12 願望
リリィの顔がこわばる。
リリィは、父親に対して罪悪感を持っている。
申し訳なくて、怖い。
死して尚娘を脅す父親。
胸糞悪い。
「悪いこととは言わない。
父親の敵討ちだろ? 親子愛、いいんじゃないか?
でもさ、お前が今抱えてんのは自殺願望以外の何でもないよ。
怖い怖いって思いながら、死んでもやってやるとか考えながら行くのは、死にに行くようなもんだ」
「わ、私が死んでも、ユウタが……」
「それが間違いだって。
頼るのと押し付けるのは違うんだよ。
俺に父親の敵討ちを押し付けようとするな。
怖いなら行かなくていいんだよ。
本当の<勇気>が出てからでいいんだ。
生きて生きて、そんで願いは叶えろ」
できるだけ優しく、諭すような口調で。
言ってることと反比例させて。
……俺はヒーローでも偽善者でもない。
誰かが死ぬのがいやで、
沙由里とまた笑い合いたい。
そういうエゴイスト。
目標達成の遅れになるような奴はいらない。
勝手に死ぬ奴も。
「……じゃあな。
また変なのに襲われる前に帰れよ」
あーあ、魔法の使い方、教わりたかったのに。
──リリィと別れて30分。
雲で月まで隠れちまった。
霧まで……砂漠で霧っておかしいだろ。
でも前は見える。これも暗殺者の技能か?
万能だな。向かうとこ敵無しだ。
待ってろ沙由里。すぐ逢いにいくから。
「やっと方法が見つかったんだ、
待ってろよ沙由里……」
「もういいんだよ、勇太」
呼吸が止まる。
その声は。
霧の中に1人分の人影が見える。
長い髪。
お気に入りだって言っていつも着てたワンピース。
左手の薬指に光る、俺とおそろいの婚約指輪。
「もう頑張らないでいいんだよ」
どうして沙由里がこんなところに?
こんにちは
小夜寝草多と申します。
早くもリリィと微妙な感じに……
リリィが心配です。
そろそろファンタジー感アップを目指します。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




