↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/14

十話



夕食を食べた俺と麗香はキャンピングカーの中にいた。

実に美味かったとだけ言っておこう。


「さて、何から話せば良い?」

「スタンピードの原因からお願い」

「スタンピードは魔力の枯渇による現象が原因だって」

「魔力の枯渇…? 逆じゃないの?」

「うん,例えると口減らしみたいなものだよ」


魔力を喰らうモンスターが増え過ぎたから追い出したって言うのが正解かな。


「成程、モンスターの間引きは間違ってなかったのね」

「まあ、そうなるね。 後、新宿ダンジョンのスタンピードoffに出来た。 魔法陣の設置も可能みたい」

「…そう、まあ新宿ダンジョンは国営だからスタンピード起きた事ないから問題ないけど…他ダンジョンではやったらダメよ」

「わかってる。 プロハンターの飯の種だもんな」

「他に報告は?」


他に報告…あるっちゃあるけど。


「ここから先は俺も理解出来てないからな。 魔法陣解放の際の選択肢に『ダンジョンの聖域化』ってやつと『ダンジョンの半径1キロ圏内の豊穣』ってのがあった。 ダンジョンの魔力が足りなくて選択出来なかったけど」

「『ダンジョンの聖域化』は誰にも言っちゃダメよ」

「宗教関係はシビアだからだろ」

「えぇ、ダンジョン教団と言うかカルト集団が最近増えているわ」


アレかダンジョンは神からの贈り物であり、消滅させるのは神の意に沿わないとか言って邪魔する奴らだったな。


「タチが悪い事に強力なスキル持ちも確認されてるのよね」

「如月ホールディングスにも影響が?」

「ええ、如月ホールディングスの保有ダンジョンを解放しろって言って来てるわね。 まだ、実害が無いから警戒対象で収まってるけど」


今気付いたんだが俺ってカルト集団の教祖になれるんじゃないか………ないわ、絶対ないわ。


「なあ、何で麗華達は如月ホールディングスのダンジョンに入らないんだ?」

「私のちっぽけなプライドよ…」


そう言えばコイツ潔癖な所あったな。

なんかズルしている気がするって言って頑なに如月ホールディングスの支援を断ってるし……っあ。


「あー、俺のダンジョンの事ごめんな」


考えたら如月ホールディングスが盾になってくれてるんだった。


「いいのよ、プライドよりもあなたの方が大事だもの」

「ありがとう…」


何だこの空気感。

気恥ずかしい、恥ずかし過ぎる!


