汚い政略
だいぶ時間も回り、明るい星々が照らすひらけた道の先に門が見えた。
おい女、何者だ。
一人の兵士が剣を向けたのでエレナが、赤く輝くローゼリアの紋章を胸から垣間見せると、敬礼をして門を開けた。その山道の先の石垣にそびえ立つ、小さな教会のような建物が、アルデンの城である。正面の簡素な扉へ入り、火で灯された迷路のような薄暗い石造りの道の先の扉へ案内された。立派なアルデンの紋章が刻まれているが、ところどころが朽ちている。その扉を入ると寝室のようだが手狭な部屋のテーブルへ案内された。
正面の幾分か豪華な椅子に座るのがアルデン国の王、アルベルトであった。金色の髪で青い目をした屈強で顔立ちのいい青年で、質素な軍服を身に纏っていた。
さぁおかけください。
ペディは用意された同じく豪華に見える椅子に座ったが、幾分かかび臭く感じた。エレナは裸足のまま、ペディの脇に上品に立っていた。
こんな夜更けにご足労だったな。
こちらこそ申し訳ない。
ローゼリアの女王が直々に何用なのか?
私と手を結んでほしいのだ。我がローゼリア主義をプラニアに広めようではないか?今は一刻を争う。
ローゼリア主義、詳しく聞かせて聞かせてはくれないだろうか?
アルベルトの青く光る目の奥に、ペディの肉を求める強い意志を感じられた。エレナを外へ出すと、ペディはアルベルトにベッドにエスコートされ、座らされた。彼は、ペディの前に跪き静かに両足の靴を脱がせ、その小さな足を優しく両手で持った。
これがローゼリアの美しい薔薇の爪か。この目で見ることができて、光栄だよ。
アルベルトは鼻に近づけて、その汗で汚れた薔薇の香りを十分に堪能した。その後、足裏を優しくもみほぐし、しばしその静かな時を過ごした。彼はその美しい足に、ペディの清廉さを見いだしてしまったのだ。
気が済んだか。
美しい薔薇であったよ。明日の戦況は期待してくれていい。部屋は用意してあるから、楽にしてくれたまえ。
ペディはエレナとともに一晩を明かした。就寝前、エレナにうまくやりましたね、と呟くように言われたので、可愛らしくウインクをした。




