13 訳あり物件いろいろ
家探しといえば、
たまに出くわすのが”訳あり物件”です。
”訳あり物件”とは、
何らかの欠陥(瑕疵)を抱えている不動産のことです。
欠陥(瑕疵)は、だいたい以下の4種類に分けられます。
①心理的瑕疵:
過去に事件、事故、孤独死などが発生した(事故物件)。
②物理的瑕疵:
建物や土地自体に問題がある(雨漏り、シロアリ被害、設備の故障など)。
③法的瑕疵:
法律の基準を満たしていない(再建築不可・容積率オーバーなど)。
④環境的瑕疵:
環境的に騒音・悪臭がある、横に墓地や火葬場などがある。
そしてこの”訳あり物件”は
相場より家賃や価格が大幅に安いのが特徴です。
①など気にしない人にとっては
ただの”お買い得物件”なのでしょう。
なお先にお伝えしておきますが、
私たち夫婦は霊に関しては”第ゼロ感”です。
心霊的な恐怖体験は一度もしたことがなく、
内覧の時にも
「一足踏み入れたとたん、全身に鳥肌が立ちました」
「ずっと背後からの視線を、強く感じていたのです」
なんて体験をしたことはまったくございませんでした。
一番ゾッとしたのは、空き家を内覧した際に
各部屋だけでなく廊下にまで
ごきぶりホイホイが置かれていたのを見た時でしょうか。
”これはもう、確実に居る……”。
あんなに手際よく内覧を終わらせたのは最初で最後でした。
なので決して”訳あり物件”イコール”事故物件”ではありません。
私が探している期間に見かけた数十件のうち、
人の生き死にが関わるようなものは3件くらいでした。
通常、あまりにもネガティブな情報を
いきなり物件紹介サイトに載せたりしていません。
備考欄に小さく”告知事項あり”と書いてあるだけです。
時々、それすら書いてない物件もあり
問い合わせの際に驚かされることとなります。
一度、希望の駅に破格の物件が出たので速攻連絡したら、
”前所有者の家族が、部屋で自死された物件です”と
口頭で伝えられました(メールでは書けないそうです)。
「壁も床も代えたので」
と言われましたが、さすがに辞退させていただきました。
しかしここは瞬く間に売れたので、
気にされない方のほうが意外と多いのかもしれません。
中古の場合、売却理由は築年数によって分かれます。
思いっきり古い家が売りに出されている場合は
相続処分や前所有者が施設に入ったケースが多いです。
中途半端な、例えば20年程度の時は、
ご家族や仕事の引退などでの環境の変化でした。
そして築浅。たった5,6年のものや
わずか1年のものもありましたが
(そういや半年っていうのもあったな)
これらは離婚か、任意売却の可能性があります。
離婚することになり財産分与のため売却する場合と
事情によりローンが払えなくなって
金融機関が”任意売却”することになったパターンです。
もちろん”急な海外への栄転”や
”二世帯建てて親と住むことになった”
といったケースも多々あります。
前の人がどうなったか気になった場合、
(小説”残穢”とか読んでしまった後には
過去まで遡って調べたくなるかも)
元持ち主がこの家を手放した理由については、
担当者に聞くとちゃんと教えてくれます。
売却理由(他人の人生)など、
基本的にはどうでも良い事ですが、
万が一、”隣人と揉めてた”とか
”最近、泥棒に入られた”とかであれば
聞いておいた方が良いかもしれません。
(一度入られた家はまた狙われる確率が高いです)
なお新築とはいえ、油断がなりません。
以前建売を見ていた時に、
「ここは以前、アパートだったみたいですね」
(グーグルマップの表示がアパートだった)
と尋ねたら、慌てたように担当者が
「そうなんですよ、そこの住人さんが孤独死されて
取り壊しすることになったそうです」
と教えてくれました。
……結局、日当たり的な問題で、
その物件は見送ることになりました。
そしてなんとも言い難い体験をしたのは
超メジャー駅から徒歩5分、日当たり最高、
公道に面した好立地の物件でした。
古いとはいえ、とんでもないお買い得です。
しかし不動産に”掘り出し物”などあり得ません。
(これは本当にそうです。探し始めたころは、
”ポロっとそういう物件が出てこないかな~”
なんて思ってましたが、そんなものは存在しません)
内覧した時、廊下の床の一部が黒く崩れていました。
雨漏りするような場所でもないのに
床が抜け落ちかけていたのです。
「これはフルリフォームだな~」
などと言いながら、全体を内覧して帰宅。
不動産会社からの電話で
私たちの耳に飛び込んできたのは、
「すみません! あの家、事故物件でした。
前の持ち主様は廊下で亡くなり、
数日後に発見されたそうです」
という言葉でした。
おっと事後報告なんてあり得るのか。
担当者いわく、たまに売主(その家を相続した人)が
売却に不利になるのが嫌で
そういった事実を隠匿してしまうそうです。
しかし不動産会社の調査の結果、
後からそれが発覚した、とのことでした。
私たち夫婦は合理主義ですが、
”心理的瑕疵”がもたらす影響を
強引な理屈でねじ伏せることのリスクは犯せませんでした。
以前そういったことがあったと知り、家族の誰かが
気分が落ち着かなかったり、不安を感じてしまい、
さらに何か不幸な出来事があった際、
どうしても結び付けて考える可能性があります。
だから、よほどその物件を気に入っていない限り
”事故物件”は止めておこう、と決めていました。
この物件もキッチンとリビングが別室、
という昭和な間取りだったため、
あっさりと候補から外れることになりました。
やはり異常に安い物件は高確率で”訳あリ”です。
また”訳あり”でなくても、家の売却には
離婚にしろ病気にしろ借金にしろ、
何かしらのネガティブな要素が含まれることがあります。
とはいえ人類の長い長い歴史を振り返ると
哀しい出来事とは無縁な場所、
人が死んでない居住地など存在しません。
「過去に良い事しか起こっていない幸せな場所」
そういうエリアはおそらく天国だけなので、
住みたいと思わない方が良いかもしれません。




