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陰り逝く日々  作者: 和之
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綾子と裕子は京都へ5

「狭山さんの話だと北村さんはその篠原って言う男と穂高連峰を縦走して帰ってから北村さんは塞ぎ込むと云うか何か打ち解けにくい物を佐恵子さんが感じ取ったらしいけれど原因は判らなかった。それもそのはず彼は篠原との約束をかたくなに守ってるんですもん」

「約束って?」

 何でも男の約束だそうだけれど昔の話だからもう時効だと云って喋ったらしい。

「稜線の尾根に座り込んで休憩していた所を突き落とされそうになったと狭山さんは言ってた」

 そんな肝心な事を北村から、おもむろに狭山さんは聴かされた。

「北村さんは綾子でなく、なんでそんな大事な事を狭山さんには喋るんだろうね」

「私は気を惹く対象であって同情を引く対象じゃあないのよ」 

「そう云う気遣いをする人か北村さんっていう人は、誤解されやすいタイプなんだ」 

「そう、だから彼女は北村さんの塞ぎ込みが篠原と実家へ行った時と雰囲気が似ていると感じた。あの時はすぐに北村さんは想いの全てを佐恵子さんにぶっつけて関係がこじれ掛けた。その再現に似たものを彼女が感じ取ったと云っていた」

 今度はその男の約束に北村さんが変に拘って、彼女はこんな事が二度あるような人とはと思ったらしい、この辺りは全て北村さんの憶測に過ぎないけれど。

「綾子の話では狭山さんと北村さんがごっちゃになってるけど、それって全ての出所は北村さんなのに、綾子には話の内容を分けているのは彼の偏った思いやりから来ているのね」

「過去のそう云うスッキリしないものをハッキリしたいから彼女に会う気になった。そこで彼に問われても彼女は肝心な山での出来事を聞いていなかったって言えるでしょう。実際に訊いてないんだから」

 だが北村が彼女と再会した時に、過去の"あの"出来事の話はなかった、いやそんな雰囲気は感じられなかったと狭山さんから聴かされた。その狭山さんでもあの女の店は北山通りに在るブティックと云うだけしか聞いていなかった。


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