「あっ、スタンピードの原因の情報なんだけど如月ホールディングスの手柄にして良いぞ」

「わかってるの? 世界的な発見よ、それこそ天文学的な金額が動くレベルの」

「俺が言った所で効果ないし、俺のダンジョンを守ってくれた事に対する御礼だよ。 それに如月ホールディングスなら魔力計測器作れるだろ?」

「ええ、問題なく作れるわ」

「と、言うわけでそこは麗華に任せる」

「ええ、わかったわ。 あなたはコレからどうするつもりなの?」


恐らく『ダンジョンの聖域化』とかに関してだな。

コレに関してはなぁ、悩みどころなんだよな…


「取り敢えず『ダンジョンから半径1kmの豊穣』を選んでみようかなって、この辺農家しか無いし…元ではあるが親族が迷惑かけたからな…」

「あぁ、あの方達あなたの家に侵入しようとして捕まったわよ」

「はぁ!?」


イヤイヤ、何で侵入しようとしてんのよ。

家に何も無いの知ってるだろ。


「どうやらあなたの持っているご両親の遺産を狙ってたみたいよ」

「頭おかしいのかよ…」

「えぇ、おかしいわね」

「ストレートだな」

「あなたのお母様を知ってるから尚更ね」


そうだったな。

麗華は幼い頃に母親亡くしたからうちの母親に懐いていたな。


「俺も聞いて巻き込まれたけどさらに上を行くとはな」


苦笑いの俺をみて麗華も苦笑する。


「まあ、如月ホールディングスの警備も着くからあの人達が来ることはないし、法務部も動いてるから」

「うわぁ、エグい事になりそうだな。 ……まあ元親戚の事はいいとして。 引退した討伐者に連絡着いたのか?」

「着いたわよ、早ければ数日後には動き出すわ」

「経営よろしくお願いします。 俺は過疎ダンジョン巡りしてくるわ」

「無理はしない様にね」

「拉致した人の気遣いじゃない!」

「細かいことは気にしないの」

「細かくないだろうが!?」


こうして夜は更けて行った。



⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


麗華との会話から一週間が過ぎた。

如月ホールディングスはダンジョンスタンピードの原因を特定したと発表し世界に激震が走った。

俺は過疎ダンジョンを二十ヶ所以上回りテイムを行った。

そのおかげでダンジョンのレベルは一上がり、新宿ダンジョン、復帰組のおかげで魔力も安定した稼ぎとなった。


〉テイムダンジョン

〉レベル五

〉ダンジョン名 レベル上げダンジョン

〉ランクX

〉深度B、C、D、E、F、G

〉全三十階階層

〉魔力1,346/335

〉スタンピード 設定off

〉魔法陣 on


お分かりだろうか。

万が一ダンジョンコアが壊される可能性を感じ心のビビりマインドが発動して深度Bにしちゃった。


〉ダンジョン聖域化 必要魔力1,000

〉ダンジョン外縁部豊穣 半径10キロ 必要魔力1,000


ダンジョン外縁部豊穣はやばかった。

苗を植えた側からニョキニョキと伸びる野菜達。

近所の人達にはダンジョンの謎パワーって説明した。

麗華と如月ホールディングスが。


そして今、俺はウズウズしている。

豊穣も効果が凄まじ過ぎて禁止されてるし、ダンジョンの聖域化試したい…でも、怒られたくない。

麗華達は、ダンジョン以外の仕事で東京に行ってる今がチャンス。

よし!……おっと、指が滑った。


…………


一瞬だけダンジョンが光って何も起こっていない。

えっとダンジョンステータス。


〉テイムダンジョン

〉レベル五

〉ダンジョン名 世界樹のダンジョン

〉ランクX

〉深度B、C、D、E、F、G

〉全三十階階層

〉魔力346/335

〉スタンピード 設定off

〉魔法陣 on

〉聖域化 


聖域化を選択する。


〉聖域化

世界樹が生まれる。


…で? 抽象的すぎるだろ。

ダンジョン内にいるがなんも起きてない。

……何もなかった事にしよう、うん。


ダンジョンの外に出ると今まで感じた事ないほどの澄んだ空気が。

後ろを見るとダンジョンの上に青々とした巨大な木が。


「やっちまった…」


取り敢えず、スマホで世界樹の動画を撮る。

それを麗華に送る。

『自分探しの旅に出ます』と一文添えて。


「どこに行くの?」

「そうだな…南にいこ…う…かと」


後ろから聞こえて来たのは麗華の声だった。

振り向けない。


「アレだよ、指が滑ったの…聖域化」

「ふーん、何でこっち見ないのかしら?」

「いや世界樹が神々しくて目が離せないんだ」

「で?」

「…麗華さん今日も美しいって言いましたっけ?」

「ばっ、馬鹿な事言ってるんじゃないわよ!」


取り敢えず、そのまま土下座した。

正解が見えないからだ。


「好奇心に負けて聖域化してしまいました」

「そう…思ったより持った方ね」

「はぇ?」


その言葉に俺は麗華の方に振り向いた。

麗華は普通に笑顔だった。


「えっと何が?」

「私の想定じゃもっと速く行うと思ってたわ。 あなた昔からこういうの我慢出来なかったでしょう」


確かに昔からダメと言われたらやってしまう性格ではあるが…最近、そのやらかしが多い気がする。


「この村に関しては問題ないわ。 如月ホールディングスが周囲の土地を全て買い取ったから」

「…やり過ぎでは?」

「あなたのせいよ、覚えあるでしょ?」

「めっちゃある」

「それで明日お父様が来るわ…あなたのスキルも理解してる。 安心して魔道契約書にサインさせたからあなたの許可無しにあなたのスキルを喋ることできないわ」

「相変わらず腰が軽いな。 あど魔導契約書って対価は?」

「死よ」

「重い、冗談だよな?」

「本当のことよ」

「そこは冗談よって言うところでしょうが!? 何自分の父親に死を覚悟させてんの!」


正座のまま俺は叫んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。