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プラニア

ペディは、退屈なので馬車から森を眺めていた。耳を澄ませば、虫の声、小鳥のさえずり、木々も針葉樹ばかりではなく、広葉樹とさまざまに生えているのに気づいた。うっそうと生い茂る藪の中にも色とりどりの花がヒッソリと咲いている姿に心を癒した。車輪が枝を割り石を踏み、小川に着水する。その振動と音は、心地よかった。これがマルゲリータへの弔いになればと、心のなかで祈る。同乗した大佐は相変わらず緊張した様子で、本日の演説や、今後の戦況などを考えている様子だった。

道も開け、ほど遠い場所に山々がそびえ、その先がヴァル地方なのだが、目の前に見える広大な畑をただひたすら耕す農民の姿があった。我々が政治や戦争に明け暮れているさなかでも、ただひたすらに地道に生きるための食物を育てているのだ。この地に足をつけて生活する世をプラニアに広げるのが、清廉な心を取り戻すローゼリア主義なのだ。

ギロティーニュはどうか。ただひたすら高級フルーツを栽培させ接収し他の地方に輸出し、私腹を肥やしている。あの国を打ち倒さねば、プラニアをギロティーニュの植民地にされてしまうだろう。

しばらくすると山へ差し掛かる。斜面が高くなり、身体が上を向き、振動も激しい。後ろを振り返ると、エレナが箱を落とさないように見張っていたので安心した。それにしても、赤いドレスの部屋と同じ臭いが覆ってきた。辺りを見回すと腐った兵士ども遺体がゴロゴロ転がっていた。


あの者たちはどうするのか?

後々に回収いたしますよ。

まるで、物扱いだな。


ペディは虚しさを覚えた。政治家が糸人形であれば、彼らは小道具なのだ。そのイメージが頭から離れなかった。

峠も越え、ヴァル地方の山々に囲まれた平地を眺めていると、畑が踏み荒らされ、死体が転がり、家々が荒らされやられたい放題だった。民衆も何人も殺されたであろう。


酷い有様だな。

これが戦争ですよ。


エドガー大佐は何事もなかったかのように答えるので、ペディは静かに納得するしかなかった。しばらく、血なまぐさい正面の道を進み、ヴァル国の小さい広場へと到着した。

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