九話
精神的にも肉体的にも疲れて居たのだろう新宿ダンジョンから家までぐっすり眠れました。
今だに納得も消化も出来ていないがポーションドロップのお陰で喉が回復したってのもある。
キャンピングカーを降りると古き良き? 美しき我…家? が見えた。
あれぇ? 板張りだった窓にガラス戸が嵌まってるぞ。
「おい、タロ君。 アレは何かね?」
文字通り美しくなった我が家を指す。
「知らない。 あー、あの二人このために早く帰ったのか」
「なんてことでしょう。 家主が拉致されてる間に全く知らない家に」
瓦屋根は…? 黒い板に?
外見変わったのガラス戸と屋根だけでした。
「あの屋根知ってるか?」
「あー、あれって太陽光パネルだと思う」
「にしては黒光りしすぎじゃね?」
「ダンジョン由来の材料とか使用したやつ」
「便利だなぁダンジョン由来」
「だから俺らの生活が成り立ってる訳であってな」
プロは素材採取の仕事もあるって言ってたな。
そう考えるとすごいなコイツら。
そんなことを思いながら家に入る。
もちろん鍵、指紋、虹彩認証した上でだ…自分で選んだけどめんどくせぇ!!
中に入ると違いがわかる。
「なんか明るくなった」
「そりゃ電灯入ってりゃな」
「でした」
電気入れたのは良いが電球と電灯自体を買うの忘れてたんだよ、拉致されるまで木炭の灯りだけで生きてました。
入口からもそうだが傷んでいた木とかも新しくなってる。
「あっ、おかえりー」
「お帰りなさい」
「「ただいま」」
タロと被ってしまった。
「じゃあ、報告聞きましょうか?」
麗華が仕切り始めるが家主として言っておきたい。
囲炉裏の間からは全部屋が見えるのだ。
「いやその前に、家が綺麗になってる。 畳とガラスが全部屋に何故に? ありがとうございます」
意味がわからないが礼を尽くさないとな。
家具も最新式に。
「私達も今日からここに住みますから綺麗にするのは当然です」
「そっか」
…………
「そっか、じゃないわ!? 住むの? 何で?」
俺の問いかけに首を傾げる麗華。
タロもさも当然の様にくつろぎだした。
「お前がわからなくて誰がわかる」
「まあ,目的はダンジョンとあなたのボディーガードよ」
「ボディーガードいるか?」
「レベル上げ用ダンジョンって知られると狙われるかも知れないわ。 企業関係は如月ホールディングスが止めるわ」
如月ホールディングスは麗華の実家だ。
日本でも有数の企業である。
「まぁ、あとは女性問題だなー」
タロがおどけた様子で言う。
「…女性問題? 何でだよ」
「あれ、あれ、ハニトラとかさ」
「その点も問題ありません」
麗華が力強くそう言う。
まあ、そこまで言うならいっか。
「んじゃ、報告な。 新宿ダンジョンのテイムは成功した…」
「また何かやらかしたのね?」
「言い方。 やらかしたと言うか、何と言うか魔力って高い人ってどれくらい?」
「世界最高峰のイギリスの魔女が五百くらいかしら」
「俺、新宿ダンジョンの眷属化で九百超えた」
「「「……」」」
「黙るのはやめて」
「いやねぇ…だってさ」
「予想外だし」
「秘匿案件が増えましたね」
口々に感想を言う面々。
まあ,秘匿案件だわな。
「そうそう、ハナ、ポーションドロップ助かったぞ。喉が潰れて大変だった」
「あれ食べたの!? まだ未完成だよ」
「タロォォ! お前」
「いや待て…ハナ、俺を実験台にしようとしたな!」
「黙秘します」
「いや、確定じゃんそれ」
タロとハナのじゃれ合いを横目にチラッと時計を見る。
昨日ダンジョンテイムして二十四時間過ぎていた。
「ちょっとダンジョン行ってくるわ」
「私達も必要かしら?」
「いやダンジョンの入口までしか入らないから大丈夫ちょっと行ってくるわ
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ダンジョンに入るとネットリとした空気に纏われる。
感覚的に余剰魔力であることが分かる。
ダンジョンの情報を出す。
〉テイムダンジョン
〉レベル四
〉ダンジョン名 レベル上げダンジョン
〉ランクX
〉深度C、D、E、F、G
〉全二十五階階層
〉魔力985/195
〉スタンピード 設定off
余剰魔力がエゲツないね。
魔力を選択すると
〉ダンジョン聖域化 必要魔力1,000
〉ダンジョン外縁部豊穣 半径1キロ 必要魔力500
〉ダンジョン転移陣 各深度一層に転移出来る、帰還も可 必要魔力900
うーんご都合展開w
どう見ても一番下推奨だろ。使うか、ポチッとな…何も起きない。
まあ日数とか掛かるんでしょう。
俺が外に出ようとすると一部分に見たことのない魔法陣が描かれていた。
その上に乗ると、
『深度を選択してくださいC〜G』
おっ出来たっぽい使うのは怖いからなタロあたりに使わせるか。
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家に戻ると良い香りが家の中に漂う三人とも囲炉裏の間にいる…えっ誰。
