ーその望み、この私が叶えて差し上げましょう!ー
続け
私の名前は金江 希、何処にでも居そうな女子高生(卒業式待ち)だ。
結婚前の苗字お母さんが金山でお父さんが江藤、だから合わせて金江、そこに私が生まれて「この子の望みが叶いますように」という意味で希と名付けられた。望みだと字面的に変な感じがするからね。
そしてこの名前のおかげでいろいろと拝み倒されるのですよ、「大学受験に受からせてください!」「就職の内定ください!」「宝くじでお金持ちになりたい!」、私にそんな能力無いからね!?
ていうかそんな能力あるなら私がお金持ちになりたいし!!そして本とゲームを買い漁るのだ!!
そんな今の私のマイブームはこれ!『異世界転生』!
異世界転移も良いけどどっちかと言われたら私は異世界転生を選ぶ、生まれ変わって知識チートに異能力無双、悪役令嬢になってハッピーエンドルートに歴史改変、心躍る物語が沢山!
卒業式まで授業も無いので今日も本屋とゲーセンに通い、帰りにネット小説で転生モノを読みながら歩くそんな毎日。
とりあえず信号機が赤になったので立ち止まる。
(異世界転生してみたいなぁ)
転生モノを読んでるとそんな考えが浮かんで来てはやっぱり無理だよねぇ、とか思いながら信号が変わるのを待ってると
ーその望み、この私が叶えて差し上げましょう!!ー
いきなり頭の中に大声が響いて来て痛む頭を抑えしゃがみこむ。
そんな私に強い光が当てられてそちらを向くと車体に大きく異世界行きと書かれた車が突っ込んで来ていた。
身体が宙を飛び 意識を失う直前、私が見たのは笑顔で車を暴走させる女の子の姿だった。
ーーーーーーーーーーー
「……ここは…」
目を覚ました私がいたのは一面真っ白な四角い部屋、出入口は見当たらない。
「ようこそいらっしゃいました金江 希さん!それじゃあさっそくいせか…あだだだだだだだだ!?」
部屋の中にいきなり現れた見覚えのある女の子、さっき車で私を跳ね飛ばした張本人が満面の笑みでノコノコと近づいてきたのでプロレス漫画で見たことある結構キツめの関節技をキメてあげる。
え、なんでそんな技が使えるかって?漫画で見た技とかついつい練習したくなるでしょ?かめ○め波とかゴム○ムのピストルとかいろいろ、だから私は関節技が使える、はい証明おわり!
「いたいです!いたいです!離してくださいお願いしますなんでもしますからぁ!!」
ん?今なんでもするって?それなら仕方ないから離してあげよう。
「……はぁ…、金江 希さん!いきなり何するんですか痛いじゃないですか!?」
関節技から解放された女の子が足腰ぷるぷるさせた産まれたての小鹿状態で私に文句を言ってくる。
人1人跳ね飛ばしといてごめんなさいの1つも無しですかそうですかぁ……
「もう一度してあげましょうか?」
にっこりと目のハイライトだけ消して女の子の頭を撫でると勢い良く首を振って拒否されたので仕方なく止めて上げる事にした。
まぁとりあえず
「ここが何処か教えてくれる?」
ーーーーーーー
「…はぁ、そんな理由で私は轢かれたのか…」
私がため息を吐くと足元で正座している女の子もとい若葉マーク付きの神様がビクッと反応する。
神様から聞いた私が轢かれた理由を簡単にまとめると、この神様は転生系の部署?に所属していて今年分の転生ノルマが達成出来ずに焦っていた、そこに丁度よく転生したいなぁと考えてた私を見つけ、本来しなければならないチェックなどいろいろ全部すっ飛ばして跳ね飛ばしました、という訳。
もちろんここにいる時点で私は死んでるわけで、残ったルートは転生するか天国行って輪廻転生の順番待ちかのどっちかだけらしい。
生き返れないのかと聞いたら私が目を覚ますまでの間に肉体は火葬されてしまいましたの手遅れ状態、どうしてこうなったのやら。
まぁここまで来たら腹を括るしかないよね。
「ちゃんと転生させてくれるの?」
「え!?」
「転生するから今度は手順飛ばしたりしないでちゃんとやってくれるの?って聞いてるの」
「はっ!はい!!全身全霊全力を持ってやらせていただきます!!」
さてと、なるべく好条件もぎ取って異世界転生しないとね。私はなるべく楽して生きたいのだよ。
「それでは異世界転生について説明させていただきます!まずは金江 希様が転生する世界はこちらになります!」
神様の横に大型テレビ位のスクリーンが出てきて映像を映し出した。
「こちらの世界では金江 希様の世界で言うところの魔術が存在する世界となります!」
魔力チートとかできるかな?
