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【不動産】探しているのに無いじゃない~時間をかけ血眼で探しながら、たくさんの有給とお金を無駄にして学んだ家探し~【実録】  作者: roctan


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28 もしも私が家を建てるなら

 良い物件は見つからないまま月日は流れ、

 ”新規”として紹介される物件情報の数が

 なんとなく少なくなったと感じていました。


 不動産会社の方もおっしゃっていましたが、

 こういったものはぶわっと増える時期と、

 ぱたっと無くなる期間があるんだそうです。


 もはや新築も中古も諦めムードになり

 またもや土地を見にいくことを決めました。


 タイミング良く現れたこの土地はなんと

 東京で言えば中央線のような

 超メジャー&人気な駅で

 交通利便性も資産価値も最強な場所でした。


 駅前の繁華街には、ただ栄えているというだけでなく

 人気のブランドを収めたファッションビルや

 スタバやカルディなどもあるのです。


 今までは、チェーン店のスーパーや

 ”子どもの頃からあったよ”

 と地元の人が語るような

 個人店ばかりの土地だったので

 自分がそのような駅に住むとは思っていませんでした。

(どれだけ辺境に住んでいたやら)


 かつて娘の大学がある駅にはスタバが複数あると知り、

 ”そんなに要らないでしょ。

 店長同士でじゃんけんしてもらって、

 負けた店長がうちの近所に店を出す……

 ってことにならないかな”

 と邪悪な考えに囚われたくらい、

 何にもないところに住んでいたのです。


 そして内覧当日。


 お洒落で賑やかな駅前通りを、

 タイムスリップしてきた戦国時代の人のように

 やや怯えながらキョロキョロと辺りを伺いつつ

 歩くこと8分。


 その土地はかなり細長い土地で、

 面した道路の幅は3mしかありませんでした。


 まだ古家が残されており、

 参考のため中を見せて頂きましたが、

 南向きのため入り口の日当たりは良いのですが、

 東西となるとすっかり窓ははめ殺しの状態。


 とにかく細長い土地ではありましたが

 それなりに敷地面積はあるようでした。


 夫は駅も土地も気に入ったようで

 とりあえずここで、話を進めてみることになりました。


「土地の本契約は、

 ハウスメーカーのOKが出てからで良いですよ」

 と不動産会社から言われたので、

 まずはたくさんのハウスメーカに問い合わせ、

 ここにどんな家が建てられるか

 相見積もりを取ってもらうことにしました。


 ここで初めて、

 ”家を建てること”が具体的になったのです。


 不動産会社もですが、

 ハウスメーカーさんも本当に機動性が高いです。

 問い合わせたらすぐに反応があります。


 だから問い合わせる前に、こちらの希望や考えを

 きちんとまとめておく必要がありました。


 スーモなどには、一斉問い合わせ機能があるのですが、

 その数はあまりにも多く、

 超有名ハウスメーカーだけでなく

 個人建築家の営業している店などもたくさんあり

 こだわる人は選ぶのも大変だろうなあ、と思います。


 しかし我が家にその心配はありません。


 ”建築費”という堅固な制限があり、

 さらにいえば”この細長い土地に建てられるかどうか”という

 高いハードルがあるからです。


 接道が3mくらいだと、

 隣家から50cm離すという規約を守れば

 2mくらいの幅の家しか経ちません。


 ただしこれは絶対的な規制ではないため

 お隣さんの了解を得て2,30cmにすることができますが

 なんにせよ、細長い間取りは避けられないのです。


 まさに”うなぎの寝床”、いや”イトミミズの寝床”。

 廊下や階段を考慮すれば

 ほとんど最奥にしかプライベートな空間は作れません。


 それはもうたくさん相談しました。

 土地の情報を送り、仲介不動産会社にも紹介し。

 現場を見に行ってくださったハウスメーカーさんもありました。


 しかし、結局。


 成約はおろか、間取り図にすら

 たどり着くことができませんでした。


 なんと複数の会社に

 ”ここには建てられません”と断られてしまったのです。


 どのハウスメーカーも

 ”苦笑いしながら静かに後ずさる”感じでしたが

 中にはとても強い口調で

「この土地は絶対買っちゃだめですよ!」

「まだハンコ押してませんよね?!」

 と大反対してくるところもありました。


 接道が3mというだけがネックなのではありません。


 すでに隣家と密接していることや

 前面道路の幅も狭く4m無いため

 大型の重機が入ってこれないこと、

 しかも大きな電柱が立っていることなどなど

 通常の建築手段では障害になる理由が

 てんこ盛りだったのです。


 もちろん特殊な建築を得意とする工務店に頼めば

 建てることは可能なのです。

 しかしその場合の建築費たるや

 土地の値段以上になるくらいの高額となる、とのことでした。


 それだけでなく、一部のハウスメーカーさんは

「将来必ず、売却で苦労しますよ!」

 と、不吉な予言までぶちかましてくれたのです。


 というわけで、不動産会社(おそらく最初からわかっていた)も

 あっさりと了承し、この土地の話は無くなりました。


 まあこのような超人気の駅で

 土地が出ることなど滅多にないだけに、

 仕方の無いことかもしれません。


 それにしても。

 土地を買い、家を建てるということは

 とてつもない手順を経て

 あまたの選択を要求される作業なのだと知りました。


 こだわりの建材や理想の間取りなどがあって、

 キッチンやバスユニット選びや、

 壁紙やフローリングの見本をワクワクしてみることのできる人。


 ”家を建てたら、大きな窓に小さなドア、

 古い暖炉に花とか子犬とかあなたとか……”

 などと夢想するタイプですね。


 そういう人にはとても幸せな時間&作業となるでしょう。


 しかし基本的に住まいに対し、

 ”清潔で合理的なら何でも良い”という考えで

 学生時代から親にも

「あなたの部屋はビジネスホテルみたいね」

 と言われていた私なぞは、

 ”土地を買い、家を建てる”ということに対し

 とんでもなく不適格者だと思い知ったのでした。

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