敵情把握
敵を知り己を知れば百戦危うからず
どこの国から出てきたのかも分からないそのことわざをエドガー大佐も当たり前のように知っていた。
エドガーは、ペディ女王陛下、ニコラ少佐、その他数名の上級士官を執務室のテーブルへ招き、一堂に介した。エレナは側に立つ。ここで、エドガーが口を開く。
女王陛下含め、諸君らをここへ集めたのには、これから起こるであろうギロティーニュ攻略のための、作戦を共有したいためだ。
よろしく頼むぞ。
早速だが、広大な平野に城を構えるギロティーニュは、東は海、南は巨大な湖に囲まれているため、それが大きな防壁となって迂闊には攻められないのだ。
ふむ。
それに、弱小のリベル・エルヴァもあまり頼ってはおれない。また、アルデンも、西から来る勢力の牽制に力を割いているため、協力を願うことはできない。
南はどうなっておるのか?
攻めようというのならそれは無理だ。言っているように、平地であるがゆえにどこから攻めても、大量の軍勢に追いやられるだろう。それに、相手にどれだけの体力があるか分からないなかで仕掛けても、こちらが持たない可能性がある。
では、どうしろというのだ。
今は我慢の時である。時が来れば、ローゼリアを一気に進軍させ、戦争を忘れたギロティーニュ兵どもをあっと驚かせ、海から北から一気に奇襲をかければ、ギロティーニュを落とせるかもしれない。
だいぶ楽観的ではあるが、かけてみるのもよいな。
その時に備えて、戦力を増強させてほしいのである!以上だ!
要はまだまだ、ギロティーニュを落とすなど夢のまた夢なのだ。ペディはそう理解した。ただ、いつ起こるか分からない生きるか死ぬかの決戦を前にして、せめて父にだけはもう一度会いたくなった。




