3月公式戦 家庭婦人大会 決勝戦 10
陽介はベンチに戻ったメンバーに、「皆な疲れてると思うけど、もう少しだから頑張って。相手も相当に疲れてるから。特にレフトエースは大分疲れてきてる。#1ヨシちゃんは、ストレートを狙ってアタックを打って!、それから、頑張ってボールを追おう!疲れているのは承知してるけど、せめて次の一歩を出さないと、今までの練習の意味がなくなってしまうから!、大丈夫、タイム明け1本サーブを切って二段トスだよ!サーブレシーブは、ナイスカットじゃなくて良いから!、さぁ、行こう!」と言って、円陣を組ませ送り出した。
主審のサーブ許可の吹笛。
蕨クラブの強いサーブが、永竹クラブに向かって来る。
バックレフト#13シズさんがレシーブ。サーブに押され乱れた。
バックセンター#3キーちゃんがそれを追って、ボールを上げた。
ハーフセンター#9井口ちゃんが、何とかつないで、蕨クラブにチャンスボールを返す。
蕨クラブは中衛ライトがオーバーパスでセッターに。セッターはBクイックを使った。
ボールは、ネットを揺らし大きく蕨クラブのコートに跳ね返った。自滅だ!
と思ったが、9人制のルールがそれを救った。ネットに触れたので、もう1コンタクト可能になり、ハーフセンターが、チャンスボールを永竹クラブに返した。
永竹クラブは、中衛例と#19イケさんが、セッター#18ユカちゃんにパス。#18ユカちゃんはライト#1ヨシちゃんにトス。#1ヨシちゃんは、フェイントした。メンバー全員「えぇぇ~!?」と叫ぶ。この場面でライトエースがフェイントするなんぞは、絶対にありえない。しかも決まればまだしも、あっさり蕨クラブのセッターに拾われた。
しかし、不幸中の幸い。蕨クラブはセッターが第一コンタクトをしたので、ハーフセンターがレフトエースに二段トスを上げた。
さすがに疲れの見える、若きエース。アタックに威力がない。
バックライト#6マメちゃんが、そのアタックをレシーブ。バックセンター#3キーちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
ネットから離れたトスを#1ヨシちゃんが打ち切れず、蕨クラブのバックレシーバーめがけ、ボールをはたく。
蕨クラブのバックレフトが、下がってレシーブしようとしたが、足がもつれて体にボールが当たり、そのボールは蕨クラブのコートの外に出た。
双方、肩で息をしている。ラッキーな1点。
永竹クラブ3-5蕨クラブ
永竹クラブのサーブは#18ユカちゃん。陽介が一番頼りにしているプレーヤー。
力強いサーブを打ったが、アウト。続いて第二サーブ。今度は安全に打った。
蕨クラブのバックセンターがレシーブ。少し乱れてハーフセンターがレフトエースに二段トス。
蕨クラブの若きエースの体力は、間違えなく落ちているが、必死にアタックを打った。
中衛レフト#10芦さんがレシーブ。ハーフセンター#9井口ちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんは、またもやフェイント。一応決まった。
永竹クラブ4-5蕨クラブ
しかし、永竹クラブの皆なは納得がいかない。一生懸命つないでライトエースにトスを上げているのに、弱気のフェイント。#9井口ちゃんが「えぇぇ~、もうぅ!」と吠えた。続けて#9井口ちゃんは「今のは、ヨシちゃんに言ったんだからね!」と付け加えた。
ベンチから、マネージャーの彩姉さんが、「ヨシちゃん、思いっきり打ってぇ~!」と悲鳴に近い声を上げる。皆な険悪な雰囲気だ。
その時である。レフト#2ヤマちゃんが、ベンチの陽介の方を見て「私にトスを持ってこさせて!、全部打つから!、いいでしょ!」と言った。
陽介は、コートのメンバーを見た。皆なそう思っているように見えた。「分かった。レフト#2ヤマちゃんにトスを集めよう!」と、ベンチの席を立って指示をした。
#18ユカちゃんのサーブが続く。早いサーブが蕨クラブのコートに向かった。
蕨クラブのバックレフトがレシーブ。セッターまで届かずハーフセンターがレフトエースに二段トス。
若きレフトエースのアタックを中衛ライト#19イケさんがワンタッチ。ハーフセンター#9井口ちゃんが、レフト#2ヤマちゃんに二段トス。#2ヤマちゃんは、2枚ブロックをぶち抜きブロックアウトをとった。
蕨クラブがタイムアウトを要求した。
永竹クラブ5-5蕨クラブ
陽介は、「ナイスプレー、ブロックのワンタッチも良かったし、二段トスもアタックも良かったよ!、疲れてるけど頑張ろう!」と言って、コートに戻した。この時あえて#1ヨシちゃんのプレーについては、触れなかった。
タイム明け、主審のサーブ許可の吹笛。
#18ユカちゃんのサーブが続く。
蕨クラブは、ハーフセンターがレシーブ。セッターがレフトエースにトス。
若きレフトエースは、疲れていても必死に打ち込んでくる。#1ヨシちゃんとは大違い。
永竹クラブはバックセンター#3キーちゃんがレシーブしたが、大きくはじいた。皆な追う気持ちがあっても、追うことは出来ない。
永竹クラブ5-6蕨クラブ
蕨クラブのサーブ。
鋭いサーブが永竹クラブのコートに突き刺さった。サービスエース。
永竹クラブ5-7蕨クラブ
蕨クラブのサーブが続く。
バックレフト#13シズさんがレシーブするも、はじかれてしまい、サービスエース。
永竹クラブ5-8蕨クラブ
蕨クラブのサーブが続く。早いサーブがバックセンター#3キーちゃんのところに来た。
#3キーちゃんは、何とかレシーブ。バックライト#6マメちゃんが、レフト#2ヤマちゃんに二段トスを上げるも、ドリブルの反則。3連続失点。
永竹クラブ5-9蕨クラブ
続く蕨クラブのサーブ。バックセンター#3キーちゃんが何とかレシーブ。
ハーフセンター#9井口ちゃんが、レフト#2ヤマちゃんに二段トス。
#2ヤマちゃんのアタックは、蕨クラブのブロックワンタッチで,バックライトがレフトエースに二段トスを上げる。
蕨クラブの若きエースは、永竹クラブの2枚ブロックに当てて、返って来たボールをバックレフトがフォロー。そのボールをハーフセンターがレフトエースにあらためて二段トス。若きエースはアタックを打ち抜いた。
永竹クラブ5-10蕨クラブ
この時、大会本部の役員達が、ザワつき始めた。




