↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推し活サークルの事件簿  作者: 竹間単
■第二章  部誌を作って部室を守れ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/20

【side 姫川姫香】2-1

【side 姫川姫香】



 てっちゃんの取り出したノートの表紙には≪オタクたちのマーダーミステリー≫って書かれてるみたい。


「マーダーミステリーってなあに?」


 『オタクたち』は分かるけど、『マーダーミステリー』は何のことか分からない。

 さすがに姫もミステリーは知ってるよ。ミステリードラマとか観るもん。でもマーダーは分からない。姫、英語は苦手だし。


「簡単に言うなら、殺人事件の犯人当てゲームです。最近流行っていますよね、マダミス」


 とっくん曰く、マーダーミステリーは最近流行ってるらしい。

 姫は全然知らないけど。


「マーダーミステリーを略してマダミスなんだね。具体的にはどうやって遊ぶの?」


「このマダミスは、殺人事件を再現して犯人を探すタイプみたいだな」


「楽しそう! 姫もやってみたい!」


 犯人探しゲームなら、姫にも出来るかもしれない。

 だってこの前、メッセージカードを盗んだ犯人探しをやったばっかりだもん。

 あのときはメッセージカードが無くなった悲しみに気をとられてたけど、今になって思えば、探偵になったみたいで意外と面白かった気がする。


「姫にも解決できそうなマダミスなの?」


「それが、大抵のマダミスの犯人役は、自分が犯人だと分かるはずだが……このシナリオには犯人が誰なのかが書かれていない」


「マダミスは犯人役が、自分が犯人だと分かった上で逃げ切ろうとするのが面白いゲームなんだお。犯人が分からないとマダミスとして面白くないんだお」


「まれに犯人の分からないイレギュラーなマダミスもありますが……そういうタイプのマダミスということですか?」


 へえ。マーダーミステリーって、いろんなタイプのものがあるんだ。でもどんなタイプだったとしても、最終的には犯人が誰なのか分かると思うけど……だって犯人が分からなかったら、事件が迷宮入りしちゃうもん。

 マーダーミステリーには詳しくないけど、推理小説で「犯人が分からず事件は迷宮入りしました」って結論に辿り着いたら、姫なら本を叩きつけちゃうよ。


「本野先輩は『犯人を見つけてマダミスを完成させてみろ』と言っていた」


「なるほど。推し活サークルの部誌として、すでに卒業した本野先輩の作ったものをそのまま提出するわけにはいきませんからね。本野先輩はあくまでもボク、私たちに部誌を作らせようとしているんですね」


「優しくも厳しい先輩なんだお」


 つまり、本野先輩という人の作ったマーダーミステリーは、未完の作品ということだ。

 そして、現・推し活サークルのメンバーで完成させないと提出は出来ない。


「じゃあ姫たちは、そのマダミスを解決して、部誌として完成させればいいんだね!?」


「そういうことだ。そうと決まればさっそくやってみよう。登場人物が複数いるから、台詞をみんなで分担して、シナリオを音読しよう」


 そう言っててっちゃんは、全員に見えるようにマーダーミステリーの書かれたノートを開いた。




≪オタクたちのマーダーミステリー≫


 今日はリボンネコオタクの誕生日。

 誕生日を祝うため、オタク仲間たちがプレゼントを持ってリボンネコオタクの家にやって来ました。


家電オタク「ハッピーバースデー。プレゼントをどうぞ」

リボンネコオタク「わあ、リボンネコちゃんのハンディファンだ。ありがとう」

家電オタク「最近はキャラ物の家電も増えてきたからね。もし家電に興味が出たら、一緒に家電量販店巡りをしよう」


 こんな会話をしながら、家電オタクはリボンネコオタクにリボンネコのハンディファンを渡しました。


ガーデニングオタク「お誕生日おめでとう。私からのプレゼントはこれだよ」

リボンネコオタク「フラワーアレンジメントだね。リボンネコちゃんのぬいぐるみが付いてて可愛い」

ガーデニングオタク「最近のアレンジメントは風船とか人形とかでデコるのも多いんだよね。どうかな。花に、ガーデニングに、興味が出てきた?」


 こんな会話をしながら、ガーデニングオタクはリボンネコオタクにリボンネコのフラワーアレンジメントを渡しました。


健康オタク「おめでとう、リボンネコオタク。私からのプレゼントはこれよ」

リボンネコオタク「リボンネコちゃんのクッキーだ。可愛くて美味しそう」

健康オタク「手作りクッキーなの。無添加だから身体に良いわよ。ただし保存料を使ってないから早めに食べてね」


 こんな会話をしながら、健康オタクはリボンネコオタクに手作りのリボンネコクッキーを渡しました。

 三人からのプレゼントを受け取ったリボンネコオタクは、三人をリビングに案内しました。そして自分は一旦プレゼントを自室へと置きに行きました。

 それからしばらく経ちましたが、待てど暮らせどリボンネコオタクは自室からリビングに戻っては来ません。不思議に思った三人は、リボンネコオタクの部屋へ様子を見に行くことにしました。

 リボンネコオタクの部屋は、一面リボンネコだらけでした。棚には所狭しとリボンネコグッズが並べられ、壁にはリボンネコのぬいぐるみを様々な観光地で撮影した写真が貼られています。

 ですが、それよりも気になるのは。


三人「リボンネコオタク!? し、しんでる……」


 リボンネコオタクは床に倒れた状態で亡くなっていました。リボンネコオタクの近くには、紅茶が入っていたのだろうティーカップが転がっています。

 三人は顔を見合わせ、警察に電話をしようと全員がスマートフォンを取り出しました。

 そのときです。勢いよく部屋に入って来る人物がいました。


鑑識オタク「こんにちは。僕は通りすがりの鑑識オタクです。彼女の死因を僕に調べさせてもらえませんか?」


 言うが早いか、鑑識オタクはリボンネコオタクの遺体を検死し始めました。そして遺体の近くに転がっていたティーカップも調べました。


鑑識オタク「これは毒物による中毒死ですね。しかし毒が入っていたのは、彼女の飲んだ紅茶ではなさそうです。何に毒物が入っていたのかはまだ分かりませんが、これが犯人を見つける決め手になるでしょうね」


 鑑識オタクの話を聞いた三人は、一旦スマートフォンをしまい、犯人探しをすることにしました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。