第9話 ちょっと相談。
……それにしても、THE王子様って感じだな。エフェクトかかってんのかってくらいキラキラして見える!
イメージイラスト通り、透明感のある薄紫色の髪が上品で似合いすぎてる!
そういえば薄紫色の髪と、シルバーから薄紫色のグラデーションの瞳が王族特有の色だったな。
このこと、小説には書いてなかった気がするんだよなぁ。まぁフィン視点だと、王族は薄紫色が当たり前の世界だから、気にするポイントでもないだろうけど。
……というか、ウィルはなんで優雅にこんな所でお茶を飲んでるんだ?多分、ガレスとマティアスも同じクラスだろ?あの二人は……ガレスの勉強を見てる可能性が高いか。
それで暇だから、こっちに来た感じなのかな?
……だめだ。全然集中できない。
とりあえずと思って、ヘッド部分を作ろうと魔力を纏わせて形成してたけど、歪になっただけだ……。
んー……片手でやったのに魔力を薄く伸ばせなかった。そりゃそうだよなぁ。目の前に集中力を削ぐ人物がいるんだから!
「どうして片手で?両手の方が魔力をコントロールしやすいと思うけど?」
「……っ!俺、魔力量が多いみたいで、両手でやるより片手で魔力を纏わせる方が向いてるみたいなんです」
「へぇ。そんな話初めて聞いたよ。魔力量が多い人はみんなそうなのかな?」
「どうなんでしょう。エリオも知らなかったみたいなので、今後、そういった研究も出てくるかもしれませんね」
「エリオが興味をもったのなら、面白い研究結果が聞けそうだね」
……あっ。
どうせなら、このまま――
「あの、お話したいことがあるんですけど……出来れば内密に」
「……内密?」
「はい。本当はフィンに相談してからがいいかと思ったんですけど、ある意味フィンにも相談しづらいといいますか……」
「ん?フィンも関係がある……と?」
「そうですね……間接的に」
「そうか。……護衛は外にいるけど、聞こえてないから話しても大丈夫だよ。 では、聞こうか」
「……あの、俺……先日、前世の記憶を思い出したんです」
「……っ?!」
「この国では、前世の記憶がある人は国に報告する義務が、確かありましたよね?」
「……あぁ、そうだね」
「記憶を思い出したばかりなので、落ち着くために数日様子を見ていたんですけど、やっぱり早めに言うべきかと思いまして」
「なるほど。それはとても混乱したことだろう。よく話してくれたね」
「それだけなら、まだよかったんですけど……問題と言いますか……なんというか……」
「何かあったのかい?」
「……実は、前世でみんなのこと、特にフィンの事を知っていたと言うか……」
「ん?そういえばさっき、フィンに相談しようとしていたと言っていたね」
「はい。 前世で好きだった小説の主人公がフィンだったんです!」
「……ん?」
「侯爵家三男は『快適』に暮らしたいって言う小説があったんですけど、その主人公がフィンだったんです!魔導具を作りながら、マイペースにのんびりスローライフを謳歌する、三男の話で!仕事帰りに毎日読んでたんですよ!そう!日課になっていたんです!」
「ちょ……ちょっと落ち着こうか」
「あっ!すみません……つい」
「えーっと……。ちょっと追いつけないな。もう少し分かりやすく教えてもらえると助かるのだけど」
「あ、はい。すみません。いわゆる、前世で読んでいた本の世界に、俺は転生したようです」
「……ここが本の世界ということかい?」
「はい。読んでいたのがフィンが十九歳からの話なので、未来の本を読んでいた、と言うべきなのかも知れません」
「未来の出来事が書かれた本を、前世の君は読んでいた……と?」
「はい。でも……全部じゃないです。その小説はフィン視点だったので」
「……ということは」
「はい。フィンが転生者だと知っています」
第9話を読んでいただき、ありがとうございます!
ルカ、ついにウィルに相談しました。
また書けたら更新します!




