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【不動産】探しているのに無いじゃない~時間をかけ血眼で探しながら、たくさんの有給とお金を無駄にして学んだ家探し~【実録】  作者: roctan


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8 不動産の抱える問題

「あの駅に物件が出たよ!」


 この日内覧することになったのは、

 最も希望していた駅で、しかも徒歩6分の中古物件でした。


 その駅は隣の駅が大規模な都市開発を行い、

 商業的にも注目を集め、自治体の手も加わり

 今後どんどん評価が高まる、と予測されていました。


 その街自体は穏やかな住宅街だけど、

 一駅先は巨大ターミナル駅で、買い物にも通勤にも

 とても利便性が高い場所だったのです。


 不動産会社の人にも、

 そしてAIたち(チャッピー君とジェミニさん)にも

「この駅を選ぶとはお目が高い!」

「今後、急成長する土地ですよ」

「将来的にも地価は安定どころか上昇間違いなし」

 というお墨付きの駅です。


 ただしAIたちに関しては、

 最初の時点ではこの駅を選んだことを絶賛してくれたのですが

 探していくうちにポロポロとこの駅の欠点を発見した私が

 その点をAIたちに確認したところ。


「そうなんですよねー、この駅って通過待ちが多くって」

「坂がキツイから高齢者に向かないかも~」

 などと、あっさり手のひらを返していました。

 そのへんの軽薄な人間よりもお調子者でした。


 現時点でのAI回答の信頼性ですが

 正直微妙なところではあります。


 土地や駅の情報はたまに間違っていたり古かったりします。

 入力する情報によっては(こちらの責任ですが)

 勘違いしたまま会話してしまいます。


 また、こちらの意図や気持ちを忖度してきます。

 ”ああ、こう言って欲しいんだろうなあ”

 みたいなのを読み取られているような気がします。


 賛成して欲しい時には押せ押せで

「へえ、そこ良いじゃん! もう決めちゃいなよ☆」

 否定的な気持ちの時は

「そうだよね怪しいよね、やめときなよその物件」

 といった感じで

 女友達のように強めに共感してくれますが

 判定の頼りにするにはいささか心もとないです。

(もちろん明らかにヤバめの物件は

 ”こういうリスクを踏まえて買うべし”と忠告してくれます)


 でも法律や地価といったものは割と正確ですし、

 物件情報についても

「この物件は以前、○千万円で出してたけど、

 200万円値下げして今はこの価格になったようです」

 といった以前の情報も引き出してくれたりするので

 ”即採用”せずに”参考”にする程度が一番かと思われます。


 さて、案内してくれた不動産会社の人は、

 とても熱心な人でした。

 毎日のようにたくさんの物件を紹介してくれ

(といっても希望の駅や条件にはちょっとズレていたが)

 内容について相談したら詳しく調べてくれる良い人でした。


「やっとこの辺りで物件が出ましたねえ」

 不動産屋さんは、私たち以上に嬉しそうに言っていました。


 何故なら好立地にお住いの家は、

 代々とても大事にその家を引き継いでいるため

 新しく物件が出るのは”まれ”だからです。


 その家は狭い私道に面しており、

 車の駐車場はありませんでしたが

 将来的にセットバックする予定があり、

 建て替え時には駐車場が作れる、とのことでした。


 でも、間取りはかなり独特で、

 一階は普通のLDKとお風呂場ですが

 二階は狭い2部屋と納戸が2つもありました。


「間取りを変えたら、余裕で3部屋作れるのにね」

 そう言いながらも、壁をぶち抜いて

 リフォームするのは大変そうだなあ、と思いました。


 木造のため、どのくらいまで手を加えてよいか

 ちょっと怪しいところがありました。

(触ってはいけない壁や柱があるので)


 ”見た目は穏やかそうだけど、

 じつはこだわりが強く、譲れない人”

 この家は、まさにそういうタイプです。


 家に帰って夫婦で相談しましたが、

 かなりのリフォームが必要だとわかり、

 価格や引き渡し時期の交渉を始めました。


 しかし。

 実はここは個人所有の家ではなく、

「この家は暮らしていた方が病院でなくなり、

 ご家族もいなかったので引取り手が無くて

 弁護士団体が処理している」

 と不動産会社の人から説明されました。


 そのため売買については通常とは違う対応となったのです。


 所有する団体は協議の結果、

 ここを民泊にする計画もあるため

 一切の交渉には応じられない、との回答があったと

 不動産会社の人から連絡が来ました。


 いろいろ面倒というか、不透明なこともあり、

 この物件は見送ることとなりました。


 なお、日本全国で”空き家問題”は深刻化しています。

 空き家問題とは、少子高齢化や人口減少を理由に、

 誰も住んでいない家が、急速に増加している社会問題です。

 現在、全国で大多数の空き家が存在し、

 放置されている家屋は倒壊リスク、治安・衛生の悪化など

 深刻な被害を及ぼしています。


 つくづく”先を考えて家を買わないとなあ”、と思いました。


 住宅は相続対象ですので、不動産を購入する時は、

 相続時のことまで考えなくてはいけません。

 地価の高いエリアや豪邸においては

 相続税が払えずに困惑する子孫もいるくらいです。


 まあうちは、広大な敷地面積を有する豪邸など縁のない話で

 20年も経てば上物の価値なんてゼロになっているだろうし

 不動産の評価額から基礎控除額を引いた残金なので

 (だいたい3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数、です)

 たいして課税されないと思われます。


 だがしかし、不動産を残されるのは

 子どもたちにとって、

 別のやっかいな面も持っています。


 夫の実家は地方に広大な土地を持っていますが、

 一か所に集中しているわけではなく、

 いろんなところにバラバラありました。


 それらをそれぞれ鑑定したりで大変だったみたいです。

 みたいです、というのは、

 私は関係ないので(相続というのは配偶者には権利がありません)

 揉めないためにも徹頭徹尾、不干渉を貫きました。


 ぜーんぶ売って、その金額を分ければ良い、

 そう思うかもしれませんが、

 思い入れのある土地や、実家が経っている土地など

 一部がどうしても残ることになります。


 土地が残るとなると、現金もあわせて分割することになり、

 どうしましょうかねえ、ということになるのです。


 そもそもあまり特異な場所(駅から遠い山奥など)を購入すると

 需要が極端に無いため売れません。


 高齢者向け施設に入る時は

 これを売却して元手にする計画もあり、

 そうすれば子どもたちの世話にならずに済む、

 と話し合っているので、売れないのは困ります。


 家は”買ったら終わり”でも、

 ”住んだら終わり”でもありません。


 今より先のことを考えると、

 さらに慎重にならざるを得なくなり、

 決断はさらに引き延ばしされていくことになるのです。



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