幕間
「くくっ、あはははは」
「どうしたの、栞。いきなり笑い出して」
「いやあ推し活サークルの作った映画を思い出しちまって。あれはケッサクだった!」
「コメディ映画?」
「ありゃあ分類不可だな。闇鍋みたいな映画だった。それなのに本人たちは大真面目に作ってるっぽいのがまた面白くてな」
「それ、あんまり笑ったら可哀想じゃない?」
「分かってるんだけど、あれは……笑わないのは無理だって。くくっ」
「まったくもう。自分が駄作を書かないからって、他人の失敗を笑うのは良くないと思うよ」
「駄作を書かない? あたしが? んなわけねえだろ。つい最近だってとんでもねえ駄作を書いたぜ」
「栞が?」
「おう。推し活サークルの後輩に渡したマダミスが、我ながら最低の出来だった。もしかするとあたしの酷い作品を読んだことで失敗を恐れなくなったのかもな、あいつらは」
「栞でもそんなことがあるんだ。そっかあ。猿も木から落ちるとか河童の川流れってことわざがあるくらいだもんね。なんか安心したかも」
「あたしのことを勝手に神聖視してくるやつが一定数いるが、所詮あたしはただの人間だからな。駄作も生み出すし失敗もするっつーの」
「その方が、成功しかしない人よりもずっと魅力的だと思うよ」
「良いこと言うじゃねえか。それに成功することも失敗することもあるからこそ、人生は楽しいんだ。存分に失敗しろよ、推し活サークル!」
「……失敗しろって叫ぶのはなんか違くない?」




