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最初で最後の異世界人生

まだ死なぬ




まず地に足が触れる感触がした、そこから徐々に蘇っていく身体の感覚、足から腰へ、腰から肩へ、

肩から指先そして頭へと、全ての感覚を取り戻した身体の中から浮かび上がる意識。


私は……。



「ここが異世界……?」

ゆっくり目を開くとまるで西部劇でもやってそうな木造家屋立ち並ぶ光景が視界いっぱいに広がっていた。


ワクワクする心を一旦落ち着けて身体のそれぞれに意識を向けてしっかりと動くかを確認する。

何処かに痛みが走るという事も無く身体を捻ったりしてみても何とも無かった。身体のサイズ以外は。


ぷにぷにのお肌にツヤサラの髪の毛、若干丸みを帯びた肢体、ほんのり膨らんだ小学生サイズのお胸!

つまり私は若返ったのだよ!



まず異世界転生モノでよくある(と思ってる)のが、記憶を引き継いだ状態で生まれてくる人生最初からのパターン、ある程度成長してから思い出す人生途中からのパターン、そして前世の肉体をある程度弄ってそのまま流用するほぼ自分自身のパターン、そして今の私は前世の肉体を流用、若返った状態で転生したのだ!いやぁ若い身体っていいわぁ〜、ついつい小躍りしちゃうね♪



そんな私を町中を歩く人達がこちらを変な子でも見るような目で見てくるけどそこまで気にする必要も無いのでスルーする方向で。あ、ダジャレ違うからね?



「えーと、まずは…、スマホ出ろ!」

私がそう言うと前世で何年も愛用していたスマホがポンと出てきた。パールホワイトのボディに日光が反射して眩しいぜ。



とりあえずカメラを起動して目の前に広がる景色をパシャリと撮影する。


「転生1日目を記念してもう1枚、っと」

後ろの景色も撮影する為に振り返るとそこには薄い茶髪に若干つり目気味の少年が突っ立っていた。


「おい、おま…「はいチーズ」…うぉ!?」


なんとなく少年を1枚パシャリ、その時に発生したフラッシュに少年がびっくりしてしまって変なポーズの写真になってしまったけどまぁいいか。



「それで私に何か御用でも?」

いまだにびっくりして固まってる少年に話しかけるとようやく復活したようで私と私の手にあるスマホに交互に視線を向けてから私を睨みつけてきた。


「お前今何したんだ!」

「何って、写真撮っただけだけど?ほら」

怪しむ少年にさっき撮った写真を見せてあげるとこれまたびっくりしちゃってスマホの画面を凝視している。


「なんなんだこれ……?」

興味津々にスマホを眺める少年、スマホを右にやると少年の視線も右に、左にやれば左に。犬かな?



「ほ〜ら取ってこーい」

試しにスマホを投げてみると案の定少年が追いかけて行った、まぁわざわざ壊したくは無いから地面に落ちる前に手元に呼び戻すんだけど。


「消えた!?」

今まさにキャッチしようとしていた瞬間に少年の目の前で消えるスマホ、あら不思議、投げたスマホは何故か私の手の中に。いやぁ、不思議だねぇ。


「ほらほらこっちだよ〜」

呼びかけに反応した少年は私の手にあるスマホを見てギョッとしている。

リアクションいい子は私好きだよ、やっぱり見てて楽しいからね。



「…お、お前、魔術士なのか……?」

何故か恐る恐る聞いてくる少年。

あぁそういえば魔術使えるの基本貴族とかだっけ、つまり今のが魔術に見えちゃった訳か。なるほど。

まずお貴族様ならこんな所に1人でいるわけないと思うけどね。


「違うよ、これは魔術じゃないからね。あ、貴族でも無いから安心していいよー」

私が貴族じゃないと言うと分かりやすく少年が安堵の嘆息をはいた。

どうやらこの世界では魔術使える=貴族の構図が完全に出来上がってる様だ。



「そんな事より少年、結局君は私に用があるの?ないの?」

少年もある程度落ち着いた所でようやく本題に入る。

え、ここまで引き伸ばしたのお前だろって?ハッハッハ、なんの事やら。少年いじりが楽しいのが悪い、つまり原因はこの少年にあるQED(証明完了)。



「え…、あ、そうだ、お前何処から来たんだ、親はどうした?」

「?」

意味が分からずつい首を傾げる。

「だから親だよ親、お前の。迷子だろお前?」

おぉぅ、まさかの迷子扱い!?私迷子に見えてたの?解せぬ。


「私のどこが迷子に見えるっていうの」

私がちょっと拗ねる様に言い返すと

「俺の妹くらい小さい、さっきからキョロキョロしてて落ち着いてない、変な道具持ってる、あとそんなキレイな服着てる子どもが普通の平民なわけない。つまりお前はそれなりに良いとこの迷子だ!」


ビシッとポーズまで付けてドヤる少年。

でも私そんな良いとこの子じゃ無いからね?あえて言うなら生後十数分の異世界人だからね。あ、でも迷子は合ってるのかな?異世界迷子的な。


「うーん、そう考えると迷子……なのかな?」

「ほらやっぱり」

自分の推理が当たったのが嬉しいのかちょっとご機嫌な少年が私の手を取る。

「じゃあお前の親探しに行くか。あぁそうだ、俺はライルって言うんだ、よろしくな」

「ライルね、よろしく。私は希だよ」

「ノゾミだな、ここはまだ人が少ないからな、すぐに見つかるから安心しろよ」


私の両親異世界にいるんだけどって言ったらどうなるんだろね?

まぁこのままライルに町の案内でもしてもらえばいいかな?別に今すぐ言わないといけない事でも無いし。



「ねぇライル?」

「なんだノゾミ」

「ここなんて言う町なの?」

「オスカーって言う町だ、まだ完成してないけどな」

「ふーん」


私達は見つかるはずの無い私の親を探して歩き出した


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次話くらいで希死にます(たぶん)


評価コメント等ありましたらよろしくお願いします(たぶん来ない)


それではここまで読んでいただきありがとうございました!

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