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【不動産】探しているのに無いじゃない~時間をかけ血眼で探しながら、たくさんの有給とお金を無駄にして学んだ家探し~【実録】  作者: roctan


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15/22

15 新たなる候補地

 この日、いささか複雑な心中で内覧へ向かいました。


 この物件Jは以前、

 いつも能動的に物件を探してくれていた

 あの不動産会社の方に内覧をお願いしたら

「ああ~残念。もう売れちゃったそうです」

 と断られたところだったからです。


 物件サイトには申し込みがあった物件でも、

 ”ローン審査で落ち、流れることもあるため

 そのまま募集を続けることがあります”、

 と不動産会社の人が話していました。


 そのため”決まった”と聞いたのに

 その物件が物件サイトに現れることは

 あまり気にしていなかったのですが。


 あれ? さすがに1カ月は長いな?

 申し込みが無効になったのかな?と思いつつ、

 試しにサイトに記載された会社へ直接連絡してみると

「まだ決まってませんよ? 申し込みも無いです。

 すぐにでもご案内出来ますよ」

 とあっさり言われたのです。


 衝撃を受けた私たちは、

 以前”売れちゃった”と言われた他の物件も試したところ、

 おおむね普通に内覧の予約ができたのです。


 おそらく何らかの事情(不動産会社の関係性や仲介料的なもの)で

 内覧させたくないor内覧できない物件だったのでしょう。


 ショックだけど、彼らもまあ、仕事だから。

 ビジネスなんだから、仕方ないよね。


 そう思いなおして、

 私たちは内覧をどんどん進めました。


 そもそもこの辺りの物件を探し出したのは、

 自宅の売買契約が終結し、

 探し始めてからだいぶ経ってからでした。


 当初の希望エリアは確かに良かったのですが、

「これから人気も地価も需要も急上昇する!」

 というスペシャルな場所で

 一般人だけでなく企業も大注目の土地でした。


 さらにはそこは”代々住み続ける”お土地柄だったため

 新しい物件も滅多に出ない、と言われ

 ”あ、こりゃダメかも”と思い始めたのです。


 それに気づいた後は困惑し、

 じゃあどこに住めばいいんだ……

 と途方にくれました。


 しかし巨大な路線図を前に思考を重ね、

 AIくんたちに相談しながら情報を集めた結果。


「え、この辺ってすごく良くない?」

 というエリアを発見したのです。


 そのエリアは2路線使えて、

 お店や病院が充実している静かな住宅街だけど、

 超重要路線のスーパーメジャー駅には

 たった数駅で出られるのです。


 さらに言えば、最初の候補地から家族の職場・学校は

 今の家よりやや近くなるかな~だったのですが、

 新たに見つけたエリアはなんと15分以内でいけるのです。


 朝、もう30分寝られる……

 何ここ、すごい。マジでこれは発見だ。

 新大陸を見つけたマゼランも

 きっとこんな気持ちだったことでしょう。


 一度”ここが良い”と思うとなかなか覆せないというか

 思い込んだら集中して探してしまいますが

 うちのように”土地に執着の無い人”の家探しは

 広さとさまざまな角度で

 路線図を見なくてはならなかったようです。


 その物件Jは、その地で最初に目をつけた物件だったのです。

(売れたと言われて、いきなり出鼻をくじかれたわけです)


 現地に着くと、その家はまだとても綺麗でした。

 築5年くらいで、駅からも8分だし、

 間取りも3LDKと充分でした。


 しかし中に入って見ると印象が変わりました。


 南側に窓がひとつもなく、

 東と西も窓が小さく端にあり、採光と通風は悪そうです。


 柱や壁の位置がデコボコしており

 お洒落なデザイン住宅にもみえましたが、

 こういった住宅は少々使いづらい面もあります。

(家具をどこに置く問題が発生します)


 ここを擬人化するなら

 ”どこか混乱している芸術肌の人”

 と言った感じです。


 一通り見た後、その家の担当に外へと促されました。

 そこで担当者から

「この物件は任意売却なんです」

 と言われました。


 任意売却とは、住宅ローンなどの返済が困難になった際、

 債権者である金融機関の同意を得て、

 差し押さえや競売にかけられる前に

 自宅を売却する手続きです。


 ローンが残っていても市場価格に近い金額で売却でき、

 残債の分割返済などの交渉も可能です。


 競売より高く売れ、周囲にも事情がバレにくく

 立ち退きと違って退去時期を相談できるメリットがあります。


 ただタイムリミットがあり、

 競売の手続きが進んでしまうと

 任意売却ができなくなってしまうため

 担当者はとても急いでいました。


「すぐに申込書を出しませんか?」

 ご事情はともかく、

 建物の印象があまり良くなかったため

 いったん持ち帰りにはしました。


 正直なところ、この物件は

 そのあたりの地価で考えても

 また同エリアの物件価格から見ても

 ちょっと高めの値段設定となっていました。


 そのため申し込むなら指値(こちらの希望金額)は

 相談させてもらおうと考えていました。

 つまり値切る気満々だったわけです。


 しかしながら任意売却となると

 この高値はオーバーローンの可能性もあります。

(オーバーローンとは、

 住宅の資産価値よりもローン残高が多い状態)


 そうなると値引き交渉は難しいし

 そもそも売主に申し訳なくなってしまいます。


 幸い? 物件自体に惹かれるものはなかったので

 結局、見送らせていただくことになりました。


 なのでまあ、”売れちゃいました”の弊害はなかったわけですが

 私たちは物件の問い合わせや内覧申し込みは

 必ず物件サイトに記載されている不動産会社にする、

 と固く決意しました。


 めちゃくちゃ当たり前のことですが、

 どの不動産会社の人も必ず

「スーモやアットホームに載っているものなら

 どれでも紹介できるので、

 気に入ったのあればドンドン教えてください。

 まとめて見に行けばラクですよー」

 と言ってくれるので、ついつい頼みたくなるのですよ。


 そしてもう一つ。

 希望エリアを拡大することにしました。


 広いエリアで探すのは大変面倒ではありますが、

 自分の知らない(気付いていない)だけで

 良い場所はまだまだあるのだ、そう気づいたのです。


 そうして私たちは幅広い範囲で探し続けたのです。


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