35 修行
「どういうことだ?
お前の魔法の基本知識は相当なものだ。
このまま鍛えていけば、将来は上級の魔術士にもなれると思うが」
「それじゃダメなんです……
私、今回の戦いでも、対シオン魔法作成でも、全然お手伝いできなくて……
なんて無知なんだろうって、悔しくて……」
「……」
おいガルーダ、そこで黙るのは残酷だろ。
リリィの言葉を肯定するようなもんだ。
「今すぐに強くなりたいってことか?
将来的に手に入る力が今欲しいのか?」
「……はい」
贅沢な気はするが、リリィの目的を思えば確かに。
魔王に勝つには、今のままじゃあ……
「なるほどな。わかった、いいだろう」
「え、ちょっと即決すぎね?」
「今回は世話になったからな。礼の一環だ。
ただ、リリィの今の能力を更に底上げするとなれば、
一朝一夕で身につくものではない」
リリィの表情が暗くなる。
こればっかりは仕方が無い。1日そこらで終わる修行があってたまるか。
「能力向上に1週間、調整に1日の計8日間程度かかる」
「ちょっと待てお前」
短い短い。は? 8日間?
魔法使いの時間感覚おかしすぎ……リリィもポカーンだからやっぱりガルーダが異常なんだな。
「ほ、ほんと……ですか……?」
「元より才能と基礎知識は十分にあるからな。
俺は効率と応用を叩き込めば良い。
当然だが、能力向上期間は相当に辛いぞ。
血反吐を吐く思いでやれ」
「は、はい! ありがとうございます!!」
しかし8日間か……
待つには長いな。
「リリィ」
「は、はい」
「俺は先に最後のクリスタルを取ってきちまうよ。
あと8日じゃ、魔王討伐にはまだ行けてないだろうからな。
最後のクリスタルを取ったらまたここに戻ってくる。
ま、頑張れ」
「わかりました。必ず強くなります!」
さて、そうと決まればさっさと行くか。
下手すると、俺がクリスタルを手に入れるよりも先にリリィが修行を終える。
8日は早い。ちょっと意味がわからない。
「ユウタ」
「ん?」
「仲間に恵まれたな」
「……そうだな。
もしかしたらリリィ、お前より強くなるかもな」
「はははは! かもしれんな。
まったく、末恐ろしい才能だよ。
…………勝てよ、魔王に」
当然だ。
俺は扉を開ける。
最後のクリスタル、ちゃっちゃと手に入れちまおう。
こんにちは
小夜寝草多と申します。
ちょっと休憩、という感じですが、その傍ら小さな魔法使いはとある決断を……
本編では詳細は描かれないと思うのですが、諸々の評価によっては書かせていただくかもしれません。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




