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36 巨人の森

寒い。すっごく寒い。なめてた。

最後のクリスタルは<巨人の森>というところにある。

ギルドマスターが相当寒いとは言っていたが、ここまでとは……

いや、だって森じゃん?

木がバリバリ生きられるってことは、流石にそこまで冷えないかなとか思ったんです。

生き物は元気いっぱいだし。

よくわからん虫とか獣とか駆け回ってるし。

なのに道中の湖凍ってたし。

背の高い樹に遮られて太陽の光も差さないし。


「獣が全然襲ってこねえな……

…………魔導師様の予言が正しけりゃクリスタルはこの森にあるんだよなあ。

てか予言がざっくりしてんだよな。

<巨人の森のどこか>ってアバウトすぎんだろ。

広いんだよ寒いんだよ!!!」


そう。俺はかれこれ半日この森をうろついている。

ギルド近くの宿に行くまでに1日、1日休んでこの森に着くまでに2日、計4日。

そこそこ時間はあるが 、そうのんびりもしてられない。

森についたのはまだ明るい内だったが、既に周囲は真っ暗。

<暗殺者>の夜目が無かったら完全に迷子だ。


「夜は一段と寒いな……

うわっ、やばい眠くなってきた。死ぬ。こわ」


自分の発言が相当おかしいことに気がつき、後々恥ずかしくなってきた。

独り言増えたな…………


「…………!」


人だ。限界まで気配を潜めてる。

結構強いだろうな。

この状況じゃこっちは見えないはず……

…………びっくりした。一瞬こっち振り向いたから。

というか、あいつの気配どっかで……


「誰?」


女の声。あいつ女か。

気づかれた? そんなはずは……


「名乗れってば。

場所は大体わかるけど、君が誰かわからないんだ。

流石の僕でも知り合いを殺すのは嫌なんだよね」


完全に俺だ。ばれてた。

俺が誰かまではわかっていないらしい。

が、俺はあいつが誰なのかわかっちまった。

あの声。あべこべな一人称。

自信家で戦闘狂。

知り合いに会ったら、まずは挨拶。


「ようグラストミア。

こんなところで何してんだ?」

こんにちは

小夜寝草多と申します。


リリィとは1回お別れです。

ちょこっと寂しいですね……

この話は、少し気楽に見ていただければと思います。

今までよりは幾分ライトなお話なので。

お楽しみください。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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