「例えばどんなのがあるの?」
「はい、一般的に普及しているのは魔道具と言われる物で実際に魔術を行使するのは俗に言う貴族やそれに準ずる者になります!市民も魔力を持ってはいますが魔術を習う事が出来るのは貴族等のみになります!上位の者であればクマすら一撃で倒せる魔術を行使可能です!」
クマを一撃ってかなり凄いんじゃない?でも貴族にならないといけないんでしょ?うわめんどくさ。
「とりあえず私が貴族にならなくても魔術使える様にできる?」
「可能ですはい、市民達が魔術を使えないのは術式、つまり使い方を知らないからというだけですので大丈夫です!」
「ふむふむ」
「他に何かありますでしょうか…?」
「そうね、とりあえずその世界でもスマホが使える様に出来ない?充電不要、絶対壊れない、ネット回線も万全の状態で念じたらすぐに手元に現れる様にして。どうせその世界ネットとか無いんでしょ?」
「ネットは……はい、ありません」
「現代人にネット無しはキツいからねぇ、あ、あと地図アプリとかでその世界の情報が分かるようにもお願いね」
「…はい」
「あとはそうね……、超能力とか使える様に出来ない?異世界転生と言えば異能力とか超能力が定番だものね!」
「あの……金江 希様……、申し訳ないのですがそろそろ予算が……」
「え?異世界転生って費用かかるの?」
「はい……、まだまだ新米なもので予算もあまりもらえないのです……」
「神様の世界も世知辛いわねぇ…、まぁ予算がないならしょうがないか」
「すみません……」
「それじゃあ私からの要望は『その世界の魔術が全て使える様になる』『万能スマホ』『超能力』で、終わり。予算は足りそう?」
「えーと……はい!ギリギリ大丈夫です!」
お願い事三つでもギリギリなんだ……、頑張って予算増やすのよ神様。
「な!?なんで頭を撫でるんですか!?それにその生暖かい目もやめてください、私子供じゃないんですよ!?神様なんですよ!?」
あ、これやばい、めっちゃ撫で心地いい、やめられない止まらない。ハァハァ。
「やめてくださいってばもう!!」
「ねぇやっぱりもう少しだけ……」
「ダ!メ!です!」
最後にもう少しだけなでなでしようとしたら全力で避けられた……、そんなに逃げなくてもいいじゃん……。
「コホン……、えー、では金江 希さん 心の準備は大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」
「それではいきますよ!てやっ!!」
神様の可愛らしい掛け声と共に私達の間に複雑そうな紋様の魔法陣っぽい物が現れる、あとはこれに飛び込むだけで私の異世界生活が始まる。
深く息を吸いゆっくりと吐き出し覚悟を決める。
「ふぅ……、じゃあ行ってきます!!」
魔法陣っぽい物に飛び込むと身体が沈むように消えていき、私の意識も真っ白に染まった。
「行ってらっしゃい金江 希さん、あなたのこれからに幸多からんことを」
消えゆく魔法陣っぽい物、それが完全に消えるのを見届ける神様、そして魔法陣っぽい物は完全に消え去り神様はその場を後にする。
その後誰も居なくなった真白の部屋は用は無くなったとばかりにその存在を消した、元々何も無かったかの様に。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
まともに書けないのにまた増やしたのか状態の冬歌です。
当分は今作とTFWの更新のみになるかもです、あくまでなるかもですからね。
それではここまで読んでいただきありがとうございました!!




