2話
俺、有美、凜香は今、もの凄い行列に並んでいた、一列に二十人弱、それが七列もある、この学校は学年230人ほど、これでも今は少ない。
琴音さんは三年生なので俺達から離れて三年生の並ぶ場所へと渋々移って行った。
そもそもこの列はクラス分けの列で、窓口にあるタッチパネルに、名前、生徒番号、指紋を確認させるものだ、そしたらタッチパネルの画面が切り替わり、自分の組等がわかる、それが書かれた紙も受け取れる。
なぜこんな制度なのかというと、第一に紙を張り出すと、その前に多くの人が集結し混乱するので、その混乱を防ぐためである、そしてとても馬鹿らしいのだが、痴漢防止のためでもある、4年前に痴漢被害にあった人が現に居た。
『次の方』
機械じみた声が次の生徒を呼ぶ、次と言っても俺なのだが。
まず俺は名前を入力する、その後右にタッチパネルをスライドさせ生徒番号を入力、最後に右手の人差し指をタッチパネルへとつける、すぐさま画面が切り替わり、俺の組を表示する、そして紙が出てきて紙を取る。
「二年二組か……」
別に不満でもないが自然にそう言ってしまった。
俺は後ろの方へと下がり、有美たちを待つ。
数秒後に有美、遅れて凜香がやって来た。
「和くん何組!?」
有美は半ば声を荒げながら訪ねてきた。
「お、おう……」
俺はそう言い紙を見せる。
「二年二組だ」
「やりましたわっ‼」
おれはぎょっとして声の主、凜香を見る、他の生徒も、驚いたのかこちらをちらちらと見てくる。
「りっ凜香ちゃん?」
「はい?」
俺は周りを指さす、するとようやく他人の視線に気が付いたのか、凜香は顔をみるみる真っ赤にしていく。
「はぅ……」
「どうしたんだよ?」
「何でもありませんっ」
凜香は顔を真っ赤にし、俺から顔を逸らした。
「で、お前たちは?」
俺が尋ねると有美は笑顔で組の書かれた紙を渡してきた。
「俺と一緒じゃないか!」
「そうだよっ、宜しくね!」
満面の笑みで有美は言った。
「凜香は?」
凜香はその言葉を聞くと顔を少し赤くし、嬉しさを何とか抑えるかのようなお嬢様たる人間がしてはならない崩れた表情になっていた。
「私も一緒でしてよ」
そう言い紙を見せつける凜香、嬉しそうにしてくれて何よりだ。
俺は自然と笑顔になり。
「宜しくな」
「ふっふんです!」
俺は苦笑する、何故なら凜香の口調が砕けたものになっていたからである。




