意外な共通点
頭が真っ白になり、思わず倒れ込みそうになる。いつの間にか移動してきた彼に肩を支えられる。
「大丈夫ですか?」
大丈夫なわけがない。人間を辞めた。現実に私の居場所がないかもしれない。
私は頭を横に振る。
「お気持ち察します」
私の気持ちなんて分かるはず無い。だって貴方は元々が狐でしょ? 狐を辞めてからその言葉を言ってほしい。
「実は僕も唯様と同じ境遇でして」
「え」
思ってもいない言葉に彼を見つめる。
「僕も人間でした。ある日、現実で狐を助けてしまってたのがきっかけです」
この人も人間……。私と同じ…。
私は彼の手を握って
「もっと詳しく聞かせてください! えーと…」
「名乗っていませんでしたね。僕は和樹と申します」
「和樹さん…よろしくお願いします」
和樹さんは下を向き、話し出す。
「狐を助けたんです。擬人化していない普通の狐を」
人の姿をしていない…? そんなことまでできるんだ……。
「その狐は重体で死んでもおかしくない傷を負っていたんです。僕は可哀想だと思って家で匿って応急処置をしました。僕は獣医を目指してたので」
彼は笑う。
「まぁ、今考えたらエキノコックスとか色々な危険性があるのに何してんだって話ですが」
襖がノックされる。
「すみません。話の続きはまた後で。行きましょう。」
もっと話を聞きたい。けど、しょうがないか……。
「どこに?」
「珠子様の所へ」
「え」




