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11 その言葉は

「私は、ギルドがある街から西に行った

小さな村で暮らしてたんです」


ギルドの西……

俺が異世界で最初にいた場所か?

教会から出ても酷い有様だったのは覚えてる。

あそこは地獄だ。力が無い奴にとっては。

街に出ても財産が無い。

死ぬか怪我を負うかすれば、働くこともできない。

…………路肩で眠る人に掛かっていた毛布。

あの毛布の下はどうなっているのか。


「村の井戸では、傷を癒す水がとれて

私たちはそれを売ったりして生活してたんです。

確かにすごい水だったけど、教会が管理してたから

独占しようと考える人はいなかったんです」


まさに魔法の水だな。

よく今まで戦争が起きなかったもんだ。

……つい最近起きたみたいだけどな。


「でも、魔王に水のことがばれて……

村のほとんどの人は逃げようって言いました。

でも、一部の人は戦おうって……」


「その中にお前の家族も含まれてるってわけだ」


「はい……まだ小さかった私は、別の街に逃がされて

戦いが終わった時を見計らって村に戻ったんです。」


戦争にもならなかったろうなあ、あの様子じゃ。

しかし、戦いはつい最近終わったってことでもないみたいだな。

あのシスター、シスターらしくないとは思ったが、

神父の娘とかだったんだろうな。

リリィと同じ。逃がされたんだ。

捨てられたんだな。あの村。

隣町も動いてない。

復興の意味も無いってことだ。

魔法の水が無いんだから。


「私が村についたら、もう人はほとんどいなくて

私のおうちも壊れてて……。

でも、お父さんは井戸の近くで……

……まだ…………まだ生きてたんです!

この杖を握りしめてて……

そ、それで私に、

絶対に魔王を、ゆ、許すなって、だから……

行かないといけないんです……

私が、魔王をたおさないと……

私が……私が…………」


「あのさあ」


父親の死を自分のせいだと思ってる。

自分には責任があると思ってる。

魔王を倒す責任が。


「それ、勇気じゃなくて、自殺って言うんだよ」


ってことは、覚悟は無いんだろう。

こんにちは

小夜寝草多と申します。


今回はリリィの過去が明かされた回です。

辛いだろうなあ怖いだろうなあ……

私なんかは立ち向かうリリィを見るだけで

強い子や……となるんですが

勇太は…………


ここまで読んでくださりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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