エドガー大佐
アルベルトやその部下たちがローゼリア国の兵士たちと宴を楽しんでいる時、ペディはローゼリア城の寝室でエレナを外に仕え、月の光と共に静かに過ごしていた。アルベルトのマルゲリータへの裏切りや、敵であるはずの少女マルゲリータの首を目の前で落としたことへの罪悪が、彼女を苦しめた。
ふとドアのノックがなったので、入れ!と応えると、エドガーが入ってきた。
こんな夜更けにどうしたのだ。
陛下の心中お察しします。
なら来るではないよ。
お話したいことがあってきたのです。
急にかしこまったので耳を傾けてやった。
陛下がアルデン国と交渉したのは存じております。
そのとおりだが?
これは、清廉なる人々の心を取り戻す我がローゼリア主義をプラニアに再興させる大きな一歩となります。
国を維持するためには仕方のないことだと思うのだが、どうしてそこまでローゼリア主義にこだわるのだ?大佐よ。
無礼を承知ですが、靴をお脱ぎください。
その無骨でかしこまった表情を信頼して、靴を脱ぎ、窓から光を反射させルビーのように輝く爪を露わにした。
この赤き爪。その色が人々の心を目覚めさせ、プラニアに平和と安定をもたらすのです。
もうよいか?
構いません。
ペディは改めて靴を履いた。
明日、ヴァル国へアルデン王とともにヴァル国女王の遺体を運び向かいます。その際には、ローゼリアの正装を身に着けていただきたいのです。
かつての赤いドレスをか?
左様でございます。では失礼します。
エドガーは颯爽にドアを閉め去っていった。
・・・政治は辛いな。ポツリとペディはつぶやき、靴を脱いで床に伏せた。




