41 再開
1日宿で休み、今は<死者のカゴ>に向かっている。
元凶は消えたものの、全ての被害者のシオンは解除できていないため、炎のカゴはまだ健在だ。いくらかマシにはなったのかねえ。
感慨にふけっていると、少し先にリリィとガルーダが見えた。
「お、やってるな……おーい、リ」
大 爆 発
突然リリィたちが立っている位置で炎があがる。
空気がビリビリと震え、鼓膜を叩く。
「くっ……そ! なんだ!?
おい、リリィ!!ガルーダ!!」
急いで2人がいたであろう場所に走る。段々爆煙が晴れていく。無事か!?
「あ、ユウタさん! お久しぶりです!」
「ん? おお、ユウタか。1週間ぶりだな。
どうした? そんなに焦って。まさか、クリスタル回収をしくじったか?」
「……魔法の練習だったとかそんなオチだろどうせ」
小首かしげるんじゃねえよ。俺の一瞬の心配を返せ。
この怒りは溜息と一緒に捨てよう。
──
ガルーダの家に入り、お互いこの1週間の報告。
2人の特訓はかなり順調らしく、さっきの爆発が最終試験のようなものだったそうだ。魔力上昇、使用できる魔法の種類が増え、知識も更に積み重ねたらしい。
俺の話では、グラストミアとの共闘という部分がやはり印象的だったようだ。リリィなんかは
『実は良い人なんじゃ……』
とか言い出す始末。それに関してはノーコメントで済ませた。まだあいつの本心がわからないからな。
その後は俺の経緯。今までリリィに話していなかったことが不思議だが、この機会に話せて良かった。
そして魔法の話。俺には確認しなきゃならないことがあった。
「なあガルーダ」
「どうした」
「この世界に、死者を蘇らせる魔法ってのは存在するのか?」
ガルーダの表情は苦しそうだ。お師匠さんの件からそう時間は経ってない。嫌な思い出だろうな。だが俺は聞かなきゃいけない。沙由里と本当に逢えるのか。それを知らなきゃいけない。
「率直に言おう。死者を、生前の状態に完全に修復する魔法は」
心臓が早まる。汗が頬を伝う。
「無い」
頭を重い物で殴られたような感覚。呼吸が一瞬止まり、すぐに過呼吸のようになる。
嘘だ。だってあいつが、言ってたんだ。
もう一度逢えるって。蘇らせるって。
じゃあ、あいつが言ってたことは……この世界に来る前のあいつの言葉は……
「だが、魂の定着は可能だ」
「どういう……意味だ…………」
ガルーダの言葉に疑問をぶつける。声は出ていただろうか。喉が乾いて仕方が無い。
「死んでから3日以内に魂を他の入れ物に移し変えるんだよ。1度肉体を離れた魂は、2度と同じ肉体に戻ろうとはしない。あとは消えるのみだ。
だが、魂が肉体から分離してから3日間、魂は入れ物を探す。当然、魔法による手助けが無ければ肉体への定着は不可能だがな」
小さな、本当に小さな希望。同じ容姿じゃなくても、沙由里に逢えるかもしれない。
あの男が俺に魔王討伐を持ちかけたのは、沙由里の死から1日後。大丈夫だ。沙由里の魂は、この世界にいる。
「貴様の話に出てきた男、平行世界の移動を為したとするなら、相当な実力の魔法使いだ。魂の定着ができても不思議は無い」
魔導師のお墨付きだ。間違いないだろ。
そうでも思ってなきゃ、やってられない。必ず、沙由里ともう一度。
魔王と、あとは嘘をついたあの男は絶対潰す。
「良かったですね、ユウタさん!」
「そっ……か…………良かった…………
…………ホッとしたら腹減ったな……
ってリリィ、お前が泣くなよ……」
俺の経緯とガルーダの話を聞いている間ずっと泣いていたらしい。リリィの袖がびしょびしょだ。
顔もぐしゃぐしゃになってるし。
「それで? もう行くのか」
「ああ、善は急げだ」
「ガルーダさん、短い間でしたがありがとうございました!」
目標達成は、もう目の前だ。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
なんとなく終着点が見えてきたような今日このごろ
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
勇太からすればここからが本番って感じでしょうか。
リリィとガルーダの修行回は特に予定していませんが
気が向いたら短編にするか、Twitterにショートストーリーとして投稿しますので、そちらの方もよろしくお願いします。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




