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【不動産】探しているのに無いじゃない~時間をかけ血眼で探しながら、たくさんの有給とお金を無駄にして学んだ家探し~【実録】  作者: roctan


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7 意見の相違

 スーモ、アットホーム、ホームズ……。

 仕事の合間や就寝前など、

 ヒマさえあれば物件を見まくる日々が続きます。


 うちは夫が物件探し用に作ったアドレスで

 さまざまな物件サイトに登録し、

 夫婦で見たり、不動産会社と連絡を取り合ったりしていました。


 それぞれが別のアドレスを使うより、

 いま気になっている物件情報を共有できるうえ、

 問い合わせや内覧などの状況が分かりやすいのです。


 物件サイトには、”良いかも”という物件を

 お気に入り登録することができます。

(サイトによってはコメントもつけることができます)


 そこには当然、私が登録したものだけでなく、

 夫が気に入ったものもポツポツ増えてくのですが。


「……え? これ?」

 時々、私からするとどうにも

 不可思議な物件が入っているのです。


 逆に私が選んだものは

「ここは狭すぎない?」

 などと却下されることもありました。


 条件は一致しているはずなのに、

 なんでそんなことが起こるのか、と申しますと。


 例えば3LDKというのは、広さも間取りもピンキリです。

 私は”起きて半畳、寝て一畳”と思っている派なので

 それぞれが4.5畳もあれば良いんじゃない?

 と思っています。


 しかし夫は真逆で、それぞれができれば6畳

 当然クローゼットなどの収納も必須だと考えていたのです。


 そして立地。

 ”交通利便性の良いところ”というのは

 実は結構あります。


 しかし夫が選ぶ駅は、

 ”駅前に行けば何もかもそろうぜ~”的繁華街だったのです。

 ファッションビルやスタバが必ずあるような。


 私はそこまでメジャーではないけど

 とにかく2路線使えれば良い、くらいのものでした。

 むしろそのような繁華街は、

 暮らしても落ち着かないんじゃないかなあ、と。


 それでもまあ、そこに住めたら便利な事も

 資産価値があって将来確実に売れるだろう、

 というのも間違いないため、

 微妙にズレたまま、私たちは探し続けました。


 これがあとあと、

 大きく時間をロスすることになるとは思わずに。


 そんなある日、夫が

「ここを見てみないか」

 と言い出しました。


 それは安定駅から徒歩3分の超駅近、

 超メジャー駅(東京で言えば中央線並みの)にも歩ける、

 とてつもなく好立地な場所でした。


「すごく良い場所だけど、なんでこの価格?」

「物件が古いからだよ。

 住めるかどうか怪しいくらい。

 だから土地として買うのはどうかなって」


 つまり、家を、建てるですと?!

 私は眉をひそめました。


 以前、何かの占いで出た私の特性は

 ”最短を飛ぶ鳥”、でした。


 目的地に向かって合理的に

 わき目もふらず直進する性格だそうです。


 スーパーでも目的のものしかほどんど見ません。

 通りがかりに見たとしても歩きながらだし、

 選ぶ時も刹那で決めます。


 時間だけでなく手間も含め、

 ”無駄”なのが本当に苦手で、

 短気とはまた違った性質をもっています。

(別に気が短いわけではないので)


 おそらく本物のぐうたらなのでしょう。


 そんな私に、土地を買って家を建てるだと?

 場所を決め、ハウスメーカーを選び

 間取りやら内装やらを相談して……

 手間と、かかる時間を想像して気絶しそうになりました。


 逆に夫はなんでもじっくり取り組む派です。

 電化製品もしっかりと下調べし、

 立ち寄ったスーパーもまんべんなく見学するタイプ。


 常に沈着冷静で温厚、

 子供たちにも飼い猫2匹にも、

 公園のハトにまで愛される人ですが

(付き合っている頃、どの公園でも

 やたらとハトが寄って来たのですが

 その時「俺、実は鳩カリスマなんだ」と告白されました)

 のんびりしてマイペースなところが

 私のテンポと合わないことが多々ありました。


 私はこんこんと夫に訴えました。

 建てるなら仮住まいが必要になる、と。


 それは家賃はかかるうえ、引っ越しも手続きも二回、

 子どもは大学生と高校生だから転校はないけど

 どちらも受験や就職を控えているから大変ということを。


 何よりも、家賃と引っ越し一回分のお金と手間(時間)が

 もったいないではありませんか!!


 すると夫は答えました。

「じゃあ、その時にいま建っている家が

 リフォームできるか見に行こう」

 立地至上主義の私は、

 それならばと内覧することにしました。


 案内してくれた不動産会社の人は、

「リフォームして住むのもアリですよ。

 今日は他に2組ほど内覧しますが、

 その人たちもそのつもりで見に来るそうです」

 などと、良い情報と悪い情報を同時にくれました。


 そうか、ここ、本当に立地は良いからなあ。

 内覧希望者、多いんだ。

 くっ! 負けたくない!


 そんなことを思いながら中に入りましたが……

 すぐにそんな気持ちは消し飛びました。


 狭い。狭すぎる。

 そしてなんか建具がゴチャゴチャしている。


 実質2LDKくらいの二階建て。

 これに4人は住めないでしょう。

 リフォームしても広さはどうにもなりません。


 例えて言うなら、

 ”めちゃめちゃオシャレをしているけど

 実は借金してる派手な人”。


 ものすごい好立地なんだけど、

 古さはもちろんのこと、

 窮屈な間取りをしており、

 またビルの合間にあるので日照は望めません。


 中を見て、外に出て来た時にはもう、

 次に訪れるであろう他の内覧者に対し、

 ”どうぞどうぞ~♡”

 くらいの気持ちになっていました。


 夫もリフォームは無理だし、

 隣家との密着っぷりなども気になったようで、

 この物件は無しとなりました。


 夫婦で価値観があわないの普通です。

 むしろ、合わない方が良い。

 多角的に見たほうが良いのですから。


 でも”合わな過ぎ”はさすがにマズいです。


 どちらかが不満を抱えたまま家を買うのは

 のちのち大きな火種になりますので

 さまざまな価値観を照らし合わせ、

 すり合わせて行かないといけません。


 もし相手がそれを無視するようなら

 そもそもそんな相手とは家を買わない方が良いです。

(知人は離婚のため半年で手放していました)


 私たち夫婦は、おおよそ一致しているつもりでした。


 しかしこの微妙なズレは、

 不動産会社の思惑も巻き込み、

 この後の物件選びにも影響していくのでした。



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