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【不動産】探しているのに無いじゃない~時間をかけ血眼で探しながら、たくさんの有給とお金を無駄にして学んだ家探し~【実録】  作者: roctan


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23/34

23 初めての決定

 その物件Pは希望エリアの駅から

 なんと徒歩3分で行けるという

 好立地の物件でした。


 物件サイトにアップされた写真は、

 築20年近くとは思えないほど綺麗で

 私たちはさっそく内覧へとこぎつけたのでした……が。


 サイトの写真というのは、

 とても加工してあるものです。

 AIにより不要なものは不自然に除去され、

 汚れなどは全て消されているのが通常です。


 それに現地で境界をくわしく確認すると、

「あれ? ここからここまで隣家がはみ出してるの?!」

 と驚くほど、ダイナミックに侵略されていることがわかりました。


 どうやら元々ここ一帯は、同一の持ち主様だったそうで

 区画に分けて売り出したけど、

 そのうちの一区画に持ち主様の自宅を建てた際、

 ”元々は全て自分の土地”という感覚があったのか

 大きくはみ出して建ててしまったようです。


 しかしそのはみ出た家も古くなっており、

 建て替えはそう遠くないようでした。


 またこの家は生活動線も確かで、

 ルーフバルコニーも出入りしやすい駐車場もあり

 内部も多少のリフォームで住めそうでした。


 そこで私たちは、初めての”申込書”を出すことにしました。

 夫はあまり乗り気ではありませんでしたが、

 交通利便性至上主義の私は

 ”最高の駅から徒歩3分”という条件に撃ち抜かれたのです。


 申込書を出し、不動産会社と相談し

 ”指値さしね”を決めました。


 指値とは、買主が売主に対して

「この価格であれば購入したい」と提示する希望購入価格です。


 物件サイトに掲載されている価格はあくまでも売り手の希望価格です。

 スーパーなどでの買い物と異なり、

 不動産売買は価格交渉がつきものです。


 築20年以上経っている上物(建物)の資産価値は

 すでに無くなっているにもかかわらず

 地価より1.3倍上乗せしていることや

 隣家の越境(ローン審査に影響がある)などを含め

 希望価格よりもかなり値引いた金額を

 ”指値”として申込書に記入し、提出し受領されました。


 元々仲介不動産会社の担当者さんは、

 売主さんより”最低でもこの金額”と聞いていたらしく

 うちはまんまとその値段をピタリと当てたようでした。


 次はローン審査です。

 住宅のローン審査というのは2段階あります。

 仮審査と本審査です。


 仮審査は2つの銀行に出しました。

 1つでも良いのですが、複数出すのもOKだそうです。

(通るかどうか不安な人は地方銀行やネット銀行も含め

 たくさん出す場合もあるそうです)


 不動産会社の人が教えてくれた業界用語として

 ”ゆるい”、”かたい”というのがあります。


 ”ゆるい”というのは、

 ”ローン審査が危ない、通らない可能性が高い”

 ということで、不動産会社は次の買い手を探し続けるそうです。


 以前内覧後に不動産会社の人から

「すでに申込書が出されていますが、

 ゆるいのでおそらく流れますね」

 と言われ、申込書を出してみないかと誘われました。


 ”かたい”というのは

 ”おそらく大丈夫”、ということだそうです。


 このゆるい・かたいというのは買い手の事情だけでなく

 物件が違法建築(容積率オーバーなど)である、

 担保価値の不足、法律・建築上の問題など

 物件側にもさまざまな要因があります。


 そしてもし仮審査もしくは本審査で落ちれば

 それは”ローンキャンセル”ということで

 また新たに買主を募集することなります。


 まれに物件サイトからいったん消えたのに

 また戻って来る物件がありますが、

 それはローンキャンセルの場合があります。

(ハッキリと”ローンキャンセル”と書いてあることも)


 我が家の仮審査は三日ほどで通り、

 契約日も週末と決まりました。


 しかし。


 契約日の直前になっていきなり、

 売主様から断りの連絡が来たそうです。


 こちらの提示した指値にやっぱり納得がいかず、

 もうちょっと待てば、

 もうちょっと高値で買ってくれる人が現れるのでは、と。


 売り手側の気持ちからすれば当然のことですし、

 聞けば売却理由が”離婚のため”だそうで

 ご夫婦ともに売却益が重要だったようです。

 ご事情を聞けば仕方ないと思われました。


 通常、不動産売買において

 契約後の撤回は通常ペナルティが付きます。

(売り手が隠していた瑕疵が露呈した場合は別です)


 なお契約した後は、

 買主が”やっぱ買うの辞めますー”と言った場合、

 売り主は手付金を返さなくて良いという決まりがあります。


 逆に売り主が”やっぱ売らない”、と言い出した場合は

 手付金を二倍にして買い手に返さなくてはなりません。


 まあ今回は契約前なので、

 お互い問題なく解消となりました。


 この物件の話は流れることになりましたが

 買うまでの一通りの手順を学べたことと

 ローン審査が問題なく通ること、

 そして通った実績があると次の申込時に有利な事など

 いろんなメリットを得ることも出来ました。


 それに、この時点ではまだ、

「またこんな感じで見つけられるだろう」

 そんな風に思っていたのです……。



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