12話:企み
まず…
この世界でも、ステータスパネルは普及していないということ。
闇属性には回復魔法が本来無いらしいということ。
私のLvが最初から999であること。
この辺りが、私の特異性、アドバンテージであろう。これらを活かして、人間と魔族の戦いを終結させるのが使命だ。
そういえば、この世界にも神の使いがいるはずだが、まだ接触していない。出会えれば、何か有力な情報が掴める可能性があるだけに、未だ現れないのが少し残念である。最も、まだこの世界に来て2日くらいしか経っていないが。
そして、スキルを確認する。
【SKILL▼】【変形 Lv.54/100】
【飛行 Lv.2/3(ポイント強化不可)】
【吸収 Lv.1/1】
【黒雲 Lv.100/100】
【雷撃 Lv.100/100】
【豪雨 Lv.1/100】
【暴風 Lv.1/100】
雷撃以外の2つの攻撃魔法も、黒雲の派生で入手した。一旦は、雷撃があるので、他2つはLv.1のまま保留してある。
【変形】はよく使うため、Lvが自然に4上昇していた。キリが悪いので、Lv.100まで上げようとする。ところが、Lv.75まで上げた所で、スキルが派生可能になった。ここで一旦止めておく。そして、派生させてみる。
【SKILL▼】【分身 Lv.1/3(ポイント強化不可) New!】
「えっ…!」
まさかの、分身。
私はすぐに、分身に詳しそうな人物に連絡を取った。
「もしもし、スーさん!」
「フウカか?どうした、助けが必要か?」
「えーと、助けってほどの事では無いんですが。【分身】ってあるじゃないですか。」
「あるな。それがどうした?」
「【分身】、私にも出来そうなんです。ただ、分身でどのような事が出来るかが分からなくて…スーさんなら詳しいかなって、思ったので連絡させてもらいました。」
「【分身】、か。確かに、不定形生物のフウカなら習得出来ても不思議ではないな。分身には3段階あって、1番簡単なのが、『兄弟分身』。僕が渡した通信用分身体もそれだ。自分と同じ意思を共有する、体の一部を複製するようなイメージだな。何体でも作れるが、総エネルギーに上限があるのか…あまり強力な分身を作り過ぎるとそれ以上作れなくなる。そして、本体がやられたら分身体は全て機能を失って、終わりだ。次に簡単なのが、『親子分身』。これは一番よく見かけるかもしれない。スライムにとっては、自分の子孫を残す唯一の方法だ。自分と意思を共有しない分身体を生成出来る。回数を重ねる毎に本体…自分がそのぶん弱体化するのが難点だが。そして、最も難しいのが『同位体分身』だ。これは僕にもまだ出来ない。これは、殆どは兄弟分身と同じだが、決定的に違う点が2つある。一つ目は、一度に1体しか分身体を作れない、さらに、自分の全機能を持ったものしか作れないこと。2つ目は、どちらかが死んでも、もう片方が生きていれば生き長らえられること。ただし、どちらかがやられた時点で自分は元の半分程度まで弱体化する。以上の3つが、分身だ。」
「なるほど、把握しました。」
「まぁ、分身を覚えて最初に使えるのはまず間違いなく兄弟分身だろうな。分身出来たら僕にも見せてくれよ、今から目を用意するから…」
「はい、ちょっと、やってみますね。」
「よし、視えるようになった…って、狭くないか?ここ…」
「狭いところが好きなんです、仕方がないじゃないですか。」
「あー、気体だからだな。僕も、液状になっても受け止めてくれる容器で寛ぐことがあるから、その気持ちは分かるよ。」
「分かってくれますか。ありがとうございます。」
「それで?分身は作れたのか?」
「…おっ、こんな感じでしょうか?」
「そうだ!本当にできたな。感心した。」
「ありがとうございます、スーさん。」
「よかった。じゃ、また何かあったら呼んでくれよ、待ってるからさ。」
「はい、分かりました。」
何故、分身が使えるようになった事で、ここまで騒いでいるかというと…ある企みがあるからである。早速、目的を果たすため、部屋を出て、私が誕生した、あの研究室へ向かった。
12話です。
次回…




