「はい、だから大江先生が復帰されます」

と校長が言った。

「快く引き受けて頂きました」

おお、と歓声が沸いたが、でも一人か…という落胆も聞こえる。

「はい、皆さん頑張ってくださいね。私も教壇に立ちますし、ね?」

と校長が言って教員会議が終わった。

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― 新着の感想 ―
校長、、、言い方が心臓にわるいよ、、、
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