この中だと麗華だな、
「食事作ってくださる方って?」
「うちのチームメンバーの桜よ」
「お前らチームメンバーとかいたんだな……」
ポケットからハンカチを出し涙を拭うふりをする。
いや、実際、麗華は洒落にならないお嬢様だし、双子はウザいし。
アレか唯一の良心か…助かるぅ。
「って桜さんってお前専属のメイドさんじゃん!」
麗華を指差す。
「仕方ないわ。 私達に生活力があると思うのかしら?」
表情を変えずに麗華は言う。
「無いけどそれを自信満々に語られてもな」
「それよりも報告」
「…わかった」
俺は囲炉裏の前に腰掛ける。
すると横からスーッとお茶が差し出される。
流石は桜さん、慣れてなければ悲鳴を上げるほどの静けさだった。
「ありがとうございます桜さん。 麗華」
「桜は大丈夫よ」
「ダンジョンのレベルは四まで上がっていた。 階層は二十五階、深度はC〜Gまでもう一つは」
「待ってまだあるの?!」
「余剰魔力で魔法陣解除した」
「「魔法陣?」」
ダラダラしていた双子が反応した。
「深度が高いから自分で使うのは流石に出来なかったけど深度毎に移動出来るらしい」
「「「……」」」
三人が黙り込む。
麗華さん床を指トントンするの辞めてください!? 穴開いちゃうから。
「早速試すわよ」
「おー頑張れ」
俺は茶を啜りながら応援する。
はあ、まったりするわぁ……。
「何他人事みたいに言ってるのあなたも来るのよ」
「いや、帰ってきたばっかりなんだが? お家に帰ってきてリラックスタイムないぞ」
「あなたがやらかしまくってるからでしょ?」
…チッ、正論だから言い返せない。
「しゃーない」
再びダンジョンへ次はフル装備の三人を伴って。
「コレが魔法陣かぁ…なんかぽいな」
「おお、かっこいい」
「成程、見たことのない文字が刻まれてるわね」
タロ、ハナ、麗華の順で感想を述べる。
「魔法陣の中に立ってみてくれ」
俺の誘導に三人が従う。
三人が魔法陣の中心に立つと『深度選択をして下さい 深度C〜G』と表示された。
麗華は深度Eを選択する。
光の奔流が現れ三人を包み次の瞬間には消えていた。
「おぉ、すげぇ」
単純な感想しか出ないわこんなの。
再び光の奔流が現れ三人が戻って来た。
「思ってたより早かったな」
「えぇ、戦闘はしないで索敵だけして来たわ、確かに深度Eのモンスターだったわよ。 次は深度Dね」
「「えっ?」」
二人は聞いてなかったんだろう再び光の奔流が現れ三人が消える。
「俺、いらないよねぇ」
そう思いながら新宿ダンジョンのステータスを出す。
〉ダンジョン名称:新宿ダンジョン
〉ランクB
〉深度G
〉全五十階
〉徴収魔力 一週間:900
〉スタンピード on
〉魔法陣 off
眷属ダンジョンもスタンピード設定できるんだな。
んじゃoffにしてっと。
〉ダンジョン名称:新宿ダンジョン
〉ランクB
〉深度G
〉全五十階
〉徴収魔力 一週間:1,200
〉スタンピード off
〉魔法陣 off
スタンピードオフにしたら徴収魔力が増えたぞ、魔力とスタンピードには関係が?
それに新宿ダンジョンにも魔法陣設置できるんだな、しないけど。
目の前にメッセージが現れる。
『スタンピードは魔力枯渇による現象であるため、スタンピード機能が停止したためその分の徴収魔力が増えました』
「ふーん、そうなんだ」
珍しくステータス君が正常に働いたな。うん、うん。
『スタンピードの謎を解いた為、初回特典【真理を知る者】の称号を得ました』
………こんなん、マッチポンプやないか!?
えっと効果は
〉称号
【真理を知る者】
あらゆる事象に十%の補正が掛かります。
テイムも二十%確定か…うん素晴らしい。
マッチポンプとかどうでも良い,むしろ今回はファインプレーと言っても過言でない。
そうこうしていると魔法陣がから光の奔流が立ち上り三人が帰還した。
「お帰り」
「ただいま、良いわねこの魔法陣」
「「めっちゃ楽」」
「そかそか。 そう言えば麗華、スタンピードの原因って未だ知られてなかったんだな」
「ええ、仮説は幾つもあるけど特定はされてないわ…まさかあなた」
「ウチのステータス君のお陰で?、スタンピードの原因わかっちゃった。 あと新宿ダンジョンのスタンピード設定offにしたから」
麗華が口をパクパクさせている。
珍しい絵面だ。
双子も目が点になってるし…。
「なんでよ…」
「何が?」
「何でこんな短時間でそんなヤバい情報手に入れてるのよ!!」
俺は襟元を麗華に掴まれて前後にガックンガックン揺らされる耐えてるのにレベルの暴力は恐ろしい………やべぇ気持ち悪くなってきた。
「……吐きしょうでしゅ」
「あっごめんなさい」
麗華が離してくれるがどうやら限界だった様だ…少し離れた所でキラキラして来た。
「ふう、気持ち悪かったぜ…話は後でな麗華」
「わかったわ…ごめんね」
俺の言いたい事を察してくれた様だ…また、怒られるのかなぁ、不安だ。




