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歪《いびつ》な刃~残金0、サイコパス浪人生。免許資格を問われ、「日本国籍」。なぜか小説家を目指す。知り合って間もない好きでもない人に「結婚しよう」。こいつ、ヤバみ~  作者: 喰寝丸太
第1章 サイコパス小説家が生まれた日

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第7話 こっからが本気(ガチ)モード

 婚姻届はあっさりと出し終えた。

 マイナカードも復活したし、区役所関係の処理は完全にクリア。

 現住所も真治の部屋に変更完了だ。


 結局、美夏さんの裁判に関しては俺は名義を貸すだけでノータッチ。

 美夏さんは親に『結婚する前にちょっとトラブルがあって、それを解消するために裁判になるかも』と説明したらしい。

 俺には直接関係ない話だし、どうでもいい。

 大事なのは毎月振り込まれる2万円だ。


 今日は美夏さんのご両親とレストランで顔合わせ。


「初めまして、空中凡太です」

「……フンッ」

「ちょっと、あなた!」


「お義父さんの気持ちは分かります」


 感情の理屈は理解できる。

 共感したり、心に響くものがあるわけじゃないけど。


「まだ認めたわけじゃない! お父さんなどと呼ぶな!」

「お父さん、孫の顔見たくないの!?」

「そんな男の顔など見たくないわ!」

「私の夫でもあるのよ!」


「凡太さん、すみません……後でしっかり言っておきますから。あなた、いい加減にしなさい!」

「料理が勿体ないから全部食うが、二度とお前なんかと一緒に飯は食わん!」

「ごめんね……」

「美夏さんが謝る必要ないよ。お義母さんも気にしないでください。僕たちでお義父さんを説得してみせますから」


 特に心配はしていない。

 美夏さんが幸せそうにしていれば、そのうち勝手に解決する。

 将来的にどうなるかは分からないけど、孫の顔でも見せれば機嫌も直るでしょ。

 直らなかったら、その時は敵認定するだけ。そういうこと。


 お義父さんの不機嫌は、食事が終わっても直らなかった。

 別れの挨拶すらなしで、席を立って帰っていった。

 まあ、いきなりすぎたし、不機嫌になるのも無理はない。


「じゃあ、何かあったら連絡して」

「うん、そうするね」


 月2万円だと、俺の分の食費と通信・光熱費でマジでギリギリ。

 家賃の半分を負担するのは無理だから、家事を全部やってる分の労働対価だと思ってもらうしかない。

 大家さんに許可をもらって、アパートの庭にゴーヤの種を植えた。

 食材確保と、電気代を浮かせるためのグリーンカーテン作りだ。

 ついでに大豆と空心菜の種も撒いておいた。


 大豆の種は美夏さんから貰ったやつ。

 実家から持ってきたらしい。

 他の種はホームセンターで調達した。


 肥料は生ゴミ。

 完全に腐らせるために、使わなくなったデカいゴミバケツの底に穴を開けて逆さに設置。

 生ゴミを上から入れて、土を被せる。

 匂いが漏れないように、しっかり開閉できるフタで密閉した。

 コンポスターって言うらしいけど、金なんて使えないからこれで十分。

 使えればなんだっていい。


「ドタバタもとりあえず落ち着いたな」

「生活の目処は立ったけど、実際に刑事告訴するタイミングでまたひと波乱来るよ」


「タイムリミットがあるのによくそんな落ち着いてられんな」

「マジでヤバくなったら、美夏さんの親に本当のこと話して頭下げれば済むし。最悪、うちの実家に謝るだけ」


「お前らしいわ。世紀末になっても狂ったように生き残ってそう」

「自分の生存を最優先に立ち回れば、生き残る自信はあるよ」


「で、小説の方はどうなの?」

「まあまあかな。通販モノの方はサイトで架空のネットショッピングしてれば勝手にネタが湧いてくる。ブラックギルドの方はプログラマーネタだから、まだ未開拓分野なんだよね」


「へー、必要なものあったら言えよ」

「俺が遠慮すると思う?」


「1ミリも思わん」

「Pythonと無料の統合開発環境をインストールしたいかな」


「それ、容量オーバーしない?」

「するかもね。AI関連の学習データとかギガ単位だし」


「スマホの月のデータ容量、一回のインストールで即死するやつじゃん」

「そうだね。真治の回線ってネット無制限の契約だよね?」


「ゲームやりたくて無制限にしてる」

「じゃあ問題ナシ」


「容量オーバーしたらどうすんだよ」

「SSD増設一択だね。2万~3万円くらいかな」


「高いな……」

「とりあえず、容量小さめのやつだけ入れるよ」


「つか、お前プログラム書けるのか?」

「無料AIに作らせれば余裕らしいよ。まだやってないけど」


「お前って天才なのかバカなのかマジで分からんわ」

「バカなんじゃない? ただ、バカってたまに天才に見える瞬間があるじゃん。ガキの無邪気な発言が、真理突いた正論だったりするみたいな」


「まあな。ってことは、お前は子供っぽいってことか?」

「大人が持ってる無駄なプライドとか見栄、嫉妬、偏見、思い込みみたいなゴミ概念と無縁だからでしょ」


 真治と話していると、自分という人間を客観的に理解できる気がする。

 まるで鏡だ。


「何笑ってんだよ。なんかイイことあった?」

「会話とは鏡である。だが、大人の鏡は曇っている奴が多い。曇った鏡は虚像しか映さないのだ」


「お、名言出たな」

「これでも一応、小説家の卵だからね」


 後でこの手のフレーズを集めて電波ソングの歌詞にしてみるか。

 真治の知り合いにバンドやってる奴がいたら、歌詞提供してみようかな。


 ここで第1章が終りです。

 第2章からは作中作をテーマに書きます。

 これから作中作を書かないといけません。

 なので、ここで休載とします。


 第2章は真治との掛け合いと、たまに美夏との恋愛系話。

 あとは貧乏ネタですかね。

 エンディングは決めてますが、そこまで行けるかどうか。


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