39 提案
ケルベロスは夜目が効くのか、こちらの位置を正確に把握しているようだ。あれもクリスタルの力か?とにかく、グラストミアが不利なことに変わりはない。死にゃしないだろうが、万が一ってこともある。
「グラストミア、援護に回れ」
「やだ。あいつは僕が潰す」
このわからず屋め…………仕方無え、援護に……
「! 避けろグラストミア!」
「もう遅え!!!」
ケルベロスの爪がグラストミアの背を抉る。
短い唸り声を上げ、倒れる。
手のかかる奴だなちくしょう……!
こうなれば、秘技!
「くらえっ!」
「いって、いってえ!! テメェッ……!
目潰しなんて卑怯なマネしてんじゃ……!
いいいいってええええええええ!!!」
喚いてる間にいっぺん逃げさせてもらうぜ。
グラストミアを抱え、地面を蹴る。
────
──
これでしばらくは追いついてこねえだろ。
さて、グラストミアは……
「余計なこと……しないでよ……!」
「はいはい、黙って服脱げ」
「こんな時に盛るなんて……馬鹿か……」
「馬鹿はお前だ。手当てに決まってんだろうが」
案外元気そうで良かったよクソガキめ。
溜息をつき、渋々といった様子で服を脱ぐのを眺める。華奢な体、病的なほどに白い肌。暗闇の中でもわかる。その背には黒い4本の線。そんなに深くはないな。水で洗って、布当てときゃ平気だろ。
「よーし、水ぶっかけるから、舌噛まないようにこれでも噛んでろ」
「君の服の袖……ばっちいなあ……んぐ」
ばっちくない。結局噛んでるじゃねえか。皮肉が言えるなら、容赦はいらねえな。
「んじゃ、いくぞー。ほいっ」
「っぐ! 〜〜〜〜っ!!」
こいつにもちゃんと痛いとかあんのか。意外。布噛ませといて正解だな。
手早く水を拭き取り、布を巻く。
「お疲れさん」
「ううー……いった…………
もうちょい優しくやれよな……」
「お前がここまでのけがを負うこと自体想定外だっつうの。
……やっぱクリスタルの力ってすごいのな」
不機嫌なのか、反応も返さずに服を着ている。
さて、これからどうすっか。グラストミアは本調子じゃねえし、相手の出方もよくわからん。俺だけで倒せるとは思うが、絶対こいつ納得しねえし……むしろ怒るし。
うーん……よし。
「なあグラストミア、一芝居打たねえか?」
「は?」
魔王軍で遊ぼう。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
ケルベロスがかなり良いキャラしてることに今更気づき、ああ使い方勿体無かったなあと若干の後悔。
だがそれもまた一興! 楽しいです!
グラストミアも良い味出してます。どうぞご贔屓に。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




