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陰り逝く日々  作者: 和之
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友美と祐次2

「そんな馬鹿面してないでお義兄さんの家へ行って」

「行ってどうすんの?」

「裕次くん、あなたが訊けなければあたしが訊くわ」

 よく考えればこんな込み入った事を部下の裕次に話す訳がないか。ならば今日は義兄の家まで送ってもらうことにした。ドライブを約束してそのまま 帰って貰うのは気の毒と思い、あたしのおごりで途中ふたりで夕食をしてから正幸の家まで行く事にした。車はファミリーレストランに入った。

「さあ裕次くん、好きなのを頼んで」

 テーブル席には簡単なランチ定食が並んだ。友美は遠慮しなくて良いのにと言ったが。裕次は後で倍返しが怖いと茶化して食べ出した。

「トモちゃんに奢って貰うなんて何十年振りだろうね」

「そんなに付き合ってないわよ。それに大袈裟ね。それだけ今日のデートのすっぽかしは心苦しく思ってんのよ。それよりお義兄さんから何処まで訊いたの?」

 食べながら話す裕次の説明で正幸と北村の学生時代までの交友は解った。

姉が正幸と挨拶意外に親しく喋れるようになったのは四回生になってからだ。それまで北村は会わせなかった。たまに一緒の時に出会うと北村はサッサと正幸を帰していた。

「恋人に親友を四年近くも黙っているなんて北村さんってなんていう人なの」

 しかも卒業した年には二人で登山に行っている。それが破局の前なのも気になった。

「でも課長は北村さんの事をそんなに悪くは思っていませんよ」

裕次は皿に盛られたライスをスプーンで掻き込んでいた。

「祐次くん、お腹空いてたの ? それとも私が急いでいるから」

「両方でーす」

 友美は呆れたがとにかく食事だけは落ち着かせた。

「あたしもさっきまで北村さんとお姉ちゃんと一緒に居たけど。凄いのよベーリング海って知ってる?」

「アラスカとカムチャッカとアリューシャン列島の間にある北の海だけど、冬は荒れるし夏は霧に覆われてかなりやばい海らしいですよ」


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