↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しは異世界で今日も『快適』に暮らしている。  作者: 西 悠希


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/10

第7話 同じお茶。



……。


え。難しいんだけど。


とりあえず、本棚にあった魔導具作りの基礎を読みながら、試しに失敗作の素材を使って形成してるけど……。全然均等に曲げられないというか、丸まらないというか……。


まさか、乾風《ブロア》の持ち手部分で、さっそく躓くとは思ってなかった……。力ずくで曲げた方が綺麗に曲がりそうだな……。


「あ、ルカ。それは魔力量をもう少し絞ったら上手くいくよ」


「……これでもかなり絞ってるんだけどね」


「そっか。……じゃあ、もう少し魔力の範囲を広げてみるのはどうかな?」


「魔力の範囲?」


「うん。魔力量は変えずに薄く引き伸ばすというか……。例えば今が羊皮紙だとして、レースくらいの薄さになるようにして、素材に魔力を纏わす感じ!」


「……なるほど?」


なんとなく分かったけど、それはそれで難しいと思う。

薄く引き伸ばしたら素材だけじゃなく、テーブルごと魔力を纏わせてしまいそうなんだよなぁ。


……あ。


これならいい感じかも。


「おぉ!ルカ、そんな感じだよ!でもまさか、片手でやるとは思わなかった」


「両手でやるから、魔力の出力が上がるのかなって思って、試しに片手でやってみたら半分の出力で出来た」


「いや〜普通、片手でやるのはすごくコントロールが難しいはずなんだけど……ルカの場合は、魔力量が多いから片手の方がやりやすいんだね!他の人もそうなのか気になるねぇ」


……エリオの顔が研究者の顔に変わった。

対象者が俺じゃないことを祈る!


「えぇーっと、次はー……」


小説では先に魔導回路を描いてるイメージだったけど、この仕様書を見る限り、部品を仕上げてから魔導回路を描いてるみたいだな。


「なぁ、エリオ。俺がイメージしてたのは、持ち手部分が出来たらそのまま魔導回路を描いて、次に他の部品を作っていくって感じだったんだけど、順番に決まりがあるものなのか?」


「あ、それね。人によって違うよ。最初に全部、部品を作る人もいれば、持ち手部分を仕上げてから、部品を作って、魔導回路を描いて組み立てるっていう人もいる。仕様書に書かれてるのは、生産する際の効率化で順番がそうなってたりするよ」


「なるほど。確かに大量に作る時、順番がバラバラだと大変そうだ」


じゃあ、俺はどうするかだけど……。

やっぱりそこはフィンが作る順番で作りたいよなぁ。


て、ことで――


「……。真っ直ぐ描けないんだけど……」


「ん?あぁ、そんなに押さえつけるようにしなくていいよ。部品に軽く触れる程度で。そうすると、綺麗に描けるんだ」


「あ、本当だ。真っ直ぐ描かなきゃって力が入り過ぎてたみたいだな」


「僕も最初の頃、力が入りすぎてペン先を折っちゃったことがあるんだよねぇ。魔導回路って、溝みたいになってるように見える時があったから、削る勢いで描いてた。でも実際は軽く触れる態度でいいんだよね」


「そうなんだ。確かに集中すると、余計に力が入ったりしそうだな。……力が入らないように……集中を途切れさせないように……。え。しんどい……」


「そんなに魔力を一気に使ってるわけじゃないのに、意外とつかれるよね?そんな時は、甘いもので休憩するのがおすすめだよ。あっちの棚にお茶とお菓子があるから、自由に飲んで食べていいからね」


そういえば、小説でフィンも途中でお茶の時間を作ってたな。

作中で描かれてた焼き菓子と、すっきりするお茶があったらそれを試してみたいけど……。お菓子とか茶葉の名前、出てなかったような気がする……。覚えてないな……。


あ。焼き菓子はある!

これがフィンの好きなやつなのかは分からないけど。


お茶は……五種類くらいあるな。どれがいいんだろ――


「この茶葉がおすすめだ。すっきりして、飲みやすい」


っ!!


フィンっ!!


ん?!って、ことは?!このお茶かっ?!


「……そうなんだ。なら、これを飲んでみようかな。ついでにフィンの分も入れようか?」


「あぁ、じゃあ頼む」


「分かった」


あぁー……びっくりした!

いきなり話しかけないで欲しい……いや、話しかけてくれるのは嬉しい!


でもびっくりしすぎて、もう少しで持ってた焼き菓子を落とすところだった……。


……。


「……はい。どうぞ」


「ありがとう」


フィンが席に戻るのを見送りながら、やっと一息ついた。


「……あ、美味しい」


確かにすっきりしてて、飲みやすいな。

酸味が感じられるお茶は苦手だったけど、これはどちらかと言うと、フルーティーな酸味というか……香り?って感じだな。


……やっぱり、これが小説でフィンが飲んでたお茶なのかな?


違ってたとしても、今!推しと!同じ場所で!同じお茶を!飲んでるんだから!最高だな!!



第7話を読んでいただき、ありがとうございます!

推しと同じお茶を飲めて満足した回でした。

また書けたら更新します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。