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13話:魔王決戦

2日後…。

闇の魔王・ダークと、光の魔王・ライトは、ライトの居城「天空城」に乗り、土の魔王・ランドの居城へ向かっていた。

「ダーク、貴様は、怖くないのか?」

「何がだ?」

「これから起こる戦闘が、だ。最悪、私達は死ぬかもしれないのだぞ。死も恐ろしいが、問題はその先だ。私達という抑止力が無くなったら、他の魔王は人間を滅ぼしにかかるだろう。それが…怖い。」

「ガハハ、俺には跡継ぎが居るからな。そんな事恐れる訳が無いだろう。お前も後継を探しておくべきだったな。」

「…くっ、確かに一理あるな…。この日のために準備をしてきたつもりだったが…確かに、勝つための準備はしたが、負けた時の事は何も考えていなかった…。失策だったな。」

「まぁ、いい。その必要を無くせばいいだけだからな。」

二人はそこまで会話を交わすと、窓の方向を見た。

目的地が見えてきていた。「岩石城」。

緊張が走る。



『…これを、持って行って下さい。困った時に、ダーク様の助けとなるはずです。これを、私だと思って…。大事にしてくれると嬉しいです。』

そう言って渡された黒い塊をダークは見る。これを見ると不思議と恐怖は無くなっていったのだった。

ダークは、溜息をついた後、目を瞑り、塊を懐にしまう。



「向こうからもこちらは認識されている筈だ。速攻で攻めるぞ。」

「おう、了解!」

「行くぞ、我が下僕(しもべ)達。出撃だ!」

ライトが出撃の合図を出す。

「お前らも行くぞ!全力で暴れろ!」

続けてダークも進撃の号令をかける。

「うぉぉぉぉ!」

「がぁぁぁぁ!」

二人の連れてきた精鋭達、その数合計で30程。人間程度が30人ではない。一人でも村一つ、その気になれば潰せるような力を持った者が30体だ。これには土の魔王軍も対応できなかった。

「ゲハハ…お前、中々やるじゃねぇか。」

「其方こそ、流石、闇の魔王軍の隊長なだけはあるな。」

光の魔王軍・隊長『閃光のレイ』。闇の魔王軍・隊長『漆黒のジャズ』。二人は、互いの背を預け合い、襲い掛かる雑兵達を薙倒していった。

人間との戦争に兵力を傾けた土の魔王軍に、抵抗できるだけの力は残っていなかった。


そして、敵本陣に乗り込んだ魔王二人。

「ぐぅ…。貴様ら…相反する魔王二人が、手を組んだというのか…。」

土の魔王・ランドは、二人の魔王を前に、狼狽えていた。

「手を組んだ…か。まぁ、一時的にな。互いの目標が丁度一致しただけの話だ。」

「第一、な。お前、俺が散々警告したのに、それを全部無視しやがって。人間と戦争なんて、やめるべきだと、何度も言った筈だ。」

「はっ、あのような警告で吾輩が侵攻をやめるわけがなかろう…。人間どもなど、我々にとってはゴミに等しい存在。それをどうしようと、文句を言われる筋合いは無いわ。」

「お前…本当に性根が腐ってるんだな?」

ダークは腕を振りかぶると、【黒い一撃】を放った。

「ぐぉっ!」

まともにその一撃を喰らったランドは、よろめき、倒れ込む。

暫しの沈黙。

「…」

「どうした?」

「何か…」

地響きのような音が…

「不味い!躱せ!」

ダークは音の正体に気付き、咄嗟にそう叫んだが、遅かった。

「…カハッ…!」

「ライト!」

地面から突き出た岩が、ライトの身体を貫いた。

「クク、先ず一人。…ここは吾輩の本拠地であるぞ。例え魔王二人が乗り込んで来ようとも、分の悪い勝負などでは無い。我が本軍を戻すまでもなく…貴様ら全員、殲滅してくれるわ。」

「クソ…」

ダークは怒りの表情を見せる。ライトの身体は岩に引っ掛かり、垂れ下がっている。

「すまない、フウカ…俺は帰れないかもしれん。」

ダークは懐から黒い塊を取り出す。そして、それを見つめると、怪訝な表情を見せる。

「困った時に…?」

そして、塊に割れ目がある事に気付く。その割れ目から、塊を二つに割る…

黒い煙のようなものが噴き出す。その煙は、次第に纏まり始め…

「ダーク様!ふふふ、困っていますね?助太刀です。」

煙の正体は、そう、この私、フウカだ。

13話です。

この物語は、全てフウカ視点で話が進んでいきます。

今回の話はそれを利用したトリックです。ナレーターはフウカだったという